目の奥が痛い:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
滋賀医科大学眼科学講座 教授
大路 正人 先生【監修】
頭痛と似ていますが、目の奥の痛みは別の原因から起こっていることもあります。
このような症状があるとき、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか?
目そのものの病気はもちろん、目以外の病気でも目の痛みが発生することがあります。
痛みを伴う目の病気の代表的なものは以下の通りです。
一般的な緑内障は、自覚症状がないまま進行することが多いといわれています。しかし、急激に症状が進む急性緑内障発作は眼圧が急上昇するため、目の奥の痛みや頭痛が出現したり、吐き気・嘔吐など、目とは無関係に見える症状が出る事もあります。その他、光のまわりに虹の輪が見える「虹輪視」や、霧がかかったように見える「霧視」という症状が見られることもあります。
眼球が収まっているくぼみを眼窩といいますが、この眼窩の組織が細菌などの感染により炎症を起こすことがあります。目の痛みの他、まぶたの腫れ、充血、視力低下などが起きることが特徴です。また、程度によっては発熱などの全身症状が出ることもあります。
細菌、カビ、ウイルスなどが直接目に感染したり、他の臓器で起こった感染症が目に及んだものです。眼窩の炎症と違い、眼球そのものに炎症が起きます。
目の奥の痛みの他、充血、視力低下なども見られます。
視神経に炎症が生じる病気です。目の奥の痛みの他、数日で急激に視力低下が起きることがあります。視野の中心部が暗くて見えにくくなり、赤や緑などの色がわかりにくくなることが特徴です。
目以外の病気によって、目の奥が痛むこともあります。
ズキズキと脈打つような痛みが特徴です。目の奥の痛み、吐き気などの症状を伴うことも特徴です。薬による対処療法がメインになりますが、市販薬では十分に効かないこともあるので、内科などで相談してみてはいかがでしょうか。
過去にみずぼうそうにかかったことのある人の体内に隠れていたみずぼうそうウイルスが、ストレスや免疫力の低下などをきっかけに再び活動を始めることで発症します。皮膚のピリピリとした痛みから始まり、水ぶくれが出現することが特徴です。
もし心当たりがあれば早めに皮膚科を受診しましょう。
顔面の感覚をつかさどっている三叉神経が圧迫されて起きる神経痛です。左右どちらかの顔面に激しい痛みが突然出現します。50代以降に多い病気で、疑わしい痛みを感じた場合には脳神経外科が専門になります。
目の奥の痛みが激しい、見えにくいなどの何らかの他の目の症状がある場合には、すぐに眼科を受診しましょう。軽い痛みでも長引いていたり、徐々に痛みが強くなったりするようならば、一度受診した方がよいでしょう。
医師にはいつから目の奥の痛みがあるのか、きっかけとなる出来事はあったのか、他の症状はあるのかなどを伝えることがポイントです。
日常生活上の問題が原因で目の奥が痛くなることもあります。
目のピントを合わせる毛様体筋(もうようたいきん)を酷使すると疲れ目になり、目の奥が痛むことがあります。
PCやスマホを使う作業をするときは、1時間に15分は休憩するようにしましょう。蒸しタオルをまぶたの上に乗せてあたためたり、遠くを眺めたりするのもよいでしょう。
涙の量が減り、目が乾燥した状態です。目の奥の痛みや乾燥の他、かゆみ、目やになども引き起こします。
意識的にまばたきの回数を増やして、涙の量を増やすようにしましょう。点眼薬で潤いを補給するのもよいでしょう。
コンタクトレンズを長時間使用していても、目の奥が痛くなることがあります。
コンタクトレンズの装着時間は必ず守るようにし、できればそれよりも早くはずしメガネに切り替えるなど、目をいたわるようにしましょう。
また、なるべく酸素を通しやすい素材のコンタクトレンズを選ぶと目への負担が減るといわれています。
日常生活を見直しても目の奥の痛みが改善されない時には、一度眼科で相談してみましょう。