私たちが生活するうえで、食事を欠くことはできません。食生活は単に身体の維持だけでなく、生活の質を向上させる上で重要な要素といえます。ふだん意識しにくいですが、食事をする上で、歯や口腔の組織は非常に重要な役割を果たしています。近年、食生活やライフスタイルの変化で、歯周病に罹患する方が増えているといわれています。
ここでは、誠敬会クリニック内科・歯科会長の吉野敏明先生と、同じく誠敬会クリニック内科・歯科理事長の田中真喜先生に、歯周病とはどのような病気なのか、お話をうかがいます。
歯周病の「歯周」とは、歯を支えている以下の4つの組織のことを指します。
健康な歯周組織とは、この4つの組織にまったく異常がない状態です。一般的に歯肉はきれいなピンク色をしています。歯磨きのあとに出血したり、多少冷たいものや熱いものを口にした時も、しみたり、違和感を覚えたりすることはありません。
ところが、歯磨きを行わなかったり、歯並びなどの理由で磨き残しが生じたりしやすい場合は、歯と歯肉の境目に食事の食べかす(歯垢)がたまりやすくなります。その結果、歯周病の原因菌が繁殖し、歯肉に炎症が起き、歯肉の腫れや出血が起きやすくなります。この状態を「歯肉炎」といいます。ごく初期なら正しい歯磨きをすれば、歯肉が健康な状態に戻ることも珍しくありません。
しかし、歯磨きで歯垢が除去されないままになると、歯肉に起こった炎症が他の歯周組織にも進んでしまいます。こうなると、歯磨きを丁寧に行っても、歯肉の下にある他の歯周組織へ炎症が進んでいきます。この状態が、歯周病と呼ばれる状態です。
長年の研究の結果、歯周病は歯や歯周組織だけでなく全身に影響を与える病だということがわかっています。プラーク形成菌(食べかすを分解して歯垢を作り出す菌)や歯周病原菌(歯周病を起こす原因となる菌)が起こす病気としては、主に以下のものがあげられます。
高齢の方が罹患する肺炎の大部分は「誤嚥性肺炎」といわれます。これは、歯磨きや入れ歯のケアが不十分なため、口腔内および咽頭に菌が増加することが原因となり、誤嚥(食べ物を飲み込むときに、誤って気管に入ってしまうこと)によって口腔内で繁殖した菌が、気管や肺に入ってしまうケースが増えるために起こります。歯磨きや入れ歯のケアを行うことで、肺炎の発症率が低下することから、歯磨きや入れ歯のケアはご高齢の方の肺炎防止に効果が高いことがわかっています。
歯周病によって起こる菌血症(細菌が血液に交じって全身にめぐり、様々な症状を引き起こす病気)によって、心臓の内膜に炎症が起こることは古くから知られています。心内膜炎を起こす危険性が高いと判断される患者さんは、歯磨きや入れ歯の手入れを十分に行うことが大切です。また、歯科での治療を受けた際に、菌が血液に交じらないよう、予防的な措置として抗菌剤の投与が行われる場合もあります。
歯周病は、直接の原因にはならないものの、様々な病気を誘発する可能性があると指摘されています。代表的なものについて例証します。
さまざまな研究や調査によって、歯周病は糖尿病の発症のリスク、そして重篤化させるリスクになることがわかっています。これは歯肉が炎症を起こすことで発生する物質が、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの効果を弱めるからだといわれています。
歯周病は、妊娠中の女性の血液中に、子宮収縮を促すプロスタグランジン (PGEs) を増加させやすくなることがわかっています。そのため、胎児の成長に影響を与えたり、早産をおこしたりするリスクがあるとされています。
動脈硬化を起こした部位を調べたところ。歯周病の原因になる菌の遺伝子が検出されたことから、歯周病が引き起こす炎症によって発生する物質が、動脈硬化を引き起こす可能性が指摘されています。
はっきりと解明されてはいませんが、動脈硬化と同じ理由で歯周病が原因のひとつになっているのではないかと疑われています。詳細は今後の研究結果を待つ必要がありますが、歯周病が心筋梗塞を引き起こす原因のひとつになっている可能性は否定できません。
バージャー病とは、足の静脈が炎症を起こすことにより、足の潰瘍や壊死を起こす難病です。病変部から歯周病原菌のスピロヘータ(Treponema denticola)が高率に検出されることが報告されたことから、歯周病との関連性が注目されています。ただし、病気が発症する正確な原因や病気の発症までの進行についてはわかっていません。
記事1:歯周病とはどんな病気か。食生活やライフスタイルの変化で発症する方が増えている
記事2:歯周病の原因とは? 歯周病に関する様々な疑問を解明
記事3:歯周病を予防するポイントは? 長く健康な歯を保つための工夫
記事4:どうして歯周病は危険なのか? 歯周病を放っておくと引き起こす可能性がある合併症とは
記事5:歯周病の治療。スケーリングから外科的手術までを解説
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断続的な強い吐き気が続いています
10年以上前から、うつ病と診断され、投薬治療を受けています。 また、機能性ディスペプシアの診断も受け、症状が酷い時は通院しています。 失業して、1年間就職活動を行い(その間はほぼ引き籠り)、2週間ほど前から新しい就職先で就業を始めました。 すると、以下のような症状が出始めました。 ・家から出て出歩くと、断続的な強い吐き気に襲われる。 ・胃がひっくり返る感じではなく、喉や舌の付け根に違和感が生じ、そこから爆発するようにオエッとなる。 (ただ、胃液が口まで上ってくることもある) ・思い切りオエッとえずかないと、吐き気が治まらない。オエッとなると、数分治まる。 ・朝昼よりも、夕方から夜、特に会社を出て帰宅中が一番症状が酷い。 ・渋い日本茶や、真水を飲むと、即座に吐き気がして、胃に到達する前に吐き出してしまいそうになる。薬を飲む際などに苦労する。 (味がついたジュース、麦茶などは平気) ・食事中に、吐き出してしまったりはしない。 ・自宅で安静にしている時は、吐き気は治まる。 うつ病でお世話になっているメンタルクリニックの先生に症状を伝えたところ、うつ病の薬の副作用で、喉が乾燥してオエッとなるのではないか、と言われました。 しかし、試しに飲み物をガブガブ飲みながら会社から帰宅してみたのですが、吐き気は治まりませんでした。 これは、何科に相談し、どんな治療を受けるのが良さそうでしょうか。 飲んでいる薬: 【毎食後・就寝前】 ノバミン錠5mg×1 【夕食後】 イフェクサーSRカプセル75mg×3 リボトリール錠0.5mg×1 ロスバスタチン錠5mg×1 【就寝前】 ロラメット錠1.0×2 デエビゴ錠2.5mg×2 ミルタザピン錠15mg×3 レルベア100エリプタ30吸入用×1
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