原因
鼓膜穿孔の主な原因は、中耳炎などによる鼓膜の炎症と耳かきなどによる鼓膜の外傷の二つのパターンがあります。それぞれの詳細は以下の通りです。
1.中耳炎などの炎症によるもの
中耳とは鼓膜の奥の空間のことで、鼓膜から内耳の蝸牛に伝える“耳小骨”や中耳の圧を調節する“耳管”などが存在します。耳管は中耳から鼻の奥の咽頭につながっており、外気との圧調整や滲出液の排出を行っています。本来、中耳には細菌やウイルスなどは存在しませんが、“耳管”を通じて鼻咽腔の細菌やウイルスが侵入すると、中耳内に炎症を引き起こし、急性中耳炎が起こります。悪化すると鼓膜に強い炎症が現れ、膿が溜まり自然に穴があいてしまうことがあります。
また、中耳炎は十分な治療を行わないと炎症が慢性化して“滲出性中耳炎”や“慢性中耳炎”に進行することも多いので注意が必要です。
2.外傷によるもの
鼓膜穿孔は外的な衝撃によって発症することもあります。具体的には、綿棒や耳かきなどによる直接な鼓膜への外力、爆発や平手打ちなどによって引き起こされる鼓膜への瞬時的な空気圧の暴露、頭蓋骨骨折を伴うような頭部外傷、飛行機の搭乗やダイビングなどによる圧力の急激な変化などが挙げられます。
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