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病院を受診するべき?子どもの発熱に伴い起こるさまざまな症状と対処法

病院を受診するべき?子どもの発熱に伴い起こるさまざまな症状と対処法
宮本 朋幸 先生

横須賀市立うわまち病院 副管理者・小児医療センター長

宮本 朋幸 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年07月29日です。

発熱時には、熱以外にさまざまな症状を伴うことがあります。一連の症状は、いわゆる「風邪」によって起きている場合がありますが、熱の出始めは原因を特定できないことも珍しくありません。かかりつけ医にこまめに相談し、子どもの様子や症状に応じて適切な対応をとることが大事です。記事3では、咳、喉の痛み、耳痛、発疹、けいれんなど、日常的にみられることの多い子どもの症状別に、原因として考えられる病気や対応法、注意点について横須賀市立うわまち病院副管理者・小児医療センター長の宮本朋幸先生にご解説いただきました。

発熱時に咳が出ている場合は、呼吸困難の症状の有無を意識的に観察します。呼吸困難の症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 呼吸が速い
  • 肩で息をしている
  • 息を吸うときに肋骨(ろっこつ)の間や首の下(鎖骨周辺)がくぼむ
  • 苦しくて横になれない
  • 鼻の穴がヒクヒクと動く

呼吸困難の症状が出ている場合や、苦しそうにしていて顔色や唇が青い場合は、速やかに医療機関を受診してください。

呼吸困難の症状が起きていない場合は、一般的な「風邪」による症状のひとつと考えてよいでしょう。

咳や喉の症状がみられたら、喉の乾燥を防ぐとともに、部屋の空気を清潔に保つことが大切です。

  • 部屋を加湿する
  • 水分をこまめに補給させる
  • 家族内に喫煙者がいる場合は禁煙を心掛ける
  • 部屋に(ほこり)をためない

目・鼻・口・耳は全てつながっているため、上気道に炎症が起こると、耳にも炎症がおよぶことがあります。発熱時に耳痛を伴う場合、中耳炎の可能性があります。軽度の中耳炎ならば、通常のいわゆる「かぜ薬」で対処可能ですが、重症の場合は抗生剤が必要になることもあります。

対応については、かかりつけ医に相談して、医師の指示に従ってください。

発疹が生じる病気の種類は多岐にわたり、発疹の原因もアレルギーから感染症まで幅広く考えられます。発疹は原因判断が難しい症状のひとつであるため、発疹が出ている場合は、熱の有無にかかわらず、医療機関を受診してください。このとき、発疹が現れていることを医療機関に伝えておきましょう。感染性の病気による発疹の場合は、ほかの患者さんにうつらないよう、専用の診察室で診察することがあります。

生後6か月~5歳くらいまでの子どもが38℃以上の熱を出したときに起きるけいれん発作を「熱性けいれん」と呼びます。熱性けいれんは、日本の子どもの約5%が一度は発症しているといわれる症状です。

子どもが突然けいれんし始めて、驚いてしまう親御さんは多くいらっしゃいます。ほとんどの熱性けいれんは5分以内に治まるので、まずは冷静になることが大切です。

子どもがけいれんした場合、まずは安全の確保を優先します。物にぶつかる恐れの少ない安全な場所に移動させましょう。けいれん中に嘔吐することがあるので、横向きに寝かせて誤嚥を予防します。子どもの体勢を整えたら、けいれんを開始した時間を確認してください。そして、けいれんしている場所とけいれん中の様子を観察しておきましょう。

けいれんの際、指や異物を口の中に入れたり、体をゆすったりたたいたり、飲み物を飲ませたりすることは、絶対にしてはなりません。

けいれんが5分以内に止まり、泣き出したり、呼びかけに反応したりするようであればそのまま自宅で様子をみても問題ありません。けいれんが5分以上続く場合は、救急車を要請してください。

熱を出して泣き止まないときは、泣くことのできる元気があるとも判断できるので、重症の可能性は低いと考えられます。自宅で、「記事1」でお話しした観察項目を念頭に様子をみながら、日中の診療時間に病院を受診してください。子どもが泣き止まないときは、家族で外出する、好きな遊びを一緒に行うなど、気分転換をさせてみると効果的なことがあります。気分転換の効果がなく、普段好きなことにも興味を示さずに泣き続ける場合は、受診を検討してもよいかもしれません。

また、発熱して泣けないほどぐったりしている場合は救急外来を受診してください。

宮本先生

日常的に起こる子どもの体調不良に対して適切なケアをするために、親御さんには、かかりつけ医としっかりとした関係を持っていただきたいと考えます。かかりつけ医にこまめに相談して、子どもの様子を定期的に診てもらうことを大切にしてください。

突然の発熱などで判断に困った際は、日常的にお子さんの様子を診ているかかりつけ医を受診することを推奨します。普段の子どもの様子を知っている医師であれば、迅速に対応することができるはずです。

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