目やに:医師が考える原因と対処法|症状辞典

目やに

受診の目安

夜間・休日を問わず受診

急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。

  • 明らかに視力が落ちている
  • 腫れや充血があり、眼球の動きが悪くなっている

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 異物感や痛み、かゆみなどの症状がある
  • 周囲で目の充血が流行している
  • ねばついた目やにが多量に出る

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 朝起床時だけ少し目やにがあるが、それ以後は出ない
  • ほかの症状を伴わない

滋賀医科大学眼科学講座 教授

大路 正人 先生【監修】

気がつけば出ていることも多い目やにですが、あまりに量が多いなどの場合には心配になることもあるのではないでしょうか。

  • 今朝起きたら目やにで目が開かなかった
  • きちんと顔を洗ったはずなのに、いつの間にか目やにが出ている
  • 目が痛くて、目やにもひどい

このような症状がある場合、考えられる原因とはどのようなことがあるでしょうか?

病気によって目やにが増える場合もあります。

目やには細菌などに感染した際にも多くなります。緑黄色でドロッとしたのような目やに、白くネバネバと糸をひくような目やになどが出ることもあります。

感染性結膜炎(かんせんせいけつまくえん)

細菌やウイルスに目が感染して、白目の部分に炎症を起こす病気です。目やにが出るほか、涙がにごる、目が痛い、腫れるなどの症状を引き起こすことがあります。

とくにアデノウイルスによるものは感染力が強く、喉の痛み、発熱などの風邪に似た症状が出やすいことも特徴です。気になる症状がある場合には、早めに眼科で相談しましょう。

急性結膜炎
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涙囊炎(るいのうえん)

通常、涙は目と鼻をつなぐ通り道を経て、鼻へと流れていきます。この通り道の途中にある涙嚢(るいのう)という場所に炎症を起こす病気です。

目やにが増えるほか、涙がにごったりすることがあります。急性の涙嚢炎では目頭が痛くなることや腫れることもあります。

涙嚢炎
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眼瞼炎(がんけんえん)

まぶたに生じる炎症です。目やにのほか、涙目、目のふちが赤くなる、まぶしさを強く感じるといった症状があります。慢性化するとまぶたやまつげに影響を及ぼすこともあるといわれています。

眼瞼炎
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感染症以外の病気で目やにが増えることもあります。サラッとした水のような目やにが特徴です。

アレルギー性結膜炎

花粉、ダニなどによって白目に炎症を起こす病気です。花粉症による目の症状もアレルギー性結膜炎の一種です。目やに、目のかゆみ、充血、異物感などが見られることが多く、アレルギーの元となっているものがなくなるまでは症状が続くのが特徴です。

アレルギー性結膜炎
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点眼薬によるもの

一部のドライアイ向け点眼薬などで目やにの量が増えることもあります。とくに害はありませんが、気になるようならば処方された眼科で相談してみてもよいでしょう。

いつもと違う色の目やにが出る、目が開かないほどの量が出る、ほかの目の症状があるような場合には眼科を受診するとよいでしょう。

眼科を受診するときには、いつから、どのくらいの量の目やにが出ているのか、目やにの色や性状などを医師に伝えることがポイントです。

日常生活上の習慣が原因で目やにが多くなることもあります。

コンタクトレンズに付着した汚れによりアレルギー反応が起き、目やにが多くなることもあります。

コンタクトレンズを使うときには

毎日のお手入れをきちんとするようにしましょう。汚れが付きにくいタイプのレンズや、使い捨てレンズを選択するのもひとつの方法です。

目が乾燥すると、目を保護しようと涙の分泌が盛んになり、老廃物も増えて目やにがたまりやすくなります。また、目が乾燥することで感染症による目やにの増加を招いてしまうこともあります。

目の乾燥を感じたら

室内の湿度を保つことや、点眼薬で目に潤いを与えるようにしましょう。意図的にまばたきを増やして涙の分泌を促したり、短時間目を閉じて休ませるようにするのもよいでしょう。

パソコンやスマホのディスプレイを長時間見過ぎると、ドライアイや疲れ目を招くことがあります。その結果、目やにが増えることもあります。

ディスプレイを長時間見るときは

パソコン作業などは1時間連続して行ったら15分程度は目を休ませるようにしましょう。また、ディスプレイは目の下の位置にくるようにすると、疲れ目予防によいとされています。

ディスプレイに向かうときには意識的にまばたきを多くすることや、点眼薬でうるおいを補うようにしてもよいでしょう。

自分でできる対処法を試してみても改善されない場合には、一度眼科で相談してみましょう。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。