体重減少:医師が考える原因と受診の目安|症状辞典
体重が減る事は嬉しいことのように思われがちですが、実は病気のサインという可能性もあります。
そんな時、どんな病気が考えられるのでしょうか?
とくにダイエットもしていないのに体重が減り続けている、または、そもそも食事をする気になれないというのは、何らかの病気の可能性があります。考えられる主な病気には、以下のようなものがあります。
食欲は十分にあり「食べても食べても痩せる」という場合、甲状腺機能亢進症の可能性が考えられます。甲状腺の機能が過剰になっているバセドウ病とも呼ばれる疾患で、一般的に女性に多く見られます。
心臓に負担がかかっている状態で動悸などの症状が特徴的です。疲れやすい、よく眠れない、汗をかきやすい、イライラするという症状も見られます。
血液中のブドウ糖濃度を血糖といいますが、血糖値が高いままになる病気を糖尿病といいます。血糖値が高い状態が続くと次第にインスリンというホルモンが出にくくなり、糖分をエネルギーとして利用できなくなっていきます。そのため、体に蓄えられている脂肪や筋肉からエネルギーを得るため痩せてしまいます。他に、排尿量が多い、喉が乾くなどの症状が見られます。
胃、十二指腸などに潰瘍ができている状態です。ピロリ菌や非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の使用も原因のひとつです。
みぞおちの痛みなどが特徴ですが、胃潰瘍は食後に、十二支潰瘍は空腹時の痛みが強い傾向があります。その他、お腹の張り、むかつき、胸焼け、げっぷなどが特徴的な症状です。
憂鬱な気分続く疾患ですが、心だけではなく体に症状が出ることもあります。食欲減退、胃の不快感、便秘などもうつ病のサインといわれています。
メンタルの異変を感じなくても「疲れやすい」「体がだるい」「胃の調子が悪い」という症状が続く時は注意が必要です。
いわゆる「拒食症」と一般に呼ばれる事もありますが、この神経性食欲不振症と神経性過食症を合わせて摂食障害と呼びます。
特定の食べ物に強い嫌悪感やこだわりを持つ、同じものを同じ時間にしか食べられない、食事を開始するまでに時間がかかるなどの食行動の逸脱を特徴とします。つねに痩せ願望や肥満への恐怖があり、心身両面からの専門的な治療を必要とします。
いわゆるがんのことです。食欲の低下や痩せが症状として現れる場合もあります。
どこのがんなのかによって症状は異なりますが、初期はとくにこれといった自覚症状がないことも少なくありません。
お酒をいつどこでどれだけ飲むかを自分でコントロールできなくなる病気です。「今、飲んではいけない」とわかっていても、抑えることが難しくなります。
アルコールが体から消えていく時に特有の離脱症状があらわれます。手の震え、発汗、不眠などとともに食欲喪失が起きることもあります。
体重が痩せてしまう場合、どこで病院に行くか見極めも難しいかもしれません。タイミングとしては、急激に体重が減ってきた時、体重減少以外に症状が出たときがひとつの目安といえるでしょう。
原因によって専門科目は分かれますが、まずは内科の受診でよいでしょう。しかし、心の疲れを感じているならば精神科という選択もあります。
医師に伝えるべきポイントとしては、いつ頃から体重が減少しているのか、何kgぐらい体重が減ったのか、1日の食事量はどれぐらいか、体重減少以外にどんな症状があるのかなどがあります。病院に行く前に以上のポイントをまとめておいてみてはいかがでしょうか。
いずれにせよ、体重減少は心身いずれかの病気のサインかもしれません。「食欲がない」という状態が長引くときも、早めに病院に足を運んでみるのもよいかもしれません。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。