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新型コロナワクチン

同義語
新型コロナウイルスワクチン
最終更新日:
2024年10月30日
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2024/10/30
更新しました
2024/08/08
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概要

新型コロナワクチンとは、新型コロナウイルス感染症の予防や重症化を防ぐために用いられる薬剤です。

2019年12月に新たに発見された病原体である新型コロナウイルスは短期間のうちに世界中に広がり、多くの感染者を出して恐れられてきました。世界中でワクチンの開発が進められ、日本では2021年2月にファイザー社製のワクチンが承認され、同月より医療従事者などを対象に特例臨時接種が始まりました。その後、接種対象者の範囲は拡大され、2024年3月末までは生後6か月以上であれば全額公費負担での接種が可能でした。

2024年4月、新型コロナウイルス感染症はインフルエンザと同様に予防接種法に定めるB類疾病に位置付けられ、年1回の市町村による定期接種となりました。定期接種は2024年10月1日より開始され、65歳以上の高齢者、一定の基礎疾患*などがある60~64歳を対象に、費用の一部が公費負担で接種可能となっています。一方、定期接種の対象に該当せず接種を希望する場合には任意接種となり、費用は全額自己負担になります。

新型コロナワクチンは、初めて接種する初回免疫では4週間の間隔を開けて2回接種します。その後に行う追加免疫は1回ごとに1回の接種で行います。

*一定の基礎疾患:心臓・腎臓・呼吸器の機能障害のため身の回りの生活が極度に制限される方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能異常があり日常生活がほとんど不可能な方。

目的・効果

新型コロナワクチンを接種する目的は、新型コロナウイルスに対する免疫を作って発症や重症化を予防することです。

新型コロナワクチンは、これまで日本国内で使用されてきた他のウイルスや細菌などのワクチンと異なり、“mRNAワクチン”と呼ばれる新しいタイプのワクチンが主に使用されます。

mRNAワクチンはウイルスのタンパク質を作るための遺伝情報の一部を人体に注射することで、まず体内でウイルスのタンパク質の一部が作られます。そのタンパク質に対して人体が反応して、ウイルスに対する免疫ができると考えられています。

また、従来のmRNAワクチンに加えて、新たな選択肢として自己複製型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)が導入されました。レプリコンワクチンの特徴は、酵素の作用により接種したmRNAが体内で一時的に複製されることです。この特性により、従来のmRNAワクチンと比較して、より少ない投与量でも同等以上の免疫効果が期待できます。

新型コロナワクチンは接種して1~2週間程度で免疫ができるとされています。ワクチンを接種すると、接種していない場合に比べて有意に発症や重症化を予防できるとする研究結果が国内外で報告されています。

一方で、新型コロナワクチンの予防効果は、接種後時間が経過するとともに徐々に低下することも分かっています。そのため、前回接種から一定期間経過した段階で追加の接種(ブースター接種)が推奨されてきました。また、新型コロナウイルスは変異を繰り返すため、そのときに流行しているウイルスのタイプに合わせたワクチンが開発されています。

種類

現在、日本では年齢によって以下のタイプの新型コロナワクチンを接種することができます。

12歳以上

12歳以上では、ファイザー社、モデルナ社、第一三共社の3種類のmRNAワクチンと、武田薬品工業社の組換えタンパクワクチンを接種できます。さらに、18歳以上では、Meiji Seika ファルマ社の自己複製型mRNAワクチン(レプリコンワクチン)が接種可能です。

5~11歳

5~11歳の小児には、ファイザー社とモデルナ社の2種類のmRNAワクチンを接種できます。6~11歳では、武田薬品工業社の組換えタンパクワクチンも初回免疫に限り接種可能です。

6か月~4歳

生後6か月~4歳までの乳幼児では、ファイザー社、モデルナ社の2種類のmRNAワクチンが接種できます。ただし、モデルナ社のワクチンが使用できるのは初回免疫のみです。

リスク

新型コロナワクチンの主な副反応は、接種部位の痛み、疲労感、頭痛、関節痛、筋肉痛、吐き気や下痢などの消化器症状、発熱、発疹(ほっしん)などです。いずれも多くは数日以内に改善するため重大な懸念はないとされています。ごくまれにアナフィラキシー*の発生の報告もありますが、医療機関での迅速な対応で治療が可能です。

また、mRNAワクチンはごくまれに心筋炎や心膜炎を引き起こすとの報告もあります。特に10代から20代の若い男性に生じやすいとされており、発症すると接種後4日以内に動悸(心臓がドキドキすること)、息切れ、胸の痛みなどの症状が現れるため注意が必要です。一方で、心筋炎や心膜炎は発症したとしても軽症であることが多く、ワクチン接種のメリットのほうが大きいとされています。

*アナフィラキシー:何かしらのアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)にさらされた後、短時間(多くの場合は30分以内)で全身にさまざまなアレルギー反応による症状が現れること。具体的には蕁麻疹、皮膚の赤みやかゆみ、唇や舌の腫れ、息苦しさ、腹痛、嘔吐、血圧の低下などの症状が挙げられる。

接種の対象者

新型コロナワクチンは生後6か月を過ぎたら接種できます。

2024年3月末日までは、予防接種法に基づいて特例臨時接種に位置づけられていたため、初回接種、追加接種全てが全額公費負担で接種できました。しかし、2024年4月1日からは定期接種(B類疾病)となり、以下の条件に当てはまる方のみが年に1回秋から冬に一部公費負担で接種可能です。

  • 65歳以上の方
  • 60~64歳で一定の基礎疾患を有する方……心臓・腎臓・呼吸器機能障害があり身の回りの生活を極度に制限されている方、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫機能異常で日常生活がほとんど不可能な方

これらの条件に当てはまらない方が接種する場合は全額自己負担で接種することになります。

接種前後の注意

新型コロナワクチンは、37.5℃以上の発熱があるときや重い急性疾患にかかっているときには接種することができません。接種する前には体調管理を行い、気になる症状がある場合には必ず医師に相談しましょう。

また、新型コロナワクチンは筋肉内注射で接種します。強い痛みを感じた際に気分が悪くなる人もいるため、これまでに注射や採血をして気分が悪くなったことがある場合は事前に医師に相談してください。接種後はごくまれにアナフィラキシーなど重篤な症状が現れることがあります。アナフィラキシーは通常は接種直後に発症するので、接種後30分間程度は医療機関にすぐコンタクトできる状況であることが望ましいです。帰宅後の生活に特に制限はありませんが、気になる症状がある場合は医療機関に相談しましょう。

費用の目安

現在、新型コロナワクチンは定期接種(B類疾病)の対象者は年に1回、一部公費負担で接種できます。低所得者を除いて各自治体が設定する自己負担額がかかります。定期接種に該当しない場合や、該当しても年に2回以上の接種を希望する場合は全額自己負担での接種となります。

厚生労働省は、定期接種の場合は自己負担額を最大で7000円、任意接種の場合は接種費用を15,300円程度にする方針を掲げていますが、接種費用は自治体や医療機関によって異なるため事前に確認しておきましょう。

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