院長インタビュー

開かれた病院づくりを進める日本医科大学武蔵小杉病院

開かれた病院づくりを進める日本医科大学武蔵小杉病院
田島 廣之 先生

日本医科大学 放射線医学 教授、日本医科大学武蔵小杉病院 院長 血管内・低侵襲治療センター長

田島 廣之 先生

目次
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この記事の最終更新は2019年04月05日です。

日本医科大学武蔵小杉病院では大学付属病院の立場から医療を提供しつつ、神奈川県川崎市の地域密着型病院として特に周産期小児医療に注力するなど、住民が持つ医療ニーズにも柔軟に対応しています。また2021年秋の新病院開院に向けたプロジェクトも進んでいます。

同院の診療体制や強み、病院全体で注力している取り組み、採用教育体制などについて、病院長の田島廣之先生にお話を伺いました。

NICU/GCU

NICU/GCU

川崎市の地域周産期母子医療センター及び中部小児急病センターに指定されており、地域の医療機関と連携・協力しながら、当院のある神奈川県川崎市及び周辺地域での妊娠、出産、子どもの成長を、医療面からサポートしています。

妊婦健診の受付のほか、助産師による妊婦健診や母親学級や両親学級など予約制の産前教育、帝王切開で出産する方には帝王切開準備クラスを開催しています。

早産をはじめとするハイリスクには、産科、新生児内科、小児科、小児外科など関連する診療科、NICUやGCUといった新生児管理に特化した病室で対応します。

子どもがかかりやすい病気のほか、低出生体重児に対する医療、先天性の病気などの診療にも対応しています。

救命救急センター外観と救急車

救命救急センター外観と救急車

救命救急センターのスタッフ集合写真

救命救急センターのスタッフ集合写真

当地域における救急医療への貢献度の高さから、当院の救命救急部は2006年に救命救急センターに指定されました。今後の人口動態や年齢層の変化なども想定して、あらゆる年代の方にフレキシブルに対応できる救命救急医療の実現を目指しています。

救命救急センターでは、三次救急と呼ばれる重症度と緊急度が共に高く命の危機にある患者さんに行う医療を手がけており、緊急手術を含む処置、人工呼吸器やPCPSと呼ばれる心肺機能補助装置などによる管理を行いながら、退院や社会生活への復帰へ向けた治療をしています。必要に応じて他診療科と連携して治療するほか、退院後には外来でのフォローアップも行っています。

医学の進歩や高齢化などの影響を受け、がんは珍しい病気ではなくなりました。患者さんやご家族の方に当院の存在を知っていただき、診療の場として活用していただけるよう、がん診療拠点病院の認可を目指しています。

がんの治療方法には手術による外科療法、抗がん剤による化学療法、放射線を照射する放射線療法があり、当院では標準治療とチーム医療の実践を重視したがん診療に積極的に取り組んでいます。

標準治療とは世界中の医学研究の結果をもとに定められた治療方法、チーム医療とは医師や看護師だけでなく薬剤師や管理栄養士なども含めた多職種がそれぞれのスキルをいかした横の連携による診療をそれぞれ指します。「標準」というと、その言葉から誤解される方もいらっしゃいますが、いわゆる「並み」(普通)の治療ではなく、ベスト(最適)の治療法のことです。

総合診療科受付

総合診療科受付

2018年10月より、総合診療科を本格的に稼働させました。どの診療科を受診したらよいかお分かりにならないときや複数の病気に悩まれているときなど、まずはこちらにご相談ください。

患者さんのニーズに合った医療の提供と円滑な退院促進のため、心身の状態や社会的・経済的問題などの把握とサポートを行っています。

近隣医療機関との窓口となる医療連携部門、がん患者さんの療養生活をサポートするがん相談支援センター、病気や治療に対する不安や悩みを聞き解決策を提案したり行政サービスを紹介したりする療養支援部門などがあります。上記以外の内容でも、患者相談窓口でお受けしています。

新病院イメージ図
新病院イメージ図

新病院建設を、道路を挟んだ現在の大学グラウンドで進めており、2021年秋頃のオープンを目指しています。

新病院は地上9階建、主要な外来診療は2階、検査関連は3階に集約させたほか、産科病棟と手術室及びNICU・GCUを隣接させるなど全体の動線と利便性向上を意識しました。新病院では、2014年より休止していた、放射線治療再開も見越した設備配置をしており、川崎市におけるがん診療の拠点としての飛躍を目指しています。屋上にはヘリポートを設置してドクターヘリ受け入れ可能にし、救急診療や災害医療体制の強化をはかります。

田島先生

人口も医療機関も多い神奈川県川崎市において、当院は大学病院で培ってきた技術で地域の皆さんの生活を支える総合病院として活躍し続けてきました。

この地域の特性を考えると、周産期医療や小児医療などの子どもの医療から、がん診療など大人の医療に対するニーズは、今後さらに増加の一途をたどるでしょう。地域の将来を見据えて、当院では周産期医療体制やがん診療の強化、2021年の新病院開院などを進めています。

健康に対する不安や疑問などがありましたら、いつでも当院にご相談ください。

当院は大学病院であると同時に、地域に必要とされる医療を提供する病院でもあります。医療と優しさを提供できる病院としてますます親しんでいただくと同時に、地域の医療機関や介護施設などとの連携を強めることで、地域包括ケアを循環させるハブのような存在となるためには、職員の皆さんの力が必要です。

医療従事者が患者さんに一方的に医療を提供する時代は終わりました。

これからの医療には、医療従事者と患者さんが相談し合って目的や治療方法を共に模索する「開かれた医療」が求められます。皆さんにはこのことを強く意識していただいたうえで、日々の診療に臨んでいただきたいと思います。

また、臨床研修医の教育につきましては、情熱を持った指導医が多く在籍しています。おかげさまで2018年もフルマッチ致しました。

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  • 日本医科大学 放射線医学 教授、日本医科大学武蔵小杉病院 院長 血管内・低侵襲治療センター長

    田島 廣之 先生

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