院長インタビュー

地域住民の心身の健康を守るために挑戦しつづける洛和会音羽病院

地域住民の心身の健康を守るために挑戦しつづける洛和会音羽病院
二宮 清 先生

医療法人社団洛和会 洛和会音羽病院 院長

二宮 清 先生

目次
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この記事の最終更新は2018年09月19日です。

京都府京都市山科区で急性期医療から慢性期医療の提供に尽力している洛和会音羽病院は洛和会ヘルスケアシステムの中で医療から介護への連携をいち早く開始し、一貫した医療を提供に尽力しています。地域の皆さまの健康を守るためにさまざまな治療の提供を模索する同院の特徴的な診療や取り組みについて、院長の二宮清先生にお話を伺いました。

洛和会音羽病院 外観(洛和会音羽病院よりご提供)

洛和会音羽病院は、地域医療やヘルスケアシステムの充実などを洛和会ヘルスケアシステム内でもいち早く構築し、提供しています。また、当院では2000年に病院評価機能の認定、2001年に電子カルテの導入などさまざまなことをいち早く導入してきました。地域医療をよりよくするにはどうすればよいのか、医療から介護までをよりスムーズに提供するにはどのような体制を作っていく必要があるのかなど、医療施設や介護施設を数多く有している洛和会で模索し、実践しています。

たとえば当院で治療し、在宅復帰や施設への入所が必要になった際には当会が運営している介護施設への入所や当院でリハビリテーションを実施することがあります。医療と介護の密接な連携をすることで患者さんにスムーズに次の医療を受けていただくことが可能です。まずは当会内で医療と介護の連携強化をし、徐々に地域へそのノウハウを広げていきたいと思います。

地域医療を提供し地域の皆さまの健康を守るために、さまざまな診療における指定病院になっています。救命救急センターに指定されており、地域の三次救急を担っています。24時間365日、救急車や夜間、時間外の救急患者さんを断らずに受け入れ、適切な処置に努めています。

ERでの救急患者さん受け入れ(洛和会音羽病院よりご提供)

また、高精度放射線治療装置(リニアック)やPET-CTなどをいち早く導入してきました。新しい医療機器を取りそろえることで、さまざまな病気の検査や治療の幅を広げています。

また2019年度にはロボット支援手術の導入、開始を予定しています。

当院は将来の医療を担う若手医療従事者の育成にも力を入れており、特に2004年からは総合的に診療をすることのできる医師の育成に力をいれています。高齢化が進んでいる昨今では患者さんを総合的に診療することができる医師の存在が重要になってくると思います。もともとは骨折で入院してきた患者さんの中には、糖尿病高血圧などの治療を受けている方も少なくありません。基礎疾患に気を付けながら来院するきっかけになった病状に対して治療をしていくことになります。そのため、地域医療を担う医師は色々なことに気を配り、患者さん、それぞれに実施できる治療や検査の方法をより考えていかなくてはならないと思います。

洛和会音羽病院よりご提供

地域の急性期医療を支えるうえで、多くの診療科で特徴的な診療をしています。患者さんを総合的に診療する診療部門や救命救急センターなど、さまざまな診療科や治療方法があります。その中でも特徴的な取り組みをしているのが、小児科、神経精神科や眼科、肛門の外科診療、口腔外科、歯科麻酔分野です。以下ではいくつかの診療科についてお話しいたします。

京都口腔健康センターでは口腔外科診療、顎変形症、歯科麻酔分野での診療の3つで治療を提供しています。口腔外科診療では主に口腔内に発生するがんや腫瘍などの診療を行い、近隣の医療機関だけでなく歯科医院との連携も強めています。口腔がんはがんが発生した場所によっていくつかに分類されます。たとえば舌にできれば「(ぜつ)がん」になり、歯肉にできれば「歯肉がん」となります。

顎変形症センターでは下顎(かがく)(したあご)が前に伸びすぎている、あごが小さいなどのさまざまな理由で上下の歯のかみ合わせがずれてしまう顎変形症の治療を行っています。顎変形症の治療では手術と矯正治療を組み合わせた顎矯正手術を実施し口腔機能の回復に努めています。

一般社団法人 日本歯科麻酔学会に認定された専門医を中心に歯科衛生士、看護師でチームを結成し歯科麻酔分野での診療をしています。歯科麻酔では、障がいがある方や小さいお子さん、認知症の患者さんなどに口腔ケアや歯科治療を行う際に全身麻酔や精神鎮静法を用います。たとえば、認知症や寝たきりの患者さんは口腔ケアや歯科診療の間ずっと口を開けていることが難しいことがあるためです。

歯科麻酔部門で口腔ケアのサポートをすることで誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)の予防にもつながり、地域包括ケア病棟を有する当院でも力を入れている部門です。

アイセンター手術室(洛和会音羽病院よりご提供)

アイセンターは目の診療に特化した診療部門です。2016年に完成した新棟をアイセンターとして使用しており、手術室や新しい医療機器を導入しています。アイセンターでの治療では白内障緑内障から網膜剥離などの網膜硝子体疾患にも対応しています。眼科診療で地域医療に今まで以上に貢献していけるよう尽力していきます。また、地域だけでなく関西、近畿地方にお住まいの方も、目の病気でなにか困っていることがあればアイセンターを頼ってほしいと思います。

肛門の外科診療では深部痔瘻(しんぶじろう)の手術を多く実施しています。痔瘻は、いわゆるの一種で、瘻管(ろうかん)というの管がどの方向に伸びているかによって深部痔瘻と浅部痔瘻(せんぶじろう)に大別されます。

この深部痔瘻の治療ではMRIで病変を撮影するときに、通常の寝ながらの体勢ではなく痔瘻がよくわかるようにお尻を突き出した状態で撮影します。手術の際の体制で撮影しているので、手術のときでもほぼ同じ位置に痔瘻がありスムーズに治療をすることができます。

急性期から介護まで切れ目のないサービスを提供するために洛和会ヘルスケアシステムの中で連携を強めています。この連携を徐々に地域の医療機関や介護施設とも行えるようにし、山科区全体で地域医療を支えていくことができればよいと考えています。地域医療を支えていくためには、まず地域の皆さまの心と体の健康を守るためにさまざまな取り組みをしていかなくてはならないと思います。

たとえば、当院では小児科や神経精神科が尽力して、子どもたちの心の病や神経発達障害の診療が行える場を設けています。また、子どもたちの心の病や発達障害などはご家族だけではサポートが十分にできないことも多くあります。近隣の学校の教職員の方々との連携を充実させていくことで、子どもたちも生きやすく、教職員もサポートすることができる知識を身に付けてもらい山科区全体で子どもたちのサポートをしていきたいと思います。

これからも、DPC特定病院群の機能を維持し、地域の皆さまに頼られる病院であるように職員一同スキルを磨いてまいります。

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  • 医療法人社団洛和会 洛和会音羽病院 院長

    二宮 清 先生

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