スポーツにケガはつきもの、とはよくいわれることですが、これはプロスポーツ選手やアスリートに限った話ではありません。スポーツ人口の増加とともに、競技中のアクシデントや練習のし過ぎでけがや痛みを抱える方が多くなっています。股関節・膝関節外科を専門とされ、スポーツ外傷の治療経験も豊富な武蔵野赤十字病院整形外科の望月義人先生にお話をうかがいました。
整形外科の中には、スポーツ医学の専門知識や診療経験が豊富な専門医がおり、スポーツ医と呼ばれることがあります。あるいはスポーツ整形外科、スポーツ外来などの診療科を持つ医療機関も存在します。けがそのものの治療は、もちろん一般の整形外科でも可能なのですが、スポーツ医やスポーツ整形外科の特色としては次のような点が挙げられます。
私自身、日常の診療の中ではスポーツ外傷だけを専門としているわけではありませんが、スポーツによるけがやトラブルで受診される方に対してはこのようなことを念頭におき診療を行っています。
チームドクターがついているようなアスリートは別格として、一般生活者の皆さんがスポーツで膝や股関節を傷めてしまったというような場合、どこの病院を受診したらよいか悩まれることもあるでしょう。以下にご紹介する学会のサイトでは、それぞれ所属するスポーツ医の情報を、地域や専門とする競技種目ごとに検索することができます。
また、このような学会に所属する専門医以外にも、スポーツ外傷・スポーツ障害の治療に長けた医師は大勢います。特に外科手術を含む治療においては、関節鏡下での手術件数や治療実績の多さも判断基準のひとつとして役立ちます。
スポーツの種目や競技の特性によって、発生しやすい外傷や障害の種類が異なります。以下はその一例です。
医療機関を受診する際には、以下のことを整理して伝えられるよう、メモにまとめるなど準備をしておくと良いでしょう。
けがをしたときの状況は医師には分かりませんので、患者さんからご説明いただく必要があります。単に「転んだ」とだけおっしゃる方がいますが、転び方にもいろいろありますので、忘れないうちに思い起こして書き留めていただくことが大事です。
いつ・どこで・どのようにして外傷に至ったのかという経緯を「受傷機転」といいます。たとえば膝を傷めた場合、前十字靭帯の損傷は比較的分かりやすいのですが、同時に後十字靭帯も傷めているかどうかといったことは、受傷機転を知らなければ判断しづらいことがあります。けがをしてから長い期間が経って受診される方もいらっしゃいますので、そのことも必ずお伝えください。
また、普通に歩くことはできても、特定の動作ができないといった状況もあります。何と何ができないのかなど、できるだけ詳しくまとめておいていただけると診療の助けになります。
浅草病院 整形外科 人工関節センター長
望月 義人 先生の所属医療機関
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現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。