視界が歪む:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
滋賀医科大学眼科学講座 教授
大路 正人 先生【監修】
視界の歪みは自覚しないまま進行してしまうこともめずらしくありません。しかし、ある日次のような症状にふと気付くこともあります。
このような症状があるとき、考えられる原因にはどのようなことがあるでしょうか。
視界の歪みは気付かないままということも多々あります。片目だけに症状が出たとき、もう片方の目が自然に見え方を補ってしまうためです。視界の歪みを早期発見するためには、時々、片目で視野をチェックしてみるとよいでしょう。
もし、視界に歪みがある場合には何らかの目の病気が考えられます。
視界を歪ませる目の病気には、主に以下のようなものがあります。
黄斑とは網膜の中心にある、ものを細かく見分けるために大切な役割を果たしている場所です。この黄斑に障害が生じる病気が加齢黄斑変性です。
名前のとおり加齢が主な原因で、特徴的な症状としては視界の歪みのほか、視界の中心が見えにくくなり、視力低下が起きます。また、色を識別しにくくなることもあります。
眼球の内側にある網膜がはがれる病気です。加齢が主な原因ですが、目の周辺や頭への衝撃などが原因となることもあります。
前兆として飛蚊症や、チカチカとした光の点滅を感じる光視症が起きることもあります。特に飛蚊症と光視症が同時に起きたときなどは注意するようにしましょう。多くの場合にはまず視野の周辺が見えなくなり、見えない部分が中心に拡大してきます。そのような症状があれば至急眼科を受診しましょう。
上で述べた黄斑に水ぶくれが起こり、部分的な網膜剥離が起こった状態となる病気です。
視界の歪み、視力低下、色覚異常、視界の中心が暗く見えるといった症状が起こります。数か月で自然治癒することもありますが、再発も起きやすいことが特徴です。
黄斑に穴が開く病気です。初期症状としては視界の歪み、ものの見えにくさなどが特徴です。穴の部分が拡大するにつれて、見えにくい部分も大きくなり、視力も低下します。
自然治癒することはなく、メガネなどによる矯正も難しいですが、手術により視力を回復することができるとされています。
黄斑上膜とも呼ばれる、黄斑の上にセロファン状の膜が形成される病気です。そのため、かすみ目、視力低下、視界の歪みといった症状が現れるようになります。
視界が歪んでいると感じたら、また目の症状がほかにもあるようなときには、すぐに眼科へ相談しましょう。
いつから視界の歪みがあるのか、どんな症状があるのか、できるだけ具体的に医師に説明することがポイントになります。
視界が歪むという症状は、以下のような理由によって起こることもあります。
目そのものには異常が認められないにもかかわらず、ストレスによる心理的な影響が目に現れることがあります。高頻度で認められるのは視力の低下ですが、視野や色覚の異常を伴うこともあります。
原因となっているストレスを取り除くことが大切です。しかし、簡単には解決できないことも多く、あせらず長期的に経過を見ていくこともときには必要になります。
家族や周りの人は、目そのものに異常はなくても何かしらの問題を抱えていることを受け止め、温かく見守ることが大切です。
ストレスによって、目のさまざまな機能に変化が現れることがあります。日常生活に支障が出て困っている場合には早めに病院を受診しましょう。