北多摩西部保健医療圏糖尿病医療連携推進協議会 会長、国家公務員共済組合連合会立川病院 内科医長
矢島 賢 先生
かんの内科 院長
菅野 一男 先生
医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長
貴田岡 正史 先生
高血糖や低血糖は、糖尿病のいかなる時期にも起こりえます。低血糖のみでなく、高血糖の場合も意識障害をきたす場合があり、糖尿病昏睡と言われることもあります。主な病態としては、糖尿病ケトアシドーシス(DKA)と高浸透圧高血糖症候群(HHS)があります。
糖尿病では、インスリンの高度の不足が原因で、高血糖が生じることに加え、脂肪の分解が高まりケトン体という酸性物質が体内に蓄積します。このケトン体が蓄積した状態をケトーシスといいます。
糖尿病ケトアシドーシスは1型の糖尿病患者さんに多く、糖尿病を発症した時やインスリン注射を中断した時、感染症や外傷などにより極端にインスリンが不足した時に起こります。
また、2型糖尿病患者さんでも、感染症や外傷などの強いストレスがあった時や、ソフトドリンクを大量に飲んだ時に起こることもあります。
糖尿病ケトアシドーシスでは、のどが乾く、多飲、多尿、体重が減る、全身がだるいなどの症状が急激に起こります。さらに悪化すると、呼吸困難、速くて深い呼吸、吐き気、嘔吐、腹痛、意識障害などが起こります。
糖尿病ケトアシドーシスは早期に発見すれば予後は良いのですが、その発症を予防することが何より大切です。
糖尿病ケトアシドーシスは、のどが乾く、多飲、多尿、体重が減る、全身がだるいといった典型的な症状に続いて起こります。こういった症状をよく覚えておき、症状があったときに血糖自己測定、尿ケトン体の測定を行い、予防・早期発見することが大切です。
また、高血糖をきたしやすい薬として、一部の抗精神病薬があります。糖尿病患者が精神科にかかる時は、必ず自分が糖尿病であることを医師に伝えるようにしましょう。
高浸透圧高血糖症候群では、高血糖と飲水量不足による脱水で、血液が濃縮されてしまい高浸透圧となります。ただし、インスリンは最低限分泌されているので、ケトーシスを伴うこともありますが、著しいアシドーシスにはならないのが特徴です。
高浸透圧高血糖症候群は2型糖尿病の高齢者に多くみられます。感染症、脳卒中、副腎皮質ステロイド薬や利尿薬の頻用、高カロリー輸液などが原因となります。
様々な程度の意識障害やけいれんなどをきたします。脱水にともなう多飲、多尿、全身倦怠感などの症状をきたします。糖尿病ケトアシドーシスよりゆっくり発症します。
2型糖尿病の高齢者は、高血糖に気づかれないうちに脱水がひどくなり、高浸透圧高血糖症候群を起こすことがあります。
感染症やほかの疾患を合併したときは、高浸透圧高血糖症候群を起こすことがあることに注意します。
高血糖の症状が出た場合には、水分を補給して早めに病院を受診するようにして下さい。このことを、家族も知っておくことが大切です。
糖尿病昏睡あるいはそれに近い状態では、一刻も早く入院して、大量の輸液とインスリンの投与が必要です。疑わしい場合はすぐに主治医に連絡して、できるだけ早く診察を受けましょう。
北多摩西部保健医療圏糖尿病医療連携推進協議会 会長、国家公務員共済組合連合会立川病院 内科医長
かんの内科 院長
医療法人社団 明芳会 イムス三芳総合病院 内分泌(甲状腺)・代謝(糖尿病)センター センター長
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糖尿病網膜症
今年の2月に糖尿病網膜症と診断を受け、 光凝固術を受けました。昨日から急に右目に黒い長い線が見えるようになりました。 目を閉じても入れても見えるのですが、 これは飛蚊症でしょうか。それとも網膜症が 進行している症状でしょうか。
境界型糖尿病から糖尿病への移行
今年の2月に出産しましたが、妊娠期間中は妊娠糖尿病でした。 3月の検診では血糖値の問題もなく、普段通りの食事にして良いと言われましたが6月に自ら負荷試験を希望し、その時に境界型糖尿病と言われました。 空腹時血糖値が89で、二時間後が173程でした。 先生には、体重の減量で変わってくると思うと言われ、言われた目標体重まで落とし、現在も維持しています。 そして先月に随時血糖値を測りに行くと、102でヘモグロビンA1cは5.1で正常範囲でした。 (普段は空腹時80代なので少し高め) そして昨日、検査をする機会があり、空腹時血糖を測りました。 その時、負荷試験をするつもりで病院へ行ったのですが空きがないと言われたので空腹のまま11時ごろに採血しましたが、117もあり、立派な境界型糖尿病ですと言われました。 ヘモグロビンA1cの値はまた結果が出ないと言われたのですが、たしかに先月の随時血糖値の102の時から調子に乗ってしまい特に気にせず高カロリーなものなどを毎日食べていました。 先月の検査から1ヶ月も経っていないのですが、明日負荷試験の予約をしました。 空腹時117ということはもう糖尿病に移行してる可能性は高いでしょうか? 先月は正常範囲だったのに食生活の乱れでこんなに早く糖尿病になるのでしょうか。 自分が悪いのですが、まだ20代なのにそう考えると不安で悲しくて先が見えません。
先月血液検査を受けて
今日結果を聞きにいくと糖尿病と言われました。血糖値は高くありませんがHb〜の数値が6.6だったので薬を処方されました。飲んだあとふらつくかもしれないのでブドウ糖をもらったのですが、その数値で薬を飲まないといけないのでしょうか?運動と食事療法で何とかならないものなんでしょうか?飲み始めたら一生飲まないといけないと言われました。出来ることなら薬は飲みたくありません。やっぱり服薬は必要なのでしょうか…
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喘息様症状と共に微熱が2~3日続いたので、今日総合病院にて血液検査・尿検査・肺のCT検査をしました。 CRP0.0, 白血球数が6.1のことを説明していただいて納得はしたのですが、これとは別に血糖値の数値が121で「H」のマークが入ってました。下限値70~上限値109mg/dlと基準はなっていました。血糖値のこの値の件は医師は何も言っておられませんでした。 (血糖値を調べるための血液検査じゃないのでそれはそうなんでしょうが。) この血糖の項目の121という数値は直ちに問題視されるような値なのでしょうか? 治療が必要な数値なのでしょうか? 今のコロナ禍の時代でどうしても食事が偏りがちなのは確かです。自覚はあります。 料理も出来ないまま即席めんとかインスタント関係の食事やお菓子に傾きな食生活は事実です。 強迫性障害という病気のためとコロナウィルスが食材に付着しているという観念のもと手作りの料理や冷凍食品はもとよりデリバリーさえ頼めません。コンビニやスーパーでのお弁当も手にできないでいます。 冷蔵食品にしても買って帰った後の除菌に時間が掛かるため、冷蔵庫にしまうまでの時間が掛かりすぎて食品を傷めて廃棄する始末です。ですので、どうしても食生活に傾きがあるのは確かです。 前置きが長くなりましたが、この数値は直ちに治療をしなければいけない数値なのか、その時の体の状況において許容範囲内の数値なのでしょうか? 3月の半ばにした血液検査の時も血糖の値が「H」マークがついていた記憶がありますが、医師はその時もそのことには触れもしませんでした。 3月半ばの血液検査の結果表なんですがどこを探しても見つからず具体的な数字は分かりません。
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