てはくせん

手白癬

手

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概要

手白癬とは、カビ(真菌)の一種が人の手に感染する病気のひとつで、皮膚症状を引き起こします。いわゆる水虫と同じ種類のカビが、手で症状を引き起こします。たとえば、皮膚の外側の層がむけてぼろぼろになったり、湿ってジュクジュクしたりするなどの症状が現れます。

適切に治療しないと爪に入り込み感染する場合があり、これを爪水虫(爪白癬)と呼びます。人から人に感染するため、水虫が疑われた場合、同居している方なども含めて治療することが必要です。特に糖尿病の患者さんの場合、水虫をきっかけに他の細菌の感染症を引き起こすケースが多いため、しっかりと治療することが重要になります。

原因

手白癬は、白癬菌(はくせんきん)というカビ(真菌)の一種が皮膚の外側の層に感染、増殖して起こります。足白癬(水虫)の原因となるカビと同じ種類の病原体です。白癬菌は、菌に感染した人や動物、白癬菌が付着したものに手で直接触れることで感染します。

格闘技やその他スポーツで他の人と直接接触したり、白癬菌をもつ犬や猫に触れたりして感染するといったケースが多いでしょう。その他にも、足白癬(水虫)を治療していない方が、足から手にカビが付着し、感染して手白癬となることもあります。

糖尿病による手足の血行不良・感覚障害がある方の場合、皮膚症状に気づきにくく、菌に対する抵抗が弱いため水虫にかかりやすく、かつ悪化しやすい傾向があります。 家族に水虫の方がいる場合、お互いにカビを移し合ってしまうため、一人だけ治療したとしても、繰り返し水虫になってしまうことがあります。誰かが水虫と診断された場合、家族全員が診断と治療を受けることが大切です。

症状

手白癬では、指の間の皮膚が湿ってジュクジュクしたり、足の裏の皮膚の角質が厚くなってごわごわした感覚が現れたりします。さらに、小さな水ぶくれができることもあります。かゆみを感じる場合も、そうでない場合もあります。かゆみがないからといって、水虫ではないという判断はできません。

爪に白癬菌が感染した場合は爪白癬と呼ばれ、爪が部分的に白っぽくなります。手白癬を治療しないで放置し進行すると、爪の厚みが増し、ぼろぼろになっていきます。

検査・診断

水虫の可能性がある場合は顕微鏡検査を行います。皮膚の表面の角質細胞がはがれ落ちた部分(鱗屑(りんせつ))をピンセットで採取し、水酸化カリウム(KOH)という液体で溶かして顕微鏡で観察します。

この検査で白癬菌を確認できれば水虫が診断できます。多くの場合は顕微鏡検査で、似た症状を起こす他のカビの感染症(カンジダ、癜風など)と区別できます。しかし、患者さんが自己判断で市販の水虫の薬をすでに塗っている場合は、検査で診断がつきにくくなることがあります。爪水虫の場合は爪を一部切って同様の検査を行います。

その他、白癬菌の詳しい種類を特定する場合は、真菌の培養検査、遺伝子検査を行うこともあります。

治療

手白癬は、基本的にカビの増殖を抑える薬(抗真菌薬)で治療しますが、爪症状の有無と体の部位によって塗り薬と内服薬を使い分けます。

皮膚の症状のみ(爪の水虫がない)の場合

水虫が爪に入り込んでいない場合は、皮膚症状のある部位に抗真菌薬を塗って治療します。通常は数週間程度かかりますが、症状によっては、それよりも長くかかる場合もあります。

治療して皮膚の皮むけが改善されると治療をやめてしまう方がいます。見た目がよくなった段階でも、カビそのものは皮膚に残っているため、その後も継続して薬を塗る必要があります。必要に応じて追加の顕微鏡検査を行い、治療効果を判定します。カビによっては、初めに処方された抗真菌薬に抵抗する(耐性菌)ことがあるので、その場合は別の種類の抗真菌薬に変更する必要があります。

爪白癬(爪水虫)の場合

水虫が爪に入り込んでいる場合は、抗真菌薬を内服します。薬の種類によって内服の期間が異なりますが、3か月から6か月継続する必要があるといわれています。必要に応じて血液検査で副作用の有無を確認しながら治療します。内臓の病気などの事情で内服できない場合は効果は劣りますが、外用剤を塗って治療します。