症状
ウィルソン病は、症状や障害されている臓器に応じて“肝型”“神経型”“肝・神経型”“その他”に区分されます。
また、まだ発症しておらず、症状がない時期にたまたま検査によってウィルソン病と診断された例を“発症前型”と呼びます。発症前型で症状がない場合でも治療は必要です。
肝型
肝臓の機能が低下するタイプのウィルソン病で、皮膚や白目が黄色くなる“黄疸”のほか、お腹の痛みや張り、嘔吐、体のむくみ、体のだるさ、食欲の低下などの症状が現れます。
5歳以降の患者に発症しやすい傾向があります。このタイプでは、急性肝炎、劇症肝炎、脂肪肝、肝硬変、肝細胞がんなど、さまざまな肝臓の病気への発展がみられます。
神経型
神経症状としてパーキンソン病のような症状が現れるタイプのウィルソン病です。具体的には、うまく歩けない・話せない、唾液が出る、手がふるえる、飲食物がうまく飲み込めないなどの症状が現れます。
そのほか、精神症状として意欲や集中力の低下、気分や性格が急に変わるなどがみられます。そのため、うつ病や統合失調症など、ほかの精神疾患と区別が難しい場合があります。
神経型は8歳以降の患者に発症しやすい傾向があります。
肝・神経型
前述の肝型と神経型の症状の両方がみられます。
その他
そのほかにみられる症状として、血尿や腎結石、尿タンパクなど腎臓に関する症状や、関節炎、心筋症などが挙げられます。また、黒目の周りに銅が沈着することにより、黒目の縁が緑色のように見える“カイザーフライシャーリング”と呼ばれる症状もみられます。
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