埼玉県さいたま市北区にある大宮中央総合病院は、人工透析を中心に、救急医療から急性期、回復期、慢性期まで幅広く対応しており、地域に根付いた医療サービスを提供しています。
患者のライフステージに合わせた医療サービスを提供している同院の役割や今後ついて、理事長の四宮 敏彦先生にお話を伺いました。
当院は1954年に大宮中央病院として設立され、当初は多くの結核患者さんが入院していました。その後は1965年代に埼玉県内で初めて救急車を所有するなど診療体制を充実させ、1976年には名称を大宮中央総合病院に改めました。
現在は腎臓内科や消化器内科、整形外科など21の診療科を標榜し、許可病床数は一般病棟が161床、回復期リハビリテーション病棟と医療療養病棟がそれぞれ47床で、合わせて255床を有する病院となっています。
診療面では人工透析に強みがある病院として認知されていると思いますが、同時に地域の2次救急(入院や手術を要する重症患者への救急医療)も担っています。医師を中心に人員を増強するなどして、24時間365日救急患者さんの受け入れが可能で、2023年1月~12月の救急車の受け入れ件数は3,000件を超えました。
当院の透析センターでは、多人数用患者監視装置48台と個人用患者監視装置2台の合計50台の装置を設置して治療を行っています(2024年3月時点)。
当センターの特徴は入院透析が可能なことです。透析患者さんは透析を続けていると合併症を引き起こすこともありますが、当院は総合病院のため、入院しながらほかの病気の治療と透析を並行して受けることや外科医師による緊急手術を受けることができます。そういった点から、透析患者さんは安心して受診いただけるのではないでしょうか。
また、シャント外来を設けていることも特徴の1つで、新規シャント造設からシャントトラブルまで多くの症例に対応しています。当院ではほかの病院で断られたシャント手術もできる限り対応するなど、シャントトラブルの駆け込み寺のような役割も担っています。
より高度な医療を提供するため、2023年1月に高気圧酸素治療装置を導入しました。高気圧酸素治療装置は、大気圧より高い気圧環境で100%酸素を吸い込むことによって血液中の酸素量を増やし、酸素が足りていない状態にある組織の改善を図る治療装置です。
当院では、糖尿病性潰瘍・壊疽や突発性難聴、難治性潰瘍を伴う末梢循環障害などに使用するなど、形成外科や耳鼻咽喉科、整形外科などのさまざまな診療科で活用しています。2024年7月現在、さまざまな治療で効果が期待できることから2台体制となっております。
豊富な経験をもつ医師を常駐させ、専門性や緊急性が高い症例にも対応できる体制を整えていることも特徴です。
耳鼻咽喉科がその1つで、かぜや中耳炎、花粉症などの一般的な病気だけでなく、難病指定されている好酸球性副鼻腔炎などの専門治療を要する病気まで幅広く対応しています。また、内耳自己免疫病や難治性難聴、めまい診断治療などを専門とする医師も在籍しています。内耳自己免疫病に関してはまれな病気ではありますが、専門性が高いことから全国から患者さんが受診に訪れています。
当院ではリハビリテーション医療にも力を入れており、シームレスな医療サービスを提供しています。
回復期においては回復期リハビリテーション病棟にて、急性期治療を終えた方などのリハビリテーションを行っています。脳神経内科や整形外科、循環器を専門とする医師が在籍していることから、専門的なサポートを受けながらリハビリテーションを受けることができ、透析の患者さんも受け入れ可能です。
また、リハビリテーションセンターも備えていて、入院または外来によるリハビリテーションや介護保険を利用した通所・訪問リハビリテーションなど、利用者さんのニーズに合わせて対応しています。
医療スタッフが患者さんと接するうえで大切なのは、“常に最大の関心を持つ”ということで、ちょっとした変化にも気付くことができるように取り組んでいます。たとえば、病院内で患者さんが1人で立っているのを見かけたら、当院のスタッフ一同「いかがしましたか?」と声をかけるよう努めています。
また、私からは「患者さんを自身の家族だと思ってください」と伝えています。スタッフの皆さんにはこれからも思いやりをもって患者さんに接していただき、基本理念に掲げている患者さんとご家族の満足度向上と、癒しとやすらぎのある病院づくりに取り組んでもらいたいと思っています。
当院には、基礎をおさえたうえでの治療法を指導できる医師がそろっています。また、さまざまな症例を扱っているため、自身の専門以外のことも経験ができると思います。
患者さんのキュアだけでなくケアをできる医師を目指すことのできる環境が整っていることも特徴ですので、ぜひ当院にいらしてください。
当院は、さいたま市を中心としたエリアで2次救急を担う中核的な病院として、救急患者さんを可能な限り断ることがないように常駐の医師を増やすなど診療体制を強化してきました。今後も地域の皆さんが安心して来られる病院であり続けるために、体制の整備などに努めてまいります。
当たり前に地域の皆さんの傍らにあるような病院を目指していますので、お困りのことがありましたらお気軽にご相談ください。
大宮中央総合病院 理事長
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。