夏や急に暑くなってきた季節に子どもが体調を崩し、熱中症のような症状を訴えることがあります。熱中症の症状にはどのようなものがあり、熱中症と診断されるのはどのような症状のときなのでしょうか。熱中症の症状について、引き続き東京都立小児総合医療センターの萩原佑亮(はぎわら ゆうすけ)先生に解説していただきます。
子どもの熱中症は、保護者や大人が周りにいるため、早期の段階で発見されるので重症化することは多くはありません。ですが、万が一、熱中症が重症化してしまうと生命に危険がおよぶ可能性も出てくるので注意が必要です。熱中症の代表的なサインは次の通りです。
また腹痛や下痢の症状が出ることもあります。
さらに重度の熱中症の場合は、下記のように誰がみても明らかな異常を示します。
特に炎天下で遊んだときなどは周囲が子どもの様子に変化がないかを確認し、異常があればなるべく早期に対処することを心がけましょう。熱中症は対策が何より大切です。しかし、いくら対策をしても熱中症にかかるときはかかってしまいます。万が一、熱中症になってしまった場合、保護者の方・大人がなるべく早期に気づいてあげることが重要なのです。
子どもはボキャブラリーが不足しているので、体調が悪いことや、のどが渇いたなどということを的確に訴えることができません。たとえば「吐き気がする」ときに「お腹が痛い」と訴えたりします。保護者の方は子どもをよくみておくことが重要になります。
熱中症の重症分類はわかりやすいように下記の3つにわけて考えることがあります。
めまい、大量の発汗、失神、筋肉痛、こむら返り(ふくらはぎの筋痙攣、一般的には足がつるといわれる)
頭痛、嘔吐、倦怠感(けんたいかん:からだがだるい)など
意識がない、痙攣など
しかし、この分類はあくまでもわかりやすく理解するための分類で、明確に3つに分かれるわけではありません。つまり、この分類にこだわる必要はないのです。
熱中症の初期症状としては次のものがあります。
子どもが頭痛になると、「頭が痛い」や「ガンガンする」「ズキズキする」「ドクドクしている」などと訴えケースが多いです。まだ幼く、自分の症状をうまく伝えられない子どもの場合、泣き出してしまうこともあります
子どもに吐き気があると、「気持ち悪い」「おなかが痛い」と訴えるケースが多いです。また、実際に吐いてしまうこともあります。
体に熱がこもると、体がほてったり、発熱や体温が高くなったりすることがあります。また、大量に汗をかくことがあります。
熱中症にかかると倦怠感が生じるので、子どもも普段と比べると元気がなくなり、しんどそうにします。また、ぐったりとすることもあります。
その他、
などの症状が現れることがあります。
重度の熱中症の場合、「意識がない」「からだが痙攣している」と一目みておかしいとわかります。こうした症状が見られた場合、急いで医療機関へ行くことをおすすめします。
重症化すると怖い熱中症ですが、実は子どもの熱中症で重症化するケースはほとんどありません。記事1でご説明したとおり、子どもは体質上、熱中症になりやすく、高温の環境にいるときには重症化もしやすいといわれていますが、保護者や大人が子どもを見守っているので早期の段階で発見されることが多く、重症化することが少ないのです。
しかし、子どもは運動に集中していると水分補給を適切にできないことがあり、その結果、重度の熱中症になってしまうケースもあります。そうならないためにも、保護者の方・大人の注意が必要といえるでしょう。
など、特別なケースです。こういうケースでは、重症化しやすく命の危険もあります。
熱中症は熱を体内に溜め込んでしまうことが原因なので、夏に多くみられます。しかし、夏にしか熱中症にかからないわけではありません。
たとえば季節外れにもかかわらず、急に暑くなった場合です。この場合、からだが急な暑さに慣れず、熱中症になってしまうのです。これには、子どもが熱中症になりやすい理由の一つである、暑さにからだが順応することに時間がかかることと関係している部分もあります。
子どもの重症熱中症の頻度はとても少ないです。
というのも、子どもは常に保護者や周りの大人たちに見守られており、熱中症の症状が早期の段階で見つかり、治療できるからです。むしろ、熱中症で重症化する可能性は独居の高齢者のほうが高いといわれています。
子どもの熱中症については、過度な重症化の心配は必要ないと言えるでしょう。また、子どもの熱中症は自宅でも治療し、治癒することが可能です。記事3『子どもの熱中症-自宅でできる処置・対処法とは?』では家庭で行える熱中症の治療を解説いたします。
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2年前の夏に熱中症にかかりました。 数ヶ月くらいだるさがあったのですが治りました。 しかし、それから暑い場所に行くとフラフラしたり、気持ち悪くなったりする事が増えました。 熱中症の後遺症というのはあるのでしょうか?
熱中症、自律神経
8/17日頃食事もとらず、睡眠不足で、最高気温35度の中、日中暑い場所で長時間過ごし、水分も1口ほどしか取らず、夜頃目的地に向かい、涼しい場所に移動しようとした所、その場所が閉鎖されていたことを確認した瞬間、体が内から湧き出るように赤くなり、灼熱感に見舞われ熱中症で倒れてしまい、救急車を呼ぶか迷ったが、コンビニで氷と経口補水液、水、パンなどを買い、近くのトイレで氷を頭からかぶり、水分をとって、全身を1時間ほど冷やし続けた。なんとか意識を戻して家に帰り体を冷やしながら寝たが、部屋が暑かったため、朝起きた瞬間同じ症状に見舞われ、全身が赤くなり内から湧き出るような熱を感じた。外が暑くて外出出来なかったため朝頃病院へ行くと熱中症と診断され冷たい点滴を2500ml打った。次の日からも体の内部から赤いものが出て、それが20日程続いており、熱が下がらない状態。体温は脇から測るので、発症日から37℃程しか熱はなかったが、内部温度は非常に高い状態だった。その後も体調調節が効かず、部屋の温度が1℃上がるだけでも体が真っ赤になってしまったりする。体の深部温度を下げるためには冷たい点滴を打つしかないのでしょうか。サーモグラフィーを使って体の内部の温度を調べたり、改善に向かうしっかりとした治療を望んでいるのですがどうしたら良いのでしょうか。
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