目やに:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
滋賀医科大学眼科学講座 教授
大路 正人 先生【監修】
気がつけば出ていることも多い目やにですが、あまりに量が多いなどの場合には心配になることもあるのではないでしょうか。
このような症状がある場合、考えられる原因とはどのようなことがあるでしょうか?
病気によって目やにが増える場合もあります。
目やには細菌などに感染した際にも多くなります。緑黄色でドロッとした膿のような目やに、白くネバネバと糸をひくような目やになどが出ることもあります。
細菌やウイルスに目が感染して、白目の部分に炎症を起こす病気です。目やにが出るほか、涙がにごる、目が痛い、腫れるなどの症状を引き起こすことがあります。
とくにアデノウイルスによるものは感染力が強く、喉の痛み、発熱などの風邪に似た症状が出やすいことも特徴です。気になる症状がある場合には、早めに眼科で相談しましょう。
通常、涙は目と鼻をつなぐ通り道を経て、鼻へと流れていきます。この通り道の途中にある涙嚢という場所に炎症を起こす病気です。
目やにが増えるほか、涙がにごったりすることがあります。急性の涙嚢炎では目頭が痛くなることや腫れることもあります。
まぶたに生じる炎症です。目やにのほか、涙目、目のふちが赤くなる、まぶしさを強く感じるといった症状があります。慢性化するとまぶたやまつげに影響を及ぼすこともあるといわれています。
感染症以外の病気で目やにが増えることもあります。サラッとした水のような目やにが特徴です。
花粉、ダニなどによって白目に炎症を起こす病気です。花粉症による目の症状もアレルギー性結膜炎の一種です。目やに、目のかゆみ、充血、異物感などが見られることが多く、アレルギーの元となっているものがなくなるまでは症状が続くのが特徴です。
一部のドライアイ向け点眼薬などで目やにの量が増えることもあります。とくに害はありませんが、気になるようならば処方された眼科で相談してみてもよいでしょう。
いつもと違う色の目やにが出る、目が開かないほどの量が出る、ほかの目の症状があるような場合には眼科を受診するとよいでしょう。
眼科を受診するときには、いつから、どのくらいの量の目やにが出ているのか、目やにの色や性状などを医師に伝えることがポイントです。
日常生活上の習慣が原因で目やにが多くなることもあります。
コンタクトレンズに付着した汚れによりアレルギー反応が起き、目やにが多くなることもあります。
毎日のお手入れをきちんとするようにしましょう。汚れが付きにくいタイプのレンズや、使い捨てレンズを選択するのもひとつの方法です。
目が乾燥すると、目を保護しようと涙の分泌が盛んになり、老廃物も増えて目やにがたまりやすくなります。また、目が乾燥することで感染症による目やにの増加を招いてしまうこともあります。
室内の湿度を保つことや、点眼薬で目に潤いを与えるようにしましょう。意図的にまばたきを増やして涙の分泌を促したり、短時間目を閉じて休ませるようにするのもよいでしょう。
パソコンやスマホのディスプレイを長時間見過ぎると、ドライアイや疲れ目を招くことがあります。その結果、目やにが増えることもあります。
パソコン作業などは1時間連続して行ったら15分程度は目を休ませるようにしましょう。また、ディスプレイは目の下の位置にくるようにすると、疲れ目予防によいとされています。
ディスプレイに向かうときには意識的にまばたきを多くすることや、点眼薬でうるおいを補うようにしてもよいでしょう。
自分でできる対処法を試してみても改善されない場合には、一度眼科で相談してみましょう。