過食:医師が考える原因と対処法|症状辞典
つい食べすぎることは誰しもよくあることですが、食べ過ぎる状態が続く場合など注意が必要なこともあります。
このような症状がみられた場合、考えられる原因にはどのようなことがあるでしょうか。
日常生活に原因があり、過食を繰り返していることもあります。
ストレスがたまると食欲がなくなる人も多いですが、逆に食事を食べ過ぎてしまう傾向の人もいます。一度に大食いしたり一日中食べ続けていたりするケースもあります。
そもそもストレスを1人で抱え込まないように気をつけましょう。信頼の置ける人や、カウンセラーなどに相談してみても良いかもしれません。
また、食べること以外にストレス発散する方法を見つけましょう。趣味に打ち込んだり、スポーツで汗を流したりして、心身ともにリフレッシュするのもひとつの方法です。
極端なダイエットを続けた結果、途中で挫折して食欲を抑えられなくなることもあります。過食の罪悪感から、また無茶なダイエットに走るという悪循環に陥りやすいので注意が必要です。
カロリーオフばかりにこだわるダイエットは、かえって太りやすい体質を招きリバウンドを起こしてしまいます。ダイエット中でも栄養バランスの整った食事を3度、できるだけ決まった時間に取るようにしましょう。
日常生活でできる対処法を試しても症状がよくならない場合には、一度病院で相談してみましょう。
過食はとくに病気が原因というわけではないことも少なくありません。もし病気であった場合、考えられるものとしては以下のようなものがあります。
神経性食欲不振症(拒食症)と並ぶ摂食障害のひとつです。食欲を抑えることができず、一度に大量に食べたり、いつまでも食べ続けたりします。過食後、無理に嘔吐したり下剤を飲んだりするケースも少なくありません。そういった行動を繰り返す自分自身への嫌悪感も強く、うつ症状が出ることもあります。
とくに思春期の女子がダイエットから拒食症、過食症に至る例も増加しています。自分自身では病気であるという認識を持ちにくいことも特徴であるため、家族など周囲の人が見過ごさないようにすることも大切です。
いわゆる従来のうつ病では、不安、落ち込み、不眠、食欲低下などの症状が2週間以上続くとされています。しかし、非定型うつ病では楽しいことがあると症状が消えたり、元気になったように見える事があり、「新型うつ」と呼ばれることもあります。
非定型うつ病は従来のうつ病にはない様々な特徴があります。20代から30代に多く、根拠のない自信や万能感があり、他人を責めがちな傾向がある人がかかりやすいとも言われています。従来のうつ病では食欲低下や不眠が目立ちますが、その逆で過食や過眠といった症状が見られることも特徴です。
血糖値が下がる病気も過食を招きます。その代表的なものがインスリノーマです。インスリノーマは膵臓にできる腫瘍で、多くは良性ですがまれに悪性のこともあります。
インスリノーマは、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンを過剰に分泌するため低血糖となり、めまい、空腹、ひどい時にはけいれんや意識をなくすなどの症状が起こることもあります。
血糖値を維持するために頻繁に食べ物を摂取し、過食につながりやすいため、もし心当たりがあれば内科を受診してみましょう。
認知症の症状として過食が現れる場合もあります。認知症による過食は、しっかりと食事をとった後でも空腹感が残っています。「何を食べたか」だけではなく「食べたこと」そのものを忘れてしまう状態なのです。食事の後すぐに空腹を訴え、家族が冷静に説明しても納得しないばかりか、怒り出すことも少なくありません。
過食が続いていて自分ではコントロールできない状態であれば、一度病院で相談してみましょう。まずはかかりやすい近くの内科やかかりつけの医療機関などで相談するとよいでしょう。
医師には、いつから過食に陥っているのか、どんな時に過食をしてしまうのかなどを伝えるようにしましょう。また、過食の他にどんな症状がいつからあるのか、できるだけ詳しく説明することがポイントになります。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。