目がかゆい:医師が考える原因と対処法|症状辞典
滋賀医科大学眼科学講座 教授
大路 正人 先生【監修】
目のかゆみは身近な症状ですが、ほかの症状を伴ったり、長引いたりと気になる症状でもあります。
このようなとき、考えられる原因にはどのようなことがあるのでしょうか。
日常生活に原因があって、目のかゆみを起こしている場合もあります。
涙の量が減るドライアイも、目のかゆみの原因となることがあります。
デスクワークに集中しているときも意識的にまばたきの回数を多くするなどして、涙の分泌を促すようにしましょう。1時間ほどモニター画面に向き合った後は、15分ぐらい目を休ませるのもおすすめです。
また、室内の乾燥もドライアイの一因となります。とくにエアコンの効いた部屋は加湿を心がけるようにしてみるとよいでしょう。
汚れたコンタクトレンズを使い続けていると目のかゆみが生じることもあります。
コンタクトレンズは必ず決められた装用時間、管理方法を守るようにしましょう。つねに清潔を心がけることが大切です。不適切な使用が続くことで、上で述べた結膜炎などにかかってしまうことも考えられます。
十分なお手入れが毎日難しいと感じる場合には、使い捨てレンズなどに切り替えてみるのも一つの方法です。
このような日常生活上での改善を行ってみても、いつまでも目のかゆみが良くならないこともあります。そのような場合には、一度眼科で相談してみましょう。
病気のために目がかゆくなるときもあります。その大半は、いわゆる白目の表面である結膜に炎症を起こす病気です。
アレルギー性の目の病気でも目がかゆくなります。代表的なものは以下の通りです。
目の表面に花粉などのアレルゲンが付着し、特定の季節になると白目に炎症を起こす病気です。いわゆる花粉症として、とくにスギ花粉によるものがよく知られています。
目のかゆみ、充血、異物感、めやに、涙などが特徴的な症状です。
一年中存在するアレルゲンが原因となり、白目に炎症を起こす病気です。ハウスダスト、動物の毛、コンタクトレンズの汚れなどが主な原因になります。
症状は季節性のものと変わりませんが、季節が変わっても症状が和らぐことがなく、ずっと続くという点で異なります。
コンタクトレンズ使用者に特有の結膜炎です。上まぶたの裏側に白いぶつぶつ(乳頭)ができ、かゆみ、目やに、充血、涙などの症状があらわれます。
汚れたコンタクトレンズや、誤った取り扱いによって変形したコンタクトレンズが原因といわれており、予防のためには正しい使用方法を守ることが大切です。
細菌やウイルスへの感染も、目のかゆみを引き起こすことがあります。
細菌やウイルスが目に感染することで、白目に炎症を起こす病気です。目のかゆみのほか、涙が出る、目がゴロゴロする、目やに、充血などがみられます。
「はやり目」と呼ばれる流行性角結膜炎も感染性結膜炎の一種です。アデノウイルスという特定のウイルスが原因です。同じくアデノウイルスが原因で起こるものに「プール熱」という病気があり、目の症状のほかに突然39℃ぐらいの熱が出て、喉が腫れるなどの症状がみられます。感染力も強いので、できるだけ早く眼科を受診した方がよいでしょう。
目のかゆみが続いている、だんだんひどくなる、ほかの症状が出てきたという場合には、眼科を受診しましょう。
いつから目のかゆみがあるのか、きっかけはあるのか、ほかにどんな症状があるのかを医師に伝えるようにしましょう。また、コンタクトレンズを使用しているならば、どういったタイプのコンタクトレンズかなどを伝えることも大切です。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。