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インタビュー

公開日 : 2015 年 09 月 02 日
更新日 : 2017 年 05 月 08 日

アルコール性肝障害はアルコールが原因で起こる様々な疾病の総称です。具体的には、アルコール性肝炎、アルコール性脂肪肝、アルコール性肝硬変などがあります。これらの病気はどのような症状をあらわすのでしょうか? アルコール性肝障害の代表的な病気の症状について、山王メディカルセンター内科部長の堀江義則先生にお話をお聞きしました。

①アルコール性脂肪肝(AFL)の症状

脂肪肝は、肝臓に脂肪が異常なほど(肝細胞の30%以上)蓄積されてしまっている状態のことを指します。ヒトの肝臓がフォアグラのような状態になっていると考えればわかりやすいでしょう。脂肪肝は可逆的(原因を除外すれば元に戻ること)な病態のため、「様々な疾病の前駆状態」に分類されます。そのため、飲酒をやめれば脂肪肝は元に戻ります。しかし、脂肪肝を放っておくとその後で肝線維症(全体の30~40%)やアルコール性肝炎(全体の10~20%)に進行し、やがて肝硬変や肝がんなどの重い病気を引き起こすリスクがぐっと高くなります。

原因は主に暴飲暴食などによるエネルギー・糖分・脂肪・アルコールの過剰摂取で、生活習慣病のひとつとも言われています。一方、過激なダイエットが原因となる場合もあります。
アルコール性脂肪肝は症状がほとんどないため、健康診断などで初めて気づいたという方もいます。また、肥満気味の方や糖尿病を患っている方は特に脂肪肝になりやすいので注意が必要です。

②アルコール性肝炎(AH)の症状

飲酒が原因となって起こるアルコール性肝炎を「AH(alcoholic hepatitis)」と呼びます。
アルコール性肝炎は、アルコールの過剰摂取によって肝臓が炎症を起こしている状態で、肝細胞の急速な腫大(腫れあがって大きくなること)と壊死・肝細胞の線維化による肝機能障害を引き起こし、肝線維症から肝硬変の前段階ともなりうる病気です。脂肪肝になっている方がそれでも大量飲酒を続けると、約10~20%の方がアルコール性肝炎を引き起こすと言われています。

アルコール性肝炎の症状は、多くの場合食欲不振・倦怠感・発熱などが見られます。また、右上腹部の鈍痛や黄疸などもあらわれることがあります。悪化すると腹水(腹腔内に水がたまること)やむくみも出てきます。また、アルコール性肝炎の方に血液検査を行うと白血球・AST・ALT・ALP・γ-GTPの増加、貧血、血小板・アルブミンの減少などが発覚します。他の肝炎にも(B型肝炎など)同じような症状があり、同じような検査結果があらわれますが、飲酒歴がはっきりしており、飲酒をやめることで検査値が改善すればアルコール性肝炎と診断できます。

また、「重症アルコール性肝炎」というアルコール性肝炎の重症型もあります。これはたとえ禁酒をしても100日以内の生存率が約50%という非常に重い病気です。

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