症状
鼓膜穿孔による症状は炎症によるものか、外傷によるものかによって大きく異なります。
中耳炎などによる炎症が原因となって引き起こされるものは、耳の痛みや音の聞こえにくさのほか、膿が混ざったような耳垂れ、発熱などの症状が見られます。しかし、滲出性中耳炎や慢性中耳炎など炎症が慢性化した中耳炎によって引き起こされる鼓膜穿孔は、痛みを感じることは少ないでしょう。また、長引く中耳の炎症が内耳にまで波及しているケースでは、目が回るようなめまいや吐き気などが現れることが少なくありません。
一方、外傷による鼓膜穿孔は、原因となる外的衝撃が加わった時点から非常に強い耳の痛みを感じることが多く、ほかにも耳からの出血、音の聞こえにくさ、耳鳴りなどが生じることがあります。また、綿棒などが鼓膜に刺さって穴があいたようなケースでは、耳小骨や蝸牛などにダメージが加わることも珍しくなく、重度な難聴やめまい・耳鳴りなどが現れ、近くを走行する顔面神経を傷つけた場合には、顔面神経麻痺を引き起こすこともあります。
また、原因によらず鼓膜穿孔を放置すると、外耳から中耳や内耳に異物や細菌、ウイルスなどの病原体が侵入して炎症を引き起こすことがあります。
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