のぼせ:医師が考える原因と対処法|症状辞典
急ぎの受診、状況によっては救急車が必要です。
どうしても受診できない場合でも、翌朝には受診しましょう。
翌日〜近日中の受診を検討しましょう。
気になる・困っている場合には受診を検討しましょう。
顔や頭が異常に熱くなる感覚をのぼせといいます。のぼせた状態は、緊張したときや熱があるときにも感じられることがありますが、原因によっては受診が必要な場合もあります。
このような症状がある場合、考えられる原因にはどのようなものがあるでしょうか。
のぼせの中には、病気が原因で起こるものもあります。
突然のぼせを感じたような場合、考えられる病気には以下のようなものがあります。
咳や鼻水、頭痛、発熱などの症状とともにのぼせを感じる場合には、いわゆる「風邪」などの感染症が原因の可能性があります。ウイルスや細菌が原因で起こる感染症にはさまざまな種類があり、中には重症化するものもあるため、症状が強いときには「風邪」と思い込まず、早めに受診するようにしましょう。
夏の暑い日に屋外で長時間作業をした場合や、室内でもクーラーがない環境では熱中症となる可能性があります。とくに子供やお年寄りは短時間で熱中症を発症することがあるため、周囲の人が気を配るようにしましょう。のぼせ・ほてり感のほか、めまい、頭痛、喉の渇き、重症では意識がおかしいなどの症状が現れることもあります。
のぼせが繰り返して起こるような場合、考えられる病気には以下のようなものがあります。
女性の閉経前後の期間にみられる症状で、主に女性ホルモンの減少によって自律神経の働きが乱れることが原因です。いらいらする、動悸、めまい、肩こり、生理不順などの不快な症状とともに、顔が突然のぼせたりほてったように感じられる「ホットフラッシュ」という特徴的な症状が現れます。
疲労や精神的ストレスや原因で自律神経の乱れが生じ、それによって現れる症状には個人差が大きく見られます。倦怠感や頭痛、めまい、不眠、手足のしびれ、動悸などとともに、のぼせ・ほてり感が現れることもあるといわれています。
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される病気で、慢性的なのぼせのほか、全身の症状が現れることがあります。やたらと汗をかく、手の振るえ、動悸、疲れやすさ、体重減少、首まわりの腫れなどがよくある症状です。
もともと高血圧を指摘されている方で、何らかの原因でさらに急な血圧の上昇を招いた場合、のぼせ感として現れることがあります。血圧が急上昇することによる他の症状には、頭痛、めまい、目の見えにくさなどがあります。
真性多血症とは、赤血球が多くなり血液量が増えた状態です。成分が多くなることで血液の粘り気が強くなり、細い血管を通りにくくなるため脳梗塞などのリスクが高くなります。多くは原因不明ですが、遺伝子異常が指摘されています。症状は、のぼせのほか頭痛、めまい、ふらつきを自覚することがあります。
今まで起こったことがないのに突然のぼせを感じた場合や、発熱や気分が悪いなどの他の症状を伴う場合、また時間が経っても改善が見られない場合には、早めに受診しましょう。特に熱中症になるような心当たりがある場合には注意が必要です。
また、のぼせ感が続きよくならない場合や、そのほかの症状がある場合には一度受診しましょう。原因によって専門科目は異なりますが、まずはかかりやすい近くの内科やかかりつけなどで相談するとよいでしょう。
受診の際には、いつから、どのような時にのぼせ感が起こるのか、そのほかの症状はあるか、治療中の病気や飲んでいる薬があるかなどを伝えましょう。
暑い日の作業は体温の上昇によるのぼせ感の原因となり、また熱中症の原因となることもあります。また、冬場に急に寒い屋外に出る場合には急激な血圧上昇を伴うことがありますので、注意が必要です。
作業を始める前に十分な水分をとり、作業中もこまめに水分をとるようにしましょう。日差しをさえぎって休める場所を確保し、定期的に休憩することも必要です。あまりに気温が高い日には、日中を避けて活動することも方法のひとつです。
長時間の入浴やお湯の温度が高すぎるなどの原因でのぼせることがあります。
入浴前に水分をとり、長時間の入浴は控えましょう。また、冬場の熱いお風呂などは急激な血圧変動の原因となりますので、お湯の温度は適度にし体に負担がかからないようにしましょう。
緊張やストレスからのぼせなどの症状を感じることがあります。しかし、ふつうはごく一時的なことがほとんどです。
どうしても緊張が避けられない場面のときには、ゆっくりと深呼吸することで副交感神経が刺激され、緊張を和らげる効果が得られるといわれています。
環境を変えることが可能であれば、緊張を感じる場面から離れ気分転換してみるのもよいでしょう。
日常生活でできる対処法を試しても症状がよくならない場合には、一度病院で相談してみましょう。