北海道旭川市内にある独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センターは、1972年に旧国立療養所旭川病院と旧国立旭川療養所が合併し、国立療養所道北病院として設立されました。さらに、2004年に独立行政法人化、2010年に「独立行政法人 国立病院機構 旭川医療センター」に改称し、現在に至ります。
病床数310床(2018年8月時点)の規模を持ち、呼吸器内科、脳神経内科、消化器内科などを中心に、旭川市民を始め北海道全土から多くの患者さんを受け入れています。
今回は、旭川医療センターの取り組みについて、院長である西村 英夫先生にお話を伺いました。
旭川医療センターは、国立病院機構を母体とする病院です。開設時から結核医療や神経難病の診療といった政策医療*を担っており、それらに加えて地域のニーズに合わせた医療の提供も行っています。
旭川市は、全国平均よりも早いペースで高齢化が進んでいる地域です。変化しつつある医療ニーズに対応できるよう、17診療科と各種専門センターを構えて診療を行っています。
国の医療政策として国立病院機構が担うべきとされる医療
当院では、強みである呼吸器内科・脳神経内科・消化器内科をさらに特化させた3つのセンター(3疾患センター)を開設しています。
呼吸器疾患の中でも多い病気が、慢性閉塞性肺疾患(COPD)です。当院では2009年に呼吸器内科を中心としたCOPDセンターを開設し、予防から治療、リハビリテーションまで一貫して提供できる環境を整備しています。
また、肺がんも症例数が非常に多い病気です。以前は外科手術を多く行っていましたが、2018年8月現在では、抗がん剤による化学療法で治療を行うことも多いです。また、新たに放射線治療機器を導入し、より充実した治療ができるようになりました。
脳神経系の診療にも力を入れています。特に患者数の多いパーキンソン病に関しては、2009年にパーキンソン病センターを設け、より専門的な治療ができる環境を整えています。
パーキンソン病センターでは、患者さんの症状に合わせた治療を行う、テーラーメイド治療を導入しています。また、毎月第3金曜日(8月を除く)に、院内で医師を始めとした多種職によるパーキンソン病教室を開催し、パーキンソン病に関する情報の発信も行っています。
消化器内科では、胃腸や肝臓・胆のう・すい臓の病気を中心に診療を行っています。開業医の先生が対処できない、内視鏡での治療が必要な患者さんなどを紹介していただくことも多いです。また、大学病院と連携しながら、糖尿病やリウマチなどの膠原病の診療も行っています。
2012年には糖尿病・リウマチセンターを開設し、日本リウマチ学会認定のリウマチ専門医や日本糖尿病学会認定の糖尿病専門医、看護師、栄養士や薬剤師、理学療法士など他職種連携での診療体制を整えています。また、関節リウマチに対する治療効果が期待される生物学的製剤の積極的な導入などを行っています。
当院の小児科は、発達障害や知的障害、学習障害、脳性麻痺などの運動障害、てんかんなど、発達や脳機能に課題がある子どもたちを診療しています。必要な治療を行うだけでなく、福祉的な面やご家族への支援など、生活全般を支える医療を提供していることが特徴です。また、小児期の患者さんだけでなく、18歳を超えた成人期の患者さんのサポートも行っています。
当院は、医療機器の充実にも努めており、休暇もしっかり取ってもらっています。そういった面からも、職員が働きやすい職場づくりを行っています。
また、研修医には、指導を担当する医師が支えながらではありますが、担当医に近い形で患者さんを診てもらっています。手技に関しても積極的に手術を行う機会をつくっているため、多くのものが得られるのではないでしょうか。ぜひ一度当院を訪れ、実際に院内の様子をみてもらえればと思います。
当院は、これからも地域の皆さまに「ここに旭川医療センターがあってよかった」と思われる病院として存続していきたいです。2018年8月現在は、外来管理診療棟などの建替工事を行っており、2019年秋に開棟予定です。当院の職員一同、今後もこの地域で多くの方を支えられるように努力していく覚悟があります。もし何かあれば、ぜひ当院を頼りにして、受診いただければと思っています。
国立病院機構旭川医療センター 院長
西村 英夫 先生の所属医療機関
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。