院長インタビュー

「誠実」で「信頼」される病院として活躍する徳島県立三好病院

「誠実」で「信頼」される病院として活躍する徳島県立三好病院
住友 正幸 先生

徳島県立三好病院 院長

住友 正幸 先生

この記事の最終更新は2018年07月10日です。

徳島県立三好病院は、徳島県西部にある公立の中核病院として、救急医療、がん医療、地域医療を手がけています。

病院が手がける診療の特徴、地域に向けた医療体制、教育研修体制について、病院長の住友正幸先生にお話を伺いました。

病院外観(徳島県立三好病院よりご提供)
高精細CT(徳島県立三好病院よりご提供)

内科では、一般内科、呼吸器内科、消化器内科、循環器内科が連携して診療にあたっています。

呼吸器内科では、肺炎COPD慢性閉塞性肺疾患)、また塵肺(じんぱい)による呼吸不全が進行・慢性化している方に対し在宅酸素療法を実施するなど、患者さんの医師とQOL(生活の質)を尊重できるような治療をご案内しています。

消化器内科では、消化管や肝臓・胆のう・膵臓に対して、エコーや内視鏡を使用して、患者さんの体にかかる負担をなるべく減らした検査や治療を実践しています。血管や胃の状態をより詳しく調べるため、放射線科と連携することも多いです。

循環器内科では、大学病院や近隣の医療機関連携のもと、緊急の対応が必要な患者さんに対する診療をしています。

手術風景(徳島県立三好病院よりご提供)

消化器外科、胸部外科、救急外傷外科の医師と徳島大学病院の寄附講座の医師が診療を担当します。

消化器外科では、消化管の病気に対し各種ガイドラインを遵守しながら、患者さんの希望をなるべく反映した手術をします。患者さんの状態に合わせて腹腔鏡手術なども積極的に導入することで、入院期間の短縮と早期社会復帰を目指しています。

胸部外科では、胸部に生じた悪性疾患(がん、転移性腫瘍など)や良性腫瘍、気胸膿胸など良性疾患に対する診療をしています。

救急外傷外科では、交通事故によって胸腔部に生じたエネルギー外傷、急性虫垂炎や急性胆のう炎など、緊急度の高い病気などを発症した患者さんを受け入れています。火傷、ハチなどによる虫刺され、マムシによる咬み傷などに対しては、皮膚科と連携して診療に当たります。

小児科では、子どものかかりやすい一般的な病気を中心に診療しています。専門的な治療が必要な場合には、四国こどもとおとなの医療センターをご紹介することもあります。

また各種予防接種の予約も電話で受け付けています。

病院屋上で離発着中のドクターヘリ(徳島県立三好病院よりご提供)

日本救急医学会により、2005年に地域救命救急センターの指定を受けました。

徳島県立三好病院は四国のほぼ中央に位置していることもあり、院内の救命救急センターでは市内のみでなく近隣地域からも救急車を受け入れています。また、新病棟の屋上にヘリポートを作りドクターヘリ離発着が可能となったため、遠方の患者さんに対しても迅速に対応できます。

センターのスタッフはみんな、『「自分の家族にも受けさせたい」と思えるような医療を提供したい』という思いを持っています。今後も、一人でも多くの方を救うため、地域の医療機関と連携を取り合いながら、24時間体制で救急医療に取組んでいきます。

多床室(徳島県立三好病院よりご提供)
個室(徳島県立三好病院よりご提供)

2015年に地域がん診療拠点病院の指定を受けています。

病気の状態をみながら、がん患者さんとご家族の方の希望や生活の質を重視した方法を提供できるよう、がん3大療法と呼ばれる外科治療(手術)、化学療法(抗がん剤治療)、放射線治療のほか、心身の苦痛を和らげるための緩和ケアを加えた「フルセットのがん医療」をしています。

県知事から災害拠点病院(地域災害医療センター)の指定を受けています。

徳島県西部における二次医療圏の要としてハード・ソフト両面を充実させることで、平時から災害時まで幅広く対応可能な体制を構築しました。

敷地内には震災時に必要な物資や非常用発電設備などを配備、また新棟1階廊下には医療用ガス設備や非常用コンセントを設置しており、災害時でも院内患者や被災者への診療可能な拠点病院として活動可能です。

また、専門的な訓練を受けた医師や看護師などスタッフによる災害派遣医療チーム(DMAT)を結成、大規模災害発生時に医療面からの支援活動を実施するための体制も有しています。

地域医包括ケアシステムに積極的に参画しており、2014年には地域医療支援病院に承認されました。

徳島県内全体では高齢化と人口減少が着実に進行しています。住み慣れた環境での生活や療養を支援するため、近隣医療機関や福祉・行政など地域と緊密に連携して、みなさんに必要とされる医療の提供、医療資源の有効活用に尽力しています。

2017年には三好病院連が20数年ぶりの復活を遂げた(徳島県立三好病院よりご提供)

患者さんに対しよりよい医療を提供するため、当院では「断らない医療」を共有価値とする、プロ意識を持ち自立・自学できる職員の育成に力を入れています。

臨床研修病院として県内の協力医療機関とともに研修医育成も行っており、医療が地域に果たす役割を理解したうえで地域の一員として全人的な医療を提供できる「地域マインド」を持つ医師を育てています。

医療機関を受診される患者さんのなかには、病気だけでなくさまざまな問題を抱えている方もいらっしゃいます。

そのため臨床現場では、本当はどういうことを望んでいるのか知るため、患者さんの声に耳を傾け、一緒に考えることが重要な意味を持ちます。単にガイドラインに則った治療を提供するのでなく「病をとおして生を診る」ことが、その患者さんを治し、癒やすことへとつながるのです。

「この人にならなんでも任せられる」と患者さんに信頼されるに足る態度・知識・技能を持ち合わせた、心ある人になってください。

徳島県立三好病院は、地域のみなさんに育てていただいた病院です。地域のみなさんに正面から向き合って医療を提供し続けることで、病気を治すだけでなく地域全体がよくなる病院であり続けたいと考えています。

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