立ちくらみ:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
メディカルノート編集部 [医師監修]【監修】
急に立ち上がったときにふらつき、めまいなどを感じる「立ちくらみ」は、疲れているときなどに経験される方は多いのではないでしょうか。しかし、ときには病気が原因となっている場合もあるため注意が必要です。
こういった場合に考えられる原因には、どのようなものがあるでしょうか。
立ちくらみはよくある症状ですが、中には病気が原因となって起こっているものもあります。
立ち上がったときに限らず起こったり、続いたりする場合には、下記の「めまい」についての記事をご参照ください。
立ちくらみを起こす主な病気には、以下のようなものが挙げられます。
寝ている状態から座る、座っているから立つなどの姿勢を大きく変えたときに血圧が急激に下がる状態です。原因がはっきりしないものもありますが、脱水、貧血などが原因になったり、パーキンソン病や糖尿病、アルコールなどが原因になることがあります。
主な症状には立ちくらみやめまい、顔色の悪さ、冷や汗、吐き気などがあります。
貧血とは、血液の細胞のひとつである赤血球やヘモグロビンが低下している状態で、その結果体全体に必要な酸素や栄養を充分供給できなくなります。貧血にはさまざまな種類がありますが、とくに若い女性の鉄欠乏性貧血が多いといわれています。貧血の症状として立ちくらみ、頭の重さ、動悸、息切れ、全身倦怠感などが現れることがあります。
また、胃腸などから大量に出血したりすることで貧血となり、起立性低血圧の状態になることがあります。便が黒い、血が混じる、生理の時期ではないのに不正出血があるなどの場合には速やかに受診しましょう。
暑い屋外で長時間作業や運動をすると簡単に脱水状態となりがちですが、適度な水分補給が行われないといわゆる熱中症の状態となることがあります。
脱水症や熱中症の症状として、軽度であれば立ちくらみや気分不快、発汗、喉の渇きなどが挙げられますが、症状が進むと筋肉の硬直(こむら返り)や頭痛・嘔吐などが現れ、意識を失うなどの状態に陥ることもあります。
心当たりがある場合で、自分で水分をしっかり摂ることができないようなときには速やかに受診しましょう。
更年期(閉経前後の5年間)に現れる、他の病気ではないにもかかわらずさまざまな症状が現れ、日常生活に支障をきたす状態です。立ちくらみのほかに、ほてり、のぼせ、発汗、うつ傾向、不安、不眠、情緒不安定、動悸、手足の冷え、肩こりなどさまざまな症状を伴うことがあります。
立ちくらみを日常的に繰り返していてあまり気にしていないという方であっても、長期間続いているようなら一度受診したほうがよいでしょう。また、突然現れたような立ちくらみや、他の症状を伴う立ちくらみは早めの受診を検討しましょう。
原因によって専門科目は異なりますが、まずはかかりやすい近くの内科や、かかりつけの医療機関などで相談するとよいでしょう。
受診の際には、いつから、どの程度の症状があり、他にどのような症状が伴っているのか、また長期にわたって続いている場合には立ちくらみが現れる頻度やタイミングなどを医師に伝えるとよいでしょう。
立ちくらみは自律神経との関わりが深いため、不眠や疲労などの日常生活上のストレスとの関連があるといわれています。
夜更かしや朝食を食べない、過度な飲酒などは生活リズムの乱れの原因になります。特に飲酒は脱水の原因にもなり、立ちくらみの原因となることがあります。
生活リズムを整え、食事もなるべく決まった時間にとるようにしましょう。朝起きると日光を浴びるなどもリズムをつけるためには有効といわれています。
寝る前にスマートフォンやテレビをみる、寝る前に食事をする、寝酒をするなどで睡眠不足になりがちな場合には、立ちくらみの原因となることがあります。
寝る前のスマートフォンの操作やテレビの鑑賞を控え、寝る前の食事・アルコールを避けましょう。
どうしても寝つけない日が続く場合には、治療が必要な場合もありますので医療機関を受診しましょう。
日常生活の改善後もいつまでもよくならないときには、何か病気が隠れていることも考えられます。一度医師に相談してみましょう。