【院長インタビュー】

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救急医療を担い、がん治療や専門医療でも地域に貢献する神鋼記念病院
社会医療法人神鋼記念会神鋼記念病院はその名の通り、株式会社神戸製鋼所の診療所として、1915年に開設されました。1998年に神戸製鋼所から独立し、2015年には社会医療法人化に伴い神鋼病院から現...
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救急医療を担い、がん治療や専門医療でも地域に貢献する神鋼記念病院

公開日 2019 年 03 月 11 日 | 更新日 2019 年 03 月 13 日

救急医療を担い、がん治療や専門医療でも地域に貢献する神鋼記念病院
東山 洋 先生

神鋼記念病院 病院長

東山 洋 先生

目次

社会医療法人神鋼記念会 神鋼記念病院はその名の通り、株式会社 神戸製鋼所の診療所として、1915年に開設されました。1998年に神戸製鋼所から独立し、2015年には社会医療法人化に伴い神鋼病院から現在の神鋼記念病院へと名称変更されました。

現在、病院が建つのは神戸市の中央区であり、神戸製鋼所発祥の地です。交通アクセスはJR灘駅・阪急春日野道駅のどちらの駅からも徒歩で7分ほどです。29診療科、333病床を有し(2019年2月時点)、DPC特定病院群(旧・DPCⅡ群)に2014年、2016年、2018年と3回連続認定されている同院は、どのような特色のある医療を提供しているのでしょうか。院長の東山洋先生に詳しくお話を伺いました。

神戸市第二次救急病院協議会の一員として救急患者さんを受け入れながら、日々の外来患者さんにも対応

神鋼記念病院の外観

当院は急性期病院として、救急車搬送患者さんを受け入れています。

救急患者さんへの対応は、救急センターで行っています。2007年に新病棟がオープンし、2008年には集中治療室(ICU)と心疾患集中治療室(CCU)を開設しました。それにより、高度急性期医療を24時間提供できる体制となっています。

特徴的なのは、24時間体制で救急患者さん受け入れているにもかかわらず、外来患者さんの診療にもあたっている点です。当院は昔からこの地域の住民のみなさまと深く信頼を築いており、どうしても当院で受診したいという患者さんが後を絶ちません。

現在は病診連携を推進すべく、2013年に地域医療連携センターを立ち上げ、業務にあたっています。今後は、スタッフをもう少し増員する必要があると考えています。

神鋼記念病院の石碑

19床の無菌室を有する血液疾患移植センター

2011年には兵庫県指定がん診療連携拠点病院の指定を受けました。県内に9か所ある指定施設の1つです(2019年2月時点)。

がん診療のなかでは特に、白血病などの血液がんを得意としています。患者さんに常により適切な治療を提供すべく、2010年に血液疾患移植センターを立ち上げました。血液内科と血液疾患移植センター、細胞治療室が一体となり診療にあたっています。

特筆すべきは無菌室の数であり、19床あります(2019年2月時点)。血液関係のがんは、治療により免疫力が低下する場合があるため、無菌室が必要不可欠です。当院では血液疾患移植センター全体を無菌化しました。そのため、患者さんは病室だけでなく、面会コーナーなどにも立ち寄れます。ストレス軽減の観点から大きな意味があると思っています。

無菌病棟からの写真

前立腺がん、膀胱がんの根治に尽力する泌尿器科

当院の泌尿器科は、以前から前立腺がん治療で知られた存在です。2015年には手術支援ロボットである「ダヴィンチ」を導入し、現在では前立腺がんに対する標準的な治療としています。

同科は、膀胱がん手術も手掛けています。膀胱をすべて摘出した患者さんに、小腸を使った新たな膀胱を造設する手術には、兵庫県一帯から患者さんがお越しになります。

人工肛門をつくらない直腸がん手術に取り組む

直腸がんの治療にも、特徴があります。肛門に近い直腸がんは通常、人工肛門の増設を余儀無くされます。しかし当院の外科では、肛門を温存する手術を積極的に行っています。一方で治療後、便の失禁や慢性の便秘に悩まされる患者さんも存在します。そのため2014年より、排便機能障害外来を始めました。大腸や肛門の機能を科学的に評価して治療しています。また、2018年11月より直腸がんの手術支援ロボット手術が認定基準を満たし、保険診療にて治療を開始しています。

病理検診センターのバックアップで、増える乳がんの治療に取り組む

当院の患者さんの数でいえば、乳がんも増えてきました。

乳がんでは多くの場合、がん細胞の有無を確かめる病理検査が手術中に必要となります。その結果をみて、その後の手術の範囲をその場で決めています(術中迅速病理検査)。これを支えているのが病理診断センターです。常勤の日本病理学会認定の病理専門医が3名(2019年2月時点)おり、非常に恵まれた環境だと考えています。

緩和ケアやQOL改善に注力

がん患者さんへの緩和ケアにも、当院は早期に取り組んでいます。2005年には「緩和ケアチーム」が活動を開始しました。2011年には「がん療養サポートチーム」と名称を変更しています。そして2014年に緩和治療科がオープンしました。対象疾患は現在、進行肺がんと肝・胆道系、すい臓がんに限られていますが、将来的にはすべてのがんに対して行いたいと思っています。

また自由参加の「健康教室」では、抗がん剤治療を受けている患者さん向けのケア・メイク指導も行っています。皮膚などに出た副作用の隠し方、あるいは頭髪脱毛に対する対策などを提供しQOL(生活の質)の向上を促すという取り組みです。

がん患者さんの心臓病予防にも着手

2016年には、循環器内科が腫瘍循環器外来を始めました。抗がん剤による心臓や血管への悪影響を早期に発見し、適切に対処します。

昨今、がん患者さんおける、抗がん剤が原因と考えられる心臓病が注目されるようになりました。これは腫瘍循環器学に基づいた了見です。診療だけでなく、学会にも積極的に症例を報告し、この学問領域をけん引できるよう努めてまいります。

膠原病・リウマチ治療や神経内科分野の診療にも対応

当院は急性期病院でありながら、日々来院される外来患者さんを診療しています。また、そうした対応を可能にするため、常に十分な数の医師の確保に尽力しています。2019年2月現在では、123名(うち専攻医19名、臨床研修医12名)に達しました。そこでこの強みをいかして、膠原病やその中でも代表的な関節リウマチ、または神経内科の分野の難病やそれによる症状に対する医療にも力を入れるようになりました。

膠原病リウマチセンターの設立はその1例です。2010年4月に設立され、膠原病・リウマチ治療の専門施設として他診療科や近隣の医療機関と連携を取りながら、地域の膠原病・リウマチ治療に貢献しています。患者さんは近畿圏からもいらっしゃいます。

神経内科も、治療の難しい不随意運動を幅広く診療しています。目が開かなくなる眼瞼痙攣(がんけんけいれん)、顔が半分だけひきつる片側顔面痙攣(へいそくがんめんけいれん)、首をまっすぐに保てない痙性斜頚(けいせいしゃけい)、脳卒中の後遺症で手や足が拘縮してしまう上下肢痙縮(じょうかしけいしゅく)などを診療しています。

院内カンファレンスの様子

地域連携では看護師やケアマネジャーさんと交流

当院は2011年に地域医療支援病院の指定を受けています。

地域医療連携センターでは、地域医療講演会や地域医療連携交流会などを開催しています。珍しい点としては、訪問看護師とケアマネジャーさんの交流会もあることが挙げられます。この交流会には、病棟看護師も参加が可能です。

「困ったときに頼りにされる病院」をめざして 

当院のめざすところは、「困ったときに頼りにされる病院」です。かかりつけ医の先生や、地域のみなさま、いずれにとってもそのような存在でありたいと願っています。そのために、かかりつけ医の先生から対応を依頼された患者さんは可能な限り断りません。まず当院に搬送いただき診断します。そのうえで転院が必要ならば、当院が責任をもって手配します。患者さんが直接電話をくださり、ご相談を受けた場合も同様です。もちろん前提として、一定レベル以上の医療を提供できる能力は必須です。このような理念のもと、当院は日々研鑽を積んでおります。

2000年頃より、血管外科手技を応用した血行再建を伴う肝胆膵癌切除手術を多数施行してきた。また現在は、腹部血管外科、特に内臓動脈の動脈瘤や解離症例の手術・血管内治療を主に手掛けている。