NASHの診断には肝生検が必須です。日本人の成人の3~4%がNASHにかかっていると考えられますが、まだ広く周知されていない病気のため、疑いのある人は早急に診断・治療することが必要です。ここでは大阪府済生会吹田病院総長の岡上武先生にその検査・診断方法についてお伺いしました。
肝臓は沈黙の臓器ともいわれており、脂肪が少々たまった程度では自覚症状はほぼありません。肥満の人で、「体がだるい」「なにをするにも意欲がわかない」といったときは、病気を疑うべきでしょう。単純な脂肪肝ではなくNASHを疑う血液肝機能検査の所見としては、炎症の程度についてはALT(GPT)、AST(GOT)や、高感度CRPという検査によって、線維化の程度についてはヒアルロン酸、Ⅳ型コラーゲン(7s)、血小板の値である程度は推察できます。
ここで注意しなければならないのは、ALTの数値が下がったからといってそれは肝障害の改善を意味しないということです。その場合同時に血小板の数も下がっていれば線維化が進展していて肝機能が悪化していると考えられます。こうしたNASHの特徴は専門医でないとなかなか判断できないため、専門医にかかることが大切です。
NASHは比較的最近知られるようになった病気のため、NASHに詳しい肝臓専門医や病理医は残念ながらまだ少ないのが実状です。2015年には日本肝臓学会からNASHの診療ガイドが出されており、今後周知が進んでいくものと思われます。
診断には腹部超音波検査も有効です。その際、「ファイブロスキャン」という機械で肝臓の線維化の程度も調べます。当院では、希望者にはNASHやNASH肝癌になりやすい体質か否かを血液を用いて遺伝子検査も無料で行っています。
正確な診断のためには、肝臓の細胞を取って病理検査を行う肝生検が欠かせません。単純な脂肪肝ではないかどうかの区別だけでなく、脂肪や炎症の程度、線維化の進行具合(肝硬変にどれほど近づいてるか)がわかります。NAFLDを4つのタイプに分類し、タイプ1、2がNAFL(単純な脂肪肝)、タイプ3、4がNASHです。タイプ1,2からは肝硬変や肝がんになる可能性は低いのですが、タイプ3、4からは肝硬変に進む可能性が高く、肝硬変に進むとしばしば脂肪がなくなるためNASHの診断が困難になります。タイプ4は炎症や線維化があり、肝硬変や肝がんへの進展の危険性が高く、きちんとした治療が必要です、
肝生検で脂肪肝の疑いがある人は成人の30~35%程度です。その中でアルコール性脂肪肝を除く70~80%がNAFLDで、このうち20%程度がNASHと考えられています。日本人成人の3~4%はNASHだと考えられます。つまり、潜在的なNASH患者は多く、早急な治療が必要であるにもかかわらず自覚の無いまま生活を送っているケースがかなり多いと考えられます。
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