えむぽっくす(さるとう)

エムポックス(サル痘)

最終更新日:
2022年08月25日
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2022/08/25
更新しました
2017/04/25
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概要

サル痘とは、サル痘ウイルスに感染することによって、発熱、発疹(ほっしん)などさまざまな症状が現れる感染症です。サル痘ウイルスに感染している動物に咬まれたり、感染している動物の体液や発疹に触れたりすることで感染することが一般的ですが、最近の流行ではヒトからヒトへの感染が主な感染経路となっています。日本では感染症法4類感染症に指定されており、診断された場合、医療機関から保健所への届け出が必要です。

サル痘ウイルスに感染すると5〜21日程度は潜伏期間となり、自覚症状なく経過することが一般的です。潜伏期間を過ぎると、まずは発熱や頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などが数日間起こり、その後に皮膚や口腔内(こうくうない)、陰部の粘膜、結膜、角膜などに発疹が現れます。一般的には発症から2〜4週間程度で自然に治癒しますが、ごくまれに小児などを中心に命に関わることがあります。

サル痘の流行地域はアフリカ中央部・西部で、まれに流行地域からの帰国者の感染が各国でみられることがあります。また流行地域から輸入した動物をきっかけに、ヒトへの感染がみられることもあります。

2022年には、ヨーロッパやアメリカなどで海外渡航歴のない方にサル痘がみられるようになり、感染者の発疹・かさぶた・体液や血液に触れること、性的な接触(口の中、肛門(こうもん)、性器への接触を含む)、近距離での対面で感染者の飛沫に長時間さらされること、感染者の使用した寝具や器具などに触れることなどによって、ヒトからヒトへの感染が起きています。

また、日本でも2022年7月からサル痘が報告されはじめました。

種類

サル痘ウイルスには大きく“コンゴ盆地系統群(クレード1)”と“西アフリカ系統群(クレード2)”の2種類があるといわれています。この2つを比べると、コンゴ盆地系統群(クレード1)はより重症化しやすく、ヒトからヒトへ感染する確率が高いといわれています。2022年5月に、ヨーロッパやアメリカで流行が報告されているのは西アフリカ系統群(クレード2)です。

原因

サル痘は、サル痘ウイルスに感染することによって生じます。主にサル痘ウイルスを持った動物と接触したり、咬まれたり、野生動物の肉を調理したり、加熱が不十分な肉を食べたりすることでヒトに感染する可能性があります。このウイルスを持つ可能性のある具体的な動物として、流行地域に生息するネズミやリスなどのげっ歯類やサルが挙げられます。

また、サル痘はヒトからヒトへも感染します。この場合、患者の咳やくしゃみによって飛び散る飛沫を他者が吸い込むことによる感染(飛沫感染)や、他者が患者の体液・発疹に触れることによる感染(接触感染)などが考えられます。

症状

サル痘ウイルスに感染すると5〜21日間は潜伏期間となり、無症状で経過することが一般的です。潜伏期間が終わると、まずは発熱や頭痛、リンパ節の腫れ、筋肉痛などの症状が1〜5日間程度続き、その後に発疹が現れます。

発疹

サル痘の発疹はまず顔から生じ、時間の経過とともに体幹部分へと広がります。主に皮膚に生じますが、時には口の中や陰部の粘膜、結膜や角膜にも現れることがあります。

サル痘の発疹は、時間の経過とともに形状が変化することが特徴です。初期段階の発疹は平べったい状態ですが、時間の経過とともに隆起し、中に水やがたまって水疱(すいほう)膿疱(のうほう)となります。最終的にはかさぶたとなり、自然に治癒することが一般的です。

2022年現在、流行しているサル痘の症例では、“発疹が発熱などの全身症状よりも先にみられる”、“発疹が口腔、会陰部や肛門周辺に集中して現れる”、“肛門痛、排便時の痛みや下血など直腸炎の症状がみられる”など、今までに報告されてきた症状とは違う点もみられています。

合併症

サル痘は発症から2〜4週間で自然によくなることがほとんどです。しかし、時に皮膚に二次感染を起こしたり、気管支肺炎敗血症、脳炎、角膜炎などの合併症を引き起こしたりする可能性があります。

検査・診断

サル痘が疑われる場合、発疹内にたまった水や、かさぶた、血液などを採取して遺伝子検査などを行い、サル痘ウイルスに感染しているかどうかを確認します。感染が確認された場合、サル痘と診断されます。

また、サル痘の症状は水痘(すいとう)水ぼうそう)や麻疹(ましん)梅毒天然痘などさまざまな病気に似ている場合があるため、医療機関ではこれらの病気との区別を重視したうえで検査を行います。

治療

日本では、サル痘に対する具体的な治療薬は認められていません。そのため、症状に合わせた治療が検討されることが一般的です。

また、抗ウイルス薬の一部がサル痘の治療に活用できる可能性があるといわれており、現在も研究が進められています。

予防

サル痘の予防方法として、第一に流行地域へ行く際は感染者との接触を避けることが大切です。また流行地域では、リスやネズミなどのげっ歯類に触れることを避け、感染している動物に触れたり、食べたりすることも控えましょう。

ワクチン

天然痘ワクチン”には、サル痘の発症予防効果がおよそ85%あるといわれているほか、潜伏期間中に天然痘ワクチンを接種することで、感染予防効果や重症化予防効果が期待されています。ただし2022年8月現在、日本では研究目的以外では接種が行われていませんので、接種を希望する場合は渡航先での接種状況などを確認しましょう。

サル痘を疑う症状がある場合

発熱、発疹などサル痘を疑う症状がある場合、速やかに医療機関を受診しましょう。また周囲への感染を予防するために、マスクの着用など咳エチケットを行い、手洗いなどを小まめに行うようにしましょう。また、感染者の使用したリネンや衣服を触る際は、手袋などを使用して密閉できる袋に入れて運び、洗濯するようにしましょう。

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