加賀市医療センターは、加賀市内にあった加賀市民病院と山中温泉医療センターの2院が2016年4月に合併して誕生した病院です。
センターが有する診療科や病院設備等の特徴、医師に対する研修教育体制などについて、病院長の小橋一功先生にお話を伺いました。
地域にお住まいのみなさんが医療に困ることのないよう、加賀市内における総合病院として、標準的な診療を提供できる体制を整えています。また、はじめて外来をご利用いただく方やどの診療科を受診すればよいかお困りの患者さんには、総合診療科をご案内しています。患者さんの不安軽減や待ち時間短縮に努めています。
当院の泌尿器科では、地域の一次医療機関として、日常的な診療をより多くの方にご提供し続けていくことを目標としています。
尿路感染症や尿路結石症などから、腎腫瘍、尿路に生じた悪性腫瘍、排尿障害まで、泌尿器に生じる病気やトラブルに対してスタンダードな診療を行います。より高度な治療が必要と判断した場合には、近隣医療機関をご紹介させていただくこともあります。
市内で唯一出産可能な病院として、これまで多くのお産をお手伝いしてきました。
当院には、妊婦さんが移動することなく陣痛・分娩・回復を行えるLDR〈Labor(陣痛)、Delivery(分娩)、Recovery(回復)〉室が2室あり、なるべく体に負担をかけず出産できる体制が整っています。
産前には妊娠12週以上の方を対象にしたマタニティ教室を開催、産後には市と連携した産後ケア事業で育児や心身へのサポートをしています。
出産のみでなく、子宮筋腫や子宮内膜症といった女性特有の病気、不妊症への診療、思春期から更年期のホルモン異常に対する診療やカウンセリングなども積極的に行っています。
病気の早期発見・早期治療につなげるため、健康診断や人間ドックなど各種健診を専門に行う健診センターを開設しました。
専門の受付で手続きしていただく等、一般の患者さんと接する機会を極力減らしているため、くつろいだ環境で各種検査を受けていただくことができます。
複数名が同じ病室を利用する多床室では、同室の方を気遣い療養に専念しにくいと考え、HCU(高度治療室)10床を除く、急性期病棟、地域包括ケア病棟、回復期リハ病棟の290床すべての病床を個室にして、室料差額を徴収せず、経済的にも安心して療養に専念できる環境を整えました。
完全個室を導入したことで、空調や音の問題が解消されたほか、患者さんやご家族が気兼ねなく過ごせるようになりました。また院内感染のリスク低減につながっています。
加賀市および周辺地域にお住まいの方たちが、住み慣れた地域で安心して生活していただけるよう「地域連携センターつむぎ」を開設、院内に医療や福祉に関連する情報や人が集まりやすい環境を作りました。
加賀市が運営する地域包括支援センターのサブセンターを院内に併設することで、病院が中心となり取り組む入退院支援や地域医療連携と、市が中心の高齢者の総合相談や介護保険・高齢者福祉サービスへの相談や利用がよりスムーズに行われるようになりました。
医療を受けるだけでなく、医療や病気について知り健康推進や病気予防の大切さについて学ぶ場としても活用していただけるよう、まちあい室講座(出前講座)を開催しています。
講座では、各診療科の医師やコメディカルが講師役を務め、糖尿病など身近な病気、再生医療など最先端の取り組み、緩和ケア、脳卒中予防、健康を守る食事バランスなど、さまざまなテーマを取り上げています。
これまでも加賀医療センターでは、協力型臨床研修病院として、また地域医療研修の派遣先医療機関として研修医を受け入れ教育してきました。2019年度からは、基幹型臨床研修病院として募集開始予定です。
当院は、医師は顔の見える関係で結ばれており、診療科間の風通しもよいのが特長です。当院を受診される患者さんは多く毎日とても忙しいですが、その分多くの症例を診療できます。また院外から各診療科の専門医を招いたレクチャーを毎月開催するなどしており、医師人生の礎となる貴重な経験を積める環境が整っています。
当院の活動内容を知っていただくための取り組みの一環として、参加費無料のサマーキャンプを開催しています。サマーキャンプでは、当院の地域型ER救急や総合診療科の見学や実習を中心に、可能な限り参加者のみなさんの希望に沿った体験を提供しています。
AIなど新しい技術の登場やめざましい進化もあり、医師と医療の関係性とそのあり方は、今後ますます変化していくでしょう。しかし、医療の本質と根本は人と向かい合うことに変わりなく、医師の仕事でもっとも大切なことは目の前の患者さんから目をそらさないことと考えています。
人と人との関わり方はますます多様化していますが、挨拶をする、相手の目を見て話すなど、自分は目の前の方に対し基礎的なコミュニケーションがとれているか、振り返ってみてください。
みなさんが安心して地元で暮らせるよう、医療面で困ることないようサポートすることが、医療機関が担うべき大切な役目と考えています。
加賀市医療センターでは今後も、医療のみでなく、介護、保健など関連する領域に対しても、他職種や行政等と密な連携をとりながら取り組んでまいります。
私は前身の病院から数えると、長い間この病院に勤務しています。あるとき、このまま働き続けるかどうか考えたことがあり、ある職員の方から「やりたいことがあればいってほしい。病院として、できる限りのことを用意する」と声をかけていただきました。当時の私にとって、とても心強く、モチベーションにもつながる一言だったため、私は勤務し続けようと決心しました。
病院を率いる立場となった今、今度は私が受けた恩を次世代につなぐ番だと考えています。
やりたいこと、試してみたいことがある方は、遠慮なくお伝えください。職員全員で、病院を盛り上げていきましょう。
加賀市医療センター 病院長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。