ししゅうえん

歯周炎

別名
歯槽膿漏
最終更新日:
2017年04月25日
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2017/04/25
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概要

歯周炎とは、歯垢がうまく除去されないまま放置された際、歯と歯肉(歯茎)の間の溝である歯周ポケットに炎症が引き起こされた状態です。歯槽膿漏と呼称される場合もあります。

歯周炎は、歯肉に炎症が及んだ状態から徐々に進行しますが、歯肉の腫れや出血のしやすさなどの症状を認めます。普段の歯磨きから、歯の間を含めて歯垢をしっかりと除去するなど注意を払い発症予防につなげることが重要です。

原因

歯周炎は、歯垢がうまく取り除けないことを原因として発症します。初期の段階では歯肉にのみ炎症が限局する歯肉炎と呼ばれる状態ですが、炎症が進行することで歯周炎の発症に至ります。

歯垢の形成には細菌の繁殖が深く関わっていますが、細菌によって炎症が引き起こされることで歯周炎は発症します。そのため、食後の歯磨きが不十分である、歯並びが悪くて磨き残しが生じやすい、などの状況では歯周炎が発症しやすくなります。

歯周炎を引き起こす細菌は、主には唾液を介して感染すると考えられています。食事の際に家族内で同じスプーンや皿を共有することや、性交渉などで感染が広がります

しかし、人によって歯周炎を発症しやすいかどうかは異なることも知られています。このことから、遺伝的な要因も歯周炎の発症に関与していると考えられます。

その他、喫煙習慣やある種の薬剤(てんかん薬や血圧降下剤など)などによっても歯周炎は引き起こされやすくなります。

症状

歯周炎は、歯肉に炎症が及んだ状態から徐々に進行しますが、歯肉の腫れや出血のしやすさなどの症状を認めます。歯周炎では歯肉に炎症が限局するのではなく、歯周ポケットが深くなり歯を支える骨にも影響が生じてきます。そのため、歯のぐらつき、歯が抜ける、歯の隙間が大きくなる、などといった症状をみることもあります。

こうした症状と関連して、食事にも大きな支障を来すようになります。その他、口臭が通常よりも強くなることがあります。

歯周炎が進行すると、歯を支える組織の深くにまで炎症が進行します。このことにより、ものを噛む動作に対してうまく歯が対応できなくなります。歯が抜けてしまうこともありますし、噛む動作を改善させるために抜歯せざるを得ないこともあります。

歯周炎で生じる症状は、歯に限局したものばかりではありません。たとえば、誤嚥性肺炎心筋梗塞などといった病気との関連性も指摘されています。

検査・診断

歯周炎では、歯のぐらつきや出血、歯茎の腫れ、といった歯茎の状態や、歯と歯茎の溝の深さなどを確認する歯周組織検査と呼ばれる検査を行います。また、歯を支える骨の状態を詳細に評価するために、レントゲン写真の撮影も行います。その他、歯型を用いた模型で様子を確認したり、原因となっている細菌を確認するための細菌検査を行ったりします。

治療

歯周炎は、普段の歯磨きから注意を払い発症予防につなげることが重要です。具体的には、歯の間を含めて歯垢をしっかりと除去することが大切であり、毛先の開いていない新しい歯ブラシを使うことを心がけます。また、歯ブラシを細かく動かし、適度な力で歯を磨くことが大切です。

歯間ブラシやデンタルフロスの使用も、歯垢除去のためには効果的です。その他、専門の医療機関においてプラーク・歯石を除去してもらうことも効果的です。進行している歯周炎に対しては、より深くの組織もしっかりと清潔にするためにフラップ手術と呼ばれる方法が選択されます。

歯周炎は進行することで歯の健康が著しく障害されてしまうのみならず、重篤な全身疾患を引き起こすことがあります。生活の質を保つためにも、正しい歯磨きを心がけ、定期的な歯科受診をすることが重要です。

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