倦怠感・だるい:医師が考える原因と対処法|症状辞典

倦怠感・だるい

受診の目安

診療時間内に受診

翌日〜近日中の受診を検討しましょう。

  • 何をするのもおっくうで、日常生活に支障がある
  • 微熱、体重減少、むくみ、食欲低下などがある
  • 十分な休息をとっても回復しない

場合によって受診を検討

気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。

  • 一時的なもので、休息を取るなどすることで回復する

メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】

倦怠感とは、体のだるさなどが強い状態のことを指します。

  • いつも疲れていて、何をするのもおっくう
  • ぼんやりしていることが多く、物事に集中できない
  • だるくて身の回りのこともままならない

このような症状がある時、考えられる原因にはどのような事があるでしょうか。

倦怠感は疲れなどによっても感じることがありますが、中には病気が原因で起こっているものもあります。

倦怠感を起こす病気のうち、比較的よくある病気には以下のようなものがあります。

かぜなどの感染症によるもの

かぜなどの感染症は多くの場合倦怠感を伴います。体内に侵入した細菌やウイルスへの攻撃のため体力を消耗してしまうのが原因です。とくにインフルエンザなど高熱が出やすい病気では倦怠感が現れるケースが多いともいわれています。

自然と治るものも多いですが、こじらせると肺炎など早めの治療が必要な状態になる事もあります。もし、咳・鼻水・発熱などの他に息苦しさや食事がとれないなどの症状がある時には、早めに医師に相談してみた方がよいでしょう。

かぜ症候群
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インフルエンザ
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こころの病気

日常生活に支障をきたす気分の落ち込みが続くうつ病、恐怖や不安が突然訪れるパニック障害などのこころの病気も倦怠感を引き起こす事があるといわれています。

食欲がない、やる気が出ない、眠れない、不安感が強いといった症状が特徴で、倦怠感がとれず体の病気を疑い医師に相談し、こころの病気とわかることもあります。ストレスをためすぎていないか、無理をしすぎていないかなど、生活の質を見直すことも大事です。

うつ病
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糖尿病

血糖値が慢性的に高くなってしまう病気のことで、血糖値を下げるインスリンというホルモンの分泌不足によっておこります。

一般的に初期症状はない事が多いといわれていますが、悪化するにつれて倦怠感や喉が乾く、夜間のトイレが増える、体重が減るなどが見られます。

糖尿病
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次のような病気も倦怠感の原因になることがあります。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠中に呼吸が止まったり、減ったりする病気です。眠りが浅く、日中の倦怠感につながることがあります。

熟睡感がない状態が続き、夜は頻尿やいびき、昼間は眠気が出現することが特徴です。顎の小さい人や太っている人などに起きやすいといわれています。

睡眠中のことなので自覚が難しく、家族などの身近な人に指摘されて発覚することも少なくありません。もし、思い当たるような症状があるならば、耳鼻咽喉科に相談してみるとよいでしょう。

睡眠時無呼吸症候群
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甲状腺の病気

甲状腺ホルモンが過剰になる甲状腺機能亢進症や、逆に不足する甲状腺機能低下症なども倦怠感の原因となります。

甲状腺機能亢進症は動悸、ふるえ、ふだんより暑がる、体重減少などの症状が多く、甲状腺機能低下症ではむくみ、気分の落ち込み、便秘、体重増加などが多いといわれています。

どちらも女性に多い病気ですが、男性がかかるケースもあります。 

甲状腺機能亢進症
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甲状腺機能低下症
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慢性肝炎・肝硬変

アルコール、脂肪肝ウイルスなどさまざな原因により、肝機能の異常が半年以上続いている状態が慢性肝炎です。肝硬変は炎症が長期間続いた結果、肝臓の組織が硬くなってしまった状態を指します。

自覚症状が少ない場合もありますが、倦怠感の他に食欲不振などが見られる事が多いといわれています。

肝硬変
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がん

がんが大きくなる過程で正常な細胞の栄養を奪いながら増殖していくため、倦怠感を覚えるようになります。

体のどの部位にできるかにより症状は異なりますが、体重減少などは特徴的な症状のひとつといわれています。気になる事がある場合は内科を受診してみましょう。

受診の目安とポイントには次のようなものがあります。倦怠感が強い、休養してもだるさがとれない、倦怠感が長引いているなど、このような場合には一度病院で相談してみましょう。まずは内科や総合診療科などへの受診がよいでしょう。

受診の際に医師へ伝えた方がよいポイントとして、いつから倦怠感が続いているか、どの程度のだるさなのか、倦怠感の他にどんな症状があるかなどが挙げられます。

倦怠感は日常生活の中に原因がある場合もあります。

人間関係の悩み、仕事のプレッシャー、引っ越しなどによる環境変化などによるストレスの蓄積も倦怠感の原因です。そのまま放置していると、うつ病心身症不安障害などの原因となってしまうこともあります。

ストレスが原因かなと思ったら

スポーツや趣味など、実生活とあまり関係のない行動に集中してみましょう。普段の生活圏を離れ、森林浴などをするのもおすすめです。

ストレスの元がはっきりしているならば誰かに相談したり、時にはいったん離れることも大切な場合もあるかもしれません。

働きすぎてなかなか休みを取れずにいたり、睡眠不足が続くと倦怠感が起きることもあります。

疲労や睡眠不足が続いているなと思ったら

疲れを感じたら無理せずにゆっくり休むようにしましょう。忙しいからと言ってシャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯でゆっくり入浴をするのも疲労回復にはよいといわれています。就寝前には好きな音楽を聞いてリラックスしたり、寝具にこだわるなどの工夫をしてみるのもよいでしょう。

体に必要な栄養素が不足しても倦怠感が強くなります。また、鉄分不足による倦怠感を引き起こすことがあります。

栄養バランスが偏っていると思ったら

たんぱく質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどの栄養バランスの良い食事を心がけるようにしましょう。とくに、栄養をエネルギーに変える働きがあるビタミンBを心がけて摂るようにするとよいでしょう。

症状がよくならないときには、一度医師に相談して見ましょう。思いもよらぬ原因が潜んでいる場合もあります。

原因の自己判断/自己診断は控え、早期の受診を検討しましょう。