歯周病は、歯と歯肉の溝から細菌が侵入し、炎症を起こす病気です。進行すると歯がぐらついたり、抜け落ちたりすることもあります。日本では、45歳以上の人の半数以上に歯周病の症状があるといわれ、歯を失う大きな原因の1つであると考えられているため、早期治療や予防が重要です。
本記事では歯周病の主な症状や対策、治療方法などについて詳しく解説します。
歯周病とは歯と歯肉の溝に侵入した細菌が炎症を起こすことで、歯肉に炎症を起こしたり、歯を支える組織が壊れたりする病気です。この歯と歯肉の溝のことを“歯周ポケット”といいます。通常、歯周ポケットの深さは3mm以内とされています。しかし、日頃の歯磨きが不十分である場合、その歯周ポケットに細菌などが含まれた汚れ(歯垢・歯石)がたまるようになり、その細菌が毒素を産生することによって、歯肉が腫れて歯から剥がれてしまいます。これによって、歯周ポケットの深さが4mm以上になると歯周病と診断されます。
歯周ポケットができるとその中で歯周病の原因菌が繁殖しやすくなるため、歯肉に炎症が起こり、やがて歯を支える組織である歯槽骨などを壊してしまいます。すると、歯を支える組織が後退し、進行すると歯がぐらついたり抜け落ちたりしてしまうことがあります。
歯周病は進行度合いによって“歯肉炎”と“歯周炎”に分けられます。
歯肉炎とは歯周病の初期段階を指し、炎症が歯肉に限局して起こっている状態です。一方、歯周炎とは歯周ポケットがより深くなり、炎症が歯肉にとどまらず歯肉の奥で歯を支えている歯根膜線維や歯槽骨などに広がり、組織が破壊されてしまう状態です。なお、歯周炎は軽度、中等度、重度と進行し徐々に歯肉や歯槽骨などが後退していくため、歯を支えられなくなりぐらつきが生じます。
歯周病の初期段階である歯肉炎では、歯と歯肉の境目が赤く腫れることがあるほか、歯ブラシなどで歯肉をこすると出血しやすくなります。その後歯周炎に発展すると、歯肉の腫れや出血のほかに歯周ポケットから膿が出たり、口臭が強くなったりすることがあるほか、歯を支える組織が徐々に後退することで歯にぐらつきが生じることがあります。
また、歯周病では虫歯のような痛みは生じないことが一般的です。しかし、歯周炎に発展して歯肉に急激な炎症が生じると、強い腫れと共に痛みが伴うこともあります。
歯周病の主な原因は、口の中が不衛生であることです。歯磨きが不十分で口の中に汚れがたまっていると、歯周病になりやすいといわれています。
そのほかの歯周病にかかりやすくなる要因としては、生活習慣や基礎疾患が挙げられます。たとえば、喫煙、食生活やストレスの蓄積などは歯周病にかかるリスクを高めることが分かっているほか、糖尿病などの病気にかかっていると歯周病が進行しやすいといわれています。また、噛み合わせが悪いことや歯の詰め物や被せ物が合っていないことが歯周病の一因になることもあります。
以上のことから、歯周病を予防するためには日々の歯磨きを丁寧に行い、歯科医院の定期検診に通うことが大切です。歯科医院の定期検診では、虫歯や歯周病の有無を確認するだけでなく日頃の歯磨きの方法について指導されるほか、歯磨きでは取りにくい汚れを除去してくれます。また、喫煙など歯周病にかかりやすくなる生活習慣を持っている人は、禁煙を検討するなどの対策をするとよいでしょう。
主に歯周基本治療と歯周外科治療に分けられます。歯周基本治療とは、歯の汚れを取り除くことや歯磨きの指導などを行うことなどをいいます。噛み合わせが悪い場合には、噛み合わせの調整を行うこともあります。
歯周基本治療で改善が不十分な場合には、歯周外科治療を行うことがあります。歯周外科治療では、歯周基本治療で取りきれない汚れを手術によって取り除き、歯周ポケットを浅くしたり、歯肉の形態を整えたりします。また、失われた骨の再生を図る治療が行われることもあります。
これらの治療のほか生活指導、定期的なメインテナンスなどが行われます。また、糖尿病などの基礎疾患を持っている場合には、ほかの診療科の医師と連携して治療を行うこともあります。
歯周病は早期に治療を行うことによって状態の改善が期待できます。そのため、歯肉が腫れている、歯磨きのたびに出血するなど気になる症状があるときは、歯科医院の受診を検討しましょう。また、歯周病を予防し、歯周病にかかった場合の進行を食い止めるためにも、日頃の歯磨きを正しく行いましょう。歯磨きの方法などセルフケアで分からないことがあれば、歯科医師、歯科衛生士など専門家に相談することを検討しましょう。
東京歯科大学市川総合病院 歯科口腔外科
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