インタビュー

双子を妊娠したら―絶対に知っておくべき基礎知識

双子を妊娠したら―絶対に知っておくべき基礎知識
和田 誠司 先生

国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

和田 誠司 先生

目次
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この記事の最終更新は2015年09月16日です。

「幸せ」「でも大変そう」。双子を妊娠されるとこんな2つの思いが混ざってくるのではないでしょうか? 育児準備も大変だと思いますが、その前に妊娠中にも注意しないといけないことがあるのです。双子を妊娠した方に絶対知っておいて欲しい基礎知識を成育医療研究センター・周産期母性診療センター医長の和田誠司先生に伺いました。

双胎妊娠の場合、絶対に知っておいてほしいことは3つあります。

  1. 双胎妊娠はハイリスクであること
  2. 妊娠は「月」ではなく「週数」で言えるように
  3. 膜性診断を理解しておくこと

3つの項目について詳しく見ていきましょう。

双胎妊娠がわかったら、最初に心に留めて欲しいことがあります。それは、双胎妊娠はリスクの高い妊娠であるということです。妊娠中には色々なトラブルがありますが、双胎妊娠は単胎児妊娠に比べて色々なトラブルを起こす可能性が高いため、可能であれば周産期センターなどの高度な医療環境が整っている医療機関に受診するのがよいでしょう。

ここで特に知っておいて欲しい病気は3つあります。“切迫早産”、“妊娠糖尿病”、“妊娠高血圧症候群”です。それぞれについて詳しく見ていきます。

  • 切迫早産

お腹が大きくなるので「張り」も起きやすいです。結果として、双胎妊娠は単胎妊娠よりも早産を起こす可能性が高くなります。また、早産とならなくても切迫早産で早めに管理を始めるため長期入院することも珍しくありません。

  • 妊娠糖尿病と妊娠高血圧症候群

2つとも妊娠による体の負担から起こる病気です。双胎妊娠はより体の負担がかかるので、これらの病気を起こす可能性が高いです。いずれの病気も赤ちゃんとお母さん共に悪影響を及ぼすことがあります。

(参照:「妊娠糖尿病とは? ――胎児への影響も」)

これは双胎の場合でなくてもいえることですが、妊娠は月数「~ヶ月」という言い方でなく週数「~週目」で言えるようにしてください。
例えば7ヶ月といっても、解釈の仕方によっては4週間もの差があり、それだけの差があると医療者側も考えることが全く異なってきます。同じ症状であっても、妊娠週数によっては対応が全く異なることもあります.

何かが起こり電話相談などをする際に主治医につながればいいですが、そうでないことも多いでしょう。臨時の相談をする時には不安をうまく伝える事がなかなか難しいですが、“週数”と次に解説する“膜性”を正確に伝えることができれば、その後の話の伝えやすさがまったく異なってくるはずです。

双子の一般的な表現として一卵性、二卵性というような表現(“卵性”)の仕方がありますが、これはここで説明する“膜性”とは異なります。
“卵性”はリスク評価の際には用いられません。双胎妊娠をした方は“膜性”について知っておきましょう。詳しくは次の記事「双子を妊娠したときの膜性診断―卵性診断との違いとは」をご参照ください。

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  • 国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター 胎児診療科 医長

    和田 誠司 先生

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