目の出血:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
滋賀医科大学眼科学講座 教授
大路 正人 先生【監修】
目の出血とは、血が流れるような出血だけではなく、白目が赤くなってしまうようなものも指します。
このような症状がある時、どのような原因が考えられるでしょうか。また受診のタイミングはいつでしょうか。
目からの出血の原因となる病気には次のようなものがあります。
次のような目の病気は、突然の目の出血の原因になります。
白目部分である結膜の下で出血が起きる病気です。充血とは違い、血管が破れて血液が結膜の下に漏れ出た状態になります。ほとんどが原因不明と言われていますが、アレルギー性結膜炎などによる目のかゆみにより、目を強くこすることでも出現することがあります。また、加齢によって白目のしわが増えることで生じることもあります。50歳以上に多く見られることも特徴のひとつです。
目の出血以外は、軽い目の違和感、軽度の痛みを感じる程度ですが、繰り返すようならば高血圧、糖尿病などの別の病気が潜んでいるかもしれません。一度、眼科に相談してみるとよいでしょう。
鋭利なもので目を突いたり、眼内に異物が飛び込んできたりすることで目が傷を受ける、いわゆる「目のケガ」です。もし、血が流れるような出血の場合はすぐに受診しましょう。
ウイルスや細菌によって起こる感染性の結膜炎が重症になると、白目に出血を起こすことがあります。目のかゆみや違和感などの他、目やになどの症状が見られるようであれば眼科を受診しましょう。
体の病気が原因となって起きる目の出血もあります。
自覚症状がないことも多い病気ですが、頭痛、肩こり、吐き気などに加え、血圧が高いことで目の毛細血管が破れ、結膜下出血を伴うことがあります。
血小板という血液を固める成分が極端に減少することで、出血しやすく、血が止まりにくくなる病気のことです。
全身の病気のため、目の出血だけではなく、鼻血や歯ぐきの出血も起きやすくなります。紫斑と呼ばれる点状の出血が皮膚にできたり、身に覚えのないあざができたりすることもあります。
脳梗塞や心房細動などの治療で抗凝固剤を内服している場合、副作用で結膜下出血が起こることがあります。もし内服中に目の出血があったからといって自己判断で服用を一時停止すると、病気の再発を招くこともあります。まずは、処方された病院で相談するようにしましょう。
以上に挙げた病気ですでに病院にかかっている人は、目の出血に関してもまずは主治医に相談してみるとよいでしょう。特に病気がないのに目の出血が起こった人は、まずは眼科で相談し、必要に応じて原因に合った科目を受診するようにしましょう。
医師に相談する際には、いつからどのような目の出血があるのか、きっかけと考えられる出来事、他の症状などについて伝えるようにするのがポイントです。