院長インタビュー

「地域密着型ケアミックス病院として健康を守る最成病院」

「地域密着型ケアミックス病院として健康を守る最成病院」
鈴木 孝雄 先生

有相会 最成病院 院長

鈴木 孝雄 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年09月02日です。

医療法人有相会 最成病院(以下、最成病院)は1986年に千葉市花見川区に開院しました。緑に囲まれた穏やかな環境のなか、異なる機能を持つ複数の病棟を有しているケアミックス病院として、急性期から回復期、慢性期に至るまでの医療を担っています。

同院の特徴や、地域との関り方について、院長の鈴木孝雄先生にお話を伺いました。

病院外観
病院外観

当院は、地域の急性期治療に加え、療養生活が必要となる患者さんを受け入れる病院として、1986年3月に開院しました。

そのため当院では、内科、外科、整形外科などの診療科が中心となり、手術や緊急入院が必要な急性期から、リハビリテーションが必要な回復期、在宅療養を含め長期療養が必要な慢性期まで、さまざまな病期に幅広く対応しているのが特徴です。

さらなる高齢化が進行するなか、当院は地域密着型のケアミックス病院として、この地域の実情にあった医療と介護の提供に努めています。

手術室の様子
手術室の様子

千葉大学医学部附属病院外科との提携による診療を行っています。

当院では早期がんに対する手術が増えており、早期消化管がんに対するESD(Endoscopic Submucosal Dissection:内視鏡的粘膜下層剥離術)の実施にも力を入れています。また、高齢の患者さんが増えているため、持病や合併症にも考慮した診療に努めています。

高齢化に伴い、慢性疾患を有する患者さんが多くなっています。そうした方が肺炎尿路感染症で体調を崩して来院することが多く、受診のきっかけとなった病気に対する治療だけでなく、持病への対処も求められます。

当院は、地域包括ケア病棟を設けています。入院治療によって病気そのものは回復したものの、そのまま退院するには不安の残る患者さんを地域包括ケア病棟で受け入れ治療することで、急性期、回復期の対応から、退院後の支援へとつながる流れをつくっています。

当院の整形外科は、順天堂大学医学部附属順天堂医院の関連病院として、同院の整形外科・スポーツ診療科から指導や応援を得ています。

整形外科領域での診療が必要な患者さんに対し、運動療法や薬物療法による保存療法と、手術を提供しています。

リハビリ室の様子
リハビリ室の様子

当院のリハビリテーション科は、急性期班、回復期班、地域包括班、外来班、訪問リハビリ班による5班で構成されています。

病気などによって失われたその方らしさを取り戻すため、当院のリハビリテーション科では理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などのスタッフが緊密な連携をとり、患者さんそれぞれに適切な目標を設定し、リハビリテーションを提供しています。

乳がんにかかる方は年々増えています。そうした状況に対応すべく、当院では乳腺外来を設けました。今後は、乳腺の診療を行える医師を増やし、この地域における乳腺診療の充実を図っていきます。

院内に「最成病院ヘルスケアセンター」があり、各種健康診断人間ドックを行っています。センターには和風フレンチのレストラン「ピノ・ノワール」を併設していて、専任のシェフが食事を提供し好評です。

院内ロビーの様子
院内ロビーの様子

当院は、地域における急性期医療の窓口として役割を果たしつつ、療養にも対応できる病院です。

患者さんにとって、手術と療養で別々の病院に入院するのは負担であり、特に高齢の患者さんにとって転院はとても大変なことです。そのため、ひとつの病院で手術や急性期の治療を受け、療養しながらリハビリを行い、自宅に帰って通所リハビリテーションを行うという流れが、望ましい形だと考えています。

当院は、急性期・亜急性期・回復期・慢性期それぞれの病床を持つケアミックス病院として、これからも地域の医療ニーズに応え続ける病院でありたいと考えています。

療養風景
療養風景

当院は地域医療連携センターを設けており、花見川区及び、隣接する八千代市と習志野市の医療機関を中心に連携をとっています。地域の医療機関と顔の見える関係とネットワークを構築するため、交流会を毎年開催して、地域で開業している医師とコミュニケーションをとっています。

千葉市は、地域包括支援センター・指定介護予防支援事業所「千葉市あんしんケアセンター」を市内各地に設けており、高齢の方の身近な相談窓口として運用しています。行政が運用するこのセンターとも協同することで、これからも地域の健康と福祉に貢献していきます。

当院は診療のみでなく、病院内外でさまざまなイベントを行っています。

院外での取り組みとしては、花見川区が開催する花見川区民まつりにブースを出し、骨密度測定、血圧測定などを行っています。また、花見川区の公民館などで、地域の自治会と健康講座を共催しています。

院内でも、当院の関連施設の介護老人保健施設や千葉市が運営する千葉市あんしんケアセンターと共同で公開講座を開いています。運動教室や栄養の話など、講座ごとにテーマを設けています。

国や行政は、今後ますます地域包括ケアシステムの運営に力を入れていくと思われます。そのためには、地域の皆さんとの交流がよりいっそう重要になってくるでしょう。当院は、地域の方に来ていただくのを待つだけでなく、地域に出向いて交流しようと考えています。

小さい子どもを持つ看護師からの要望がきっかけで、24時間対応可能な保育室をつくりました。

結婚や出産を機に退職してしまう女性職員が多いですが、保育室ができたことで産前産後休暇や育児休暇をとって復職しやすくなりました。ほかにも、子どもの看護休暇を取得できるようにしたり、時短勤務や時間給取得制度を導入したりすることで、仕事と家庭を両立させたい職員を病院全体で応援しています。

心も体も健康な職員が気持ちよく働くことではじめて、患者さんや地域の方々に優しく接することができると考えます。そのためには、職員が心にゆとりを持っていないといけません。こうした考えのもとで、当院は職員が働きやすい職場環境づくりを進めています。

職場環境を整えることで、優秀な医師が「ここで働きたい」と集まってくれれば、それもまたこの地域の患者さんのためになります。今後もさまざまな面で、働く環境を整えていきたいです。

鈴木先生

ひとつの地域の中で、健康管理はかかりつけ医、高度な手術は大病院、というように医療機関の役割分担が進んでいます。当院は、その間を埋める病院、すなわち急性期から回復期、慢性期を一貫して行えるケアミックス病院として、これからも地域の皆さんが安心して暮らせるよう役割を果たしていきます。

健康なときでも、健康診断人間ドックなどで当院を利用していただければと考えています。

若い医師は、専門分野を決めてその分野のエキスパートになるのが第一であり、とても大切なことだと思います。一方で、さまざまな背景を持った患者さんと一対一で向き合い、寄り添って診療するのも、同じくらい大切なことです。

そのためには、大きい医療機関では専門的で高度な医療技術を学び、当院のような地域密着型の病院では患者さんとの向き合い方や寄り添い方を学んでほしいです。身につけた技術を広く患者さんに届けることにもなるので、やりがいにもつながると思います。

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