院長インタビュー

地域医療の中核を担う大浜第一病院の取り組み

地域医療の中核を担う大浜第一病院の取り組み
大城 康一 先生

大浜第一病院 院長

大城 康一 先生

目次
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この記事の最終更新は2018年11月06日です。

医療法人おもと会大浜第一病院(以降、当院)は地域の中核病院として24時間受け入れ可能な救急医療や急性期医療からリハビリテーションまで地域に根差した医療及び特定の疾病に特化した医療の提供により、地域医療に尽力しています。

病院長である大城康一先生にお話を伺いました。

 

病院外観 大浜第一病院ご提供

旧大浜第一病院では、整形外科、形成外科、消化器内科、婦人科、透析センターなどの幅広い診療科を有することで、地域の患者さんの求める医療を提供していました。

2009年に現在の場所に病院を移転して以降は、循環器内科、心臓血管外科、内視鏡外科、大腸・肛門外科、歯科・口腔外科、ペインクリニック、眼形成眼窩外科、糖尿病センター、女性腹腔鏡センター、CVポートセンターを新たに設立し、さらに多くの患者さんのニーズに応えることができる医療の提供を行っております。

また、地域の他病院・診療所との連携を積極的に行うことで地域医療の充実を図っており、急性期の治療を終えた患者さんに対し長期療養や在宅医療の支援が実施できる体制を構築しています。

 

病院内観 大浜第一病院ご提供

当院は救急告示病院として沖縄県から指定を受け、急病や事故などが発生した際に、24時間対応で診療に当たっております。救急センターでは日本救急医学会の認定を受けた救急科専門医による初期診断・治療が行われ、その後は各診療科の担当医との連携により迅速に救急患者さんへの治療・管理が行われています。また、2015年に災害派遣医療チーム(DMAT)を発足し、2018年の熊本地震の際に現地にて患者さんの診療支援も行いました。

患者さんのADL(日常生活動作)の低下を防ぎ、早期の社会復帰を叶えるためには、リハビリテーションを疾患治療と並行して行うことが重要です。大浜第一病院では、回復期専門病棟だけでなく各病棟にリハビリ室を設置し、早期・急性期・回復期・維持期までのリハビリを実施しています。病気の後も生活できる力を取り戻し、再度入院することがない体づくりの助けになりたいと思っています。

また、スタッフの教育にも力を入れており、当院の属するおもと会直轄の研修センターでトレーニングを積んでいます。

 

血管造影室の様子 大浜第一病院ご提供

特定の疾患に対し患者さんの負担の少ない医療を提供しております。以下では、当院の行っている医療についてご紹介します。

外科では、病的な高度肥満に対して腹腔鏡下スリーブ状胃切除術を保険適用で実施しています。糖尿病睡眠時無呼吸症候群などの健康障害を伴う重度の肥満に対しては、ダイエットはさることながら積極的な外科手術が必要です。高度肥満の患者さんは皮下脂肪が多く開腹手術はリスクを伴うため、開腹を要しない腹腔鏡下手術が行われます。

高度肥満の患者さんは一般的に内臓脂肪が多く外科手術の際に視野制限があるため、高度な技術が必要とされます。当院では、腹腔鏡手術による肥満治療の実績を積んだ外科の医師により、高画質のフルハイビジョン3D腹腔鏡を駆使する安全性に考慮した手術が行われています。

当院の大腸肛門外科では、肛門領域に特化したや便失禁治療の手術を行っております。便失禁の主な治療としては生活習慣改善・薬物治療・手術が挙げられます。当院の特色として「仙骨神経刺激療法」というペースメーカーに似た刺激装置を腰臀部に埋め込み、微弱な電気刺激を神経に与えることで便失禁症状の改善をする治療を行っております。これにより、患者さんの体に負担の少ない治療を実現しています。

女性腹腔鏡センターでは、子宮・卵巣といった女性特有の器官の疾患に対して腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡下で手術を施行することで、痛みや傷が小さく早期の術後回復が望めます。

当院では、腹痛や不妊症を引き起こす疾患である「子宮内膜症」、重度の月経痛や月経時の出血量の増加を引き起こす疾患である「子宮筋腫」、無症状の場合もありますが激しい下腹部痛を引き起こす疾患でもある「卵巣腫瘍」における腹腔鏡下手術に力を入れております。

 

職員研修の様子 大浜第一病院ご提供

医療は日々進歩しています。新たな知識や技術を身に着けていくことが、患者さん一人ひとりに適した医療の提供につながります。そこで当院では、医師や看護師からコメディカル、事務職員に至るまで多くの職員に対し、当院の属するおもと会の研修センターでの教育に取り組んでいます。

センターでは、全職員対象の共通研修と職種ごとの対象別研修を設け、複数の研修プログラムを実施しています。また、AEDを用いた一次救命処置は、全職員が毎年受講するよう奨励しています。

研修医の教育では、研修医には必ず上級医・指導医をつけ、臨床力向上を目指した人材育成に取り組んでいます。

当院は、群星(むるぶし)沖縄という沖縄県内の複数の病院で発足する臨床研修病院群プロジェクトに属しています。このプロジェクトでは、定期的に県内外から医師を招き講演などを行うことに加え、研修医が経験を積んだ医師の回診に同行し、その技術を直接学ぶことで知識を深めることができます。さらに当院で研修を行うことが難しい分野については、群星研修プロジェクトに属する他病院に出向き、そこで臨床研修を実施することで、技術の向上を図ることができます。

これらの取り組みにより、さらに患者さんに寄り添う医療を提供していく人材を育てたいと考えております。

 

大城院長先生還暦祝いの様子 大浜第一病院ご提供

大浜第一病院は、地域の中核病院として、救急医療・急性期医療から慢性期医療まで幅広く診療を行い、さまざまな症状の患者さんに寄り添う医療を提供していく所存です。患者さんに満足いただける治療を提供するよう研鑽に日々努めてまいります。

また、正しい医療知識や当院での取り組みを地域の方へ知っていただけるように、健康教室を実施したり、他医療機関主催の講演会にて当院の医師が講演を行ったりしております。

なお、広報誌「笑顔(スマイル)」は毎月発行されており、当院職員による活動報告や疾患情報などのさまざまな情報が発信されております。

当院は、今後とも地域の皆さまから信頼される中核病院として職員一同団結し奮励努力する所存であります。

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