肋間神経痛とは、肋骨周辺に張り巡らされた“肋間神経”が刺激を受け、胸に痛みが生じることをいいます。肋間神経痛には“続発性肋間神経痛”と“原発性肋間神経痛”があり、それぞれで対処方法が異なります。
本記事では、肋間神経痛を疑う症状が現れたときの対処方法について詳しく解説します。
肋間神経痛の治療法は原因によって異なります。
損傷・圧迫・感染などによって肋間神経に生じている、原因が明らかな肋間神経痛を“続発性肋間神経痛”といいます。
肋骨の骨折や開胸手術などが原因で肋間神経が損傷したことによって生じる肋間神経痛では、プレガバリンやガバペンチンなどの抗てんかん薬を内服することによって症状の緩和が期待できます。
また、変形性脊椎症や胸椎椎間板ヘルニアなど脊椎の病気により肋間神経が圧迫されている場合の肋間神経痛では、抗てんかん薬や抗うつ薬などによる薬物治療や、リハビリテーションなどの運動療法が検討されます。
さらに、帯状疱疹によって肋間神経に感染が生じている場合の肋間神経痛では、抗ウイルス薬の投与や痛みを抑えるための薬物治療や神経ブロックなどが検討されます。また、帯状疱疹による肋間神経痛を予防するには、ワクチン接種が有効です。特に50歳以上の方は、帯状疱疹による皮膚症状が治まった後も痛みが続く“帯状疱疹後神経痛”にかかるリスクが高くなります。そのため、ワクチン接種を行い、免疫を高めることで予防しましょう。
原因が明らかではない肋間神経痛を“原発性肋間神経痛”といいます。
原発性肋間神経痛や、上で述べた治療を行っても改善がみられない続発性肋間神経痛では、対症療法として神経ブロック治療が検討されます。神経ブロック治療とは、痛みの原因となる神経に局所麻酔薬を注射することによって痛みを和らげる治療方法です。ステロイドを使用することもありますが、多用するとさまざまな弊害を引き起こすため、症状の強い時期のみ使用し、常用はしません。
特に原発性肋骨神経痛の場合、できる限り初期からこの治療を行うことによって、痛みを和らげることが期待できます。一方で、続発性肋骨神経痛では、効果を示さない傾向があります。
神経の損傷・圧迫などによる続発性肋間神経痛は、上半身を動かしたり、ねじったりすることによって痛みが強くなることがありますが、適度に体を動かすことにより痛みが和らぐ場合もあります。そのため、体調が極端に悪いときを除いては、医師や理学療法士の指導の下、適度な運動を取り入れることを心がけましょう。
原発性肋間神経痛の場合には、痛みが慢性化すると痛みへの過剰な不安が神経系に刺激をもたらし、さらに痛みを増強させてしまう恐れもあります。そのため、痛みの発作が続けて起きるときは、治療によって痛みをなるべく早く抑えることを意識しましょう。また、発作が落ち着いているときは、痛みを恐れ過ぎないよう心がけ、痛みの原因となるようなストレスを避けながら、通常どおりの生活を送るように心がけることが大切です。
肋間神経痛は、市販薬の鎮痛剤を服用しても効果がないことが一般的です。ただし、原発性肋間神経痛と思っていたものが筋けいれんによる痛みであることがあり、その場合は消炎鎮痛剤を服用することによって痛みが和らぐ可能性もあります。
肋間神経痛の場合には、原因に応じた治療をしないと改善がみられない場合もあるため、市販薬で様子を見るのではなく、病院の受診を検討するようにしましょう。
肋間神経痛は原因が分からないものもあり、一度症状が和らいでも再発する可能性があります。そのため、治療後も胸や背骨などに負担のかかりにくい姿勢をするように心がけるほか、原発性肋間神経痛の原因の1つと考えられるストレスを軽減するよう心がけましょう。ウォーキングなどの軽い運動は脊椎を支える筋肉などの老化を防ぎ、肋間神経痛の原因となる脊椎の病気を予防できるほか、ストレス解消にもつながるため効果的といえるでしょう。
肋間神経痛は原因によって治療方法が異なります。また、中には肋間神経痛と思っていた胸の痛みが気胸、狭心症、肋骨の骨折などの別の病気によるものである可能性もあります。そのため、気になる症状があった場合に自分判断で対処するのではなく、病院を受診することが大切です。病院では検査によって痛みの原因を探り、原因に合わせて適切な治療が行われます。
横浜市立大学附属市民総合医療センター ペインクリニック 診療教授
関連の医療相談が53件あります
原因不明の痛みが続いています
長年、背中と腰の間(左右)、胸(肺の下あたり)が筋肉痛のような痛みが続いています。処方された薬では全く治まらず、年々痛みの箇所が広がっている感じがします。レントゲン、MRIでは以上なしと言われますが、痛みがひどく、起き上がったり、立ち上がる際に激しい痛みがあります。
肋骨、脇腹の痛み
2ヶ月程前にサーフィンをしている時に肋骨、脇腹を痛めました。1週間くらいは重いものを持てず、咳やくしゃみでも痛みが出ていたため、整形外科を受診しレントゲンを撮りました。骨には異常はなく痛み止めと湿布を2週間分処方して頂きました。多少痛みは引きましたがそれでもまだ手でおさえた時の痛みや寝返り時の痛みも続いたため、ペインクリニックで再度診察して頂き、ヒビが入っていないかなどの検査もして頂き特に異常はなく、痛み止めと湿布を再度処方してもらいすべて使い切りました。 2ヶ月たった今でも、当時よりかは痛みは引きましたが手で軽く抑えると鈍痛のようなものがあります。このまま経過観察なのか再度医療期間へ行った方がいいのかわからず相談させて頂きました。
膝、肘、肩、鎖骨、指リンパ?血管の痛み
症状は高校生くらいの時からです。 週に1〜3回必ずきます、 朝から痛い時と途中から痛くなる時があります。 リンパなのか血管なのか 腱鞘炎のような激痛が走ります。 箇所はリンパのところがからジーンと痛いです。 痛くてじっとしてられないのでついマッサージや触って押してしまいます。 ひどい時は仕事に支障をきたしてしまうので、 痛み止めを飲んでしまいます。 特に腫れたりしこりがあったりしてる訳ではないのですが、激痛です。 必ず左右どちらかにくるのですが、 左だと左半身が痛い、 右は右という必ず片方どちらかにきます、 腫れてもないので特に以上はないのでしょうか? リンパなのでしょうか?
背中の疼痛
右側肩甲骨と背骨の間から胸の方にかけてズキンと痛みがあります。 毎日ではありませんが、不定期で痛みます。 我慢できない程ではないので放っておくと2〜3日で治まります。 治まるので放っておいてましたが、何度も再発するので心配になってきました。 受診した方がいいでしょうか? 何科に行けばいいでしょうか?
※医療相談は、月額432円(消費税込)で提供しております。有料会員登録で月に何度でも相談可能です。
「肋間神経痛」を登録すると、新着の情報をお知らせします
「受診について相談する」とは?
まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。