原因
月経不順の原因には、ホルモンバランスの乱れや卵巣の病気などが挙げられます。ホルモンバランスが乱れる原因としては、ストレスや過度なダイエット、環境の変化などがもっともよくみられます。月経不順にはさまざまな原因が考えられるため、異常を感じた場合は自己判断せず、専門医を受診するとよいでしょう。
生活習慣や環境による影響
ダイエットや肥満、ストレス、疲労、環境の変化などがホルモンバランスに影響し、短期的に月経周期が乱れることがあります。過度な体重減少や過度なストレスはホルモンを調節する“視床下部”という脳部位に影響し、卵巣機能の障害を引き起こす可能性があります。
卵巣の病気
卵巣の病気のうち、月経不順の原因として比較的多い病気としては多嚢胞性卵巣症候群が挙げられます。成熟した女性の5~8%に発症するといわれていますが、この病気自体の原因は分かっておらず、男性ホルモンの量が増えることにより排卵しにくくなり月経不順や無月経を引き起こすとされています。
そのほか、卵巣の腫瘍や、早発卵巣不全(40歳未満で閉経のような症状が起こる病気)などで卵巣機能が低下すると、月経不順になることがあります。
ほかの臓器の病気
脳下垂体は、月経に関わるホルモンを調節するはたらきをしています。脳下垂体に腫瘍ができる、またはその腫瘍を手術で取ることで、ホルモンバランスが変化して月経に影響が出ることがあります。
また、甲状腺の機能が低下した影響でプロラクチンというホルモンが増えることがあります。プロラクチンは、母乳の分泌を促したり母体への負担を減らすために出産直後の妊娠を抑えたりする作用があり、通常は妊娠中や出産後に増加します。しかし妊娠中や出産でないにもかかわらず何らかの理由でプロラクチンが高値の場合、排卵を障害して月経不順となることもあります。
薬剤や治療の影響
うつ病やパニック障害の治療のために処方される精神安定薬の影響で、プロラクチンが高まり、排卵が止まることがあります。また、抗がん薬治療や放射線治療、卵巣の手術の影響で、卵巣機能が低下して排卵が障害され月経不順となることがあります。
その他の原因
月経が止まる原因として妊娠や閉経がありますが、これらは自然な変化であり病気ではありません。また、初めての月経から数年間は排卵周期が定まらないことも多く、月経不順があっても正常な乱れの範囲内といえる場合もあります。一方、月経不順だと思っていたものが、実は月経ではなく不正出血(月経以外の性器出血)である場合もあります。不正出血では、ポリープや子宮の腫瘍、血液凝固異常などほかの病気が隠れている場合があるため、心当たりがある場合は病院で診察を受けるのがよいでしょう。
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