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不妊と喫煙の関係性。喫煙が卵子と精子に及ぼす影響とは

不妊と喫煙の関係性。喫煙が卵子と精子に及ぼす影響とは
河村 寿宏 先生

田園都市レディースクリニック 理事長、東京医科歯科大学臨床教授

河村 寿宏 先生

不妊の原因は、加齢や疾患によるものなど実に様々です。しかし、日々の生活も不妊症に大きく影響しているといいます。なかでも喫煙はデータからも卵子・精子の両方に影響していることがわかっています。

喫煙があたえる影響について、田園都市レディースクリニック理事長の河村寿宏先生にお話しいただきました。

血中FSH値は、卵巣機能が低下すると上昇します。女性喫煙者の血中FSH値は、非喫煙者に比べて約23%高くなるというデータが出ており、血中FSH値の上昇は、卵子の数の減少、そして閉経が早まる可能性を示唆しています。

一度減少してしまった卵子は、あとから取り戻せません。また、これは自分の喫煙だけでなく、副流煙などに代表される受動喫煙であっても閉経が早まることとの関連が認められています。

2005年に田園都市レディースクリニックにおいて、生殖補助医療を行っている患者さんのなかで、喫煙者と非喫煙者の間に妊娠率の差はでるのかという統計をとりました。

胚移植あたり臨床妊娠率
生殖補助医療における胚移植あたり臨床妊娠率(田園都市レディースクリニック 喫煙群75周期 非喫煙群545周期)

その結果、上記のグラフのように、喫煙すると体外受精等の生殖補助医療の妊娠率が低下することがわかりました。

男性が喫煙をしている場合、

  • 精子濃度は15%~25%減少
  • 精子運動率は10%~17%低下
  • 奇形精子率は13%上昇する

との報告があります。

これらの結果、男性が喫煙することにより妊娠しづらくなります。

また、喫煙は精液中の活性酸素を増加させ、酸化ストレスによりDNAの損傷を促進させます。そして、精子にはDNAの修復力がないため、壊れた遺伝子は元には戻りません。

喫煙・受動喫煙は、生殖能力の低下だけではなく、胎児にも影響を与えます。たとえば、先天異常(奇形児)の増加、胎児の発育障害(低出生体重児の増加)につながります。また、出生後でも、乳幼児突然死症候群(SIDS)を引き起こす可能性が上昇します。

妊娠と禁煙

上記の理由から、妊娠を望む場合は、男女ともになるべく早く禁煙に取り組むべきなのです。

また、受動喫煙であっても大きな悪影響をもたらします。たとえ、ベランダなどの屋外で喫煙をしていたとしても、喫煙者の呼気にはその後もしばらく有害物質が排出され続けるため、パートナーは受動喫煙を避けられません。

空気清浄機を使用していたとしても、たばこの煙にふくまれる多くの有害物質を除去することができないため、副流煙対策にはならないのです。

 

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