院長インタビュー

循環器病診療をリードするため、チャレンジを続ける桜橋渡辺未来医療病院

循環器病診療をリードするため、チャレンジを続ける桜橋渡辺未来医療病院
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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大阪市北区中之島にある桜橋渡辺未来医療病院は、循環器に特化した診療を行う地域の中核的な病院です。梅田で50年以上にわたり診療を続けてきた桜橋渡辺病院の移転にともない、2024年4月に新規開院しました。大阪市で循環器病診療をリードしている同院について、院長の渡辺 平太郎(わたなべ へいたろう)先生にお話を伺いました。

先方提供

当院は1967年に桜橋渡辺病院として、大阪市北区梅田にて開院しました。初代院長は私の祖父にあたる渡辺 修二で、1969年には循環器内科の診療を始め、1978年には心臓疾患の三次救急(生命に関わる重症患者に対応する救急医療)の指定を受けています。私の父・渡辺 真一郎が二代目院長に就任したのが1994年で、私が三代目院長に就任したのは2024年の4月です。2020年から院長補佐として経営に携わってきましたが、Nakanoshima Qross(未来医療国際拠点)へ移転・新規開院するタイミングに合わせて院長に就任しました。

当院は循環器病診療を専門としており、現在は心臓の急性疾患や急性呼吸不全、ショックなどに関する二次救急(入院や手術を要する重症患者への救急医療)指定医療機関です。病床数は113床で、手術室3室、心臓血管造影室3室、CT室2室、MRI室1室などを備えています。

当院の内科の特徴は、在籍する約20名の医師が全て循環器内科医であることです。得意分野である不整脈の各種カテーテルアブレーション治療や虚血性心疾患狭心症心筋梗塞(しんきんこうそく))に対するインターベンション治療、末梢(まっしょう)血管疾患(下肢閉塞性動脈硬化(かしへいそくせいどうみゃくこうかしょう)、重症虚血肢、下肢静脈瘤)、心不全など、高い専門性が求められる診療を、各領域のスペシャリストが行っています。また、CT・MRIを活用した画像診断も得意とする他、ペースメーカーなどのデバイス治療、集中治療室での加療、心臓リハビリテーションなどを提供、2024年12月にはTAVI(経カテーテル的大動脈弁置換術)も開始しています。

心臓血管外科では、開院当初から大阪大学と連携して、最新の技術を踏まえた心臓血管外科手術を実施してきましたが、近年では低侵襲(ていしんしゅう)心臓外科手術(MICS:肋間(ろっかん)小開胸による心臓手術)やステントグラフト手術(大動脈瘤に対する血管内治療)などを数多く実施しています。

医師はそれぞれの領域におけるスペシャリストがそろっており、その様子は循環器病診療における職人集団と言えます。

近年は専門性の高い、いわゆる“尖った”医療が求められる傾向があることから、当院ではこのような陣容を整え、常に先端の診療を提供できるようにしています。

“これをやろう”と決まったら、みんなが前向きに動いてくれるのが当院の強みです。そのことを強く感じたのは新型コロナウイルス感染症への対応のときで、当初は循環器専門の病院ということで、コロナウイルスに罹患された患者さんを受け入れていませんでした。しかし、今後はコロナウイルス感染症と共存していく必要があると感じ、私から当時の院長へ申し出て、患者さんの受け入れを始めました。実際に患者さんの受け入れが始まると、みんなが一斉に前を向いて診療に協力してくれました。

新しい場所に移転した現在では、診療を受ける患者さんの動線が大きく変わり、院内で迷う方も少なくありません。移転した当初は、病院までの道程で迷う方もいらっしゃいました。そこで、患者さんが一巡するまでは、院内に誘導する案内の看板を持って対応することに決めました。晴雨を問わず屋外で看板を持っているのはとても大変だったと思いますが、みんな嫌な顔ひとつせずに案内してくれていました。大変感謝すると同時に、方向性が決まったら前へ突き進むスタッフの推進力は素晴らしいと感じています。

当院は開院してからずっと自社ビルで診療をしてきましたが、今年から現在のテナントに移転しました。設備が新しくなり、病室からの景色も素晴らしく、多くの患者さんから喜ばれています。

先方提供
病室の様子

その一方で、救急車を受け入れる際の動線が以前より長くなっているという課題もあります。循環器疾患は1分1秒を争うケースもあることから、スムーズに搬送できる体制を整えていかなければなりません。こうした課題を一つひとつクリアし、新たな中之島の地で充実した医療を提供していきたいと思います。

MN

2024年8月、梅田の旧病院(桜橋渡辺病院)をリニューアルして、58床を有する回復期リハビリテーション病院を開設しました。近隣にはリハビリ病院が不足していると感じていましたので、回復期リハビリテーション病院を開設したことで、急性期から回復期へ切れ目なく医療サービスを提供できるようになりました。

高度で専門性の高い医療は中之島の新病院で、急性期を過ぎた患者さんへの医療は梅田の回復期リハビリテーション病院でと、患者さんの状態に応じた医療を提供していきたいと考えています。

*病床数や医師数、提供している医療の内容等についての情報は全て2025年4月時点のものです。

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