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インタビュー

災害時の食物アレルギーの子どもへの公共的な配慮―災害時における子供へのアレルギー疾患対応 その6

災害時の食物アレルギーの子どもへの公共的な配慮―災害時における子供へのアレルギー疾患対応 その6
藤澤 隆夫 先生

国立病院機構三重病院 院長

藤澤 隆夫 先生

日本小児アレルギー学会

日本小児アレルギー学会

食物アレルギーを持つ就学前の幼い子どもは全体の約5%なので、災害時の避難所にも必ずいるはずです。食物アレルギーは、原因となる食物を食べると様々な症状を起こすアレルギーの病気で、まれにショック状態となり命が危険になることもあります。しかし、災害時ゆえに保護者が遠慮したり、周囲の無理解に苦労したりする声も聞かれます。だからこそ、行政・管理者が積極的に食物アレルギーを把握し、周囲にも理解と配慮を呼びかけることが大切です。そこで今回は、災害時において食物アレルギーの子どもに配慮すべき点を、主に行政的な側面から説明していきます。

※本記事は、国立病院機構三重病院院長・日本小児アレルギー学会理事長の藤澤隆夫先生、日本小児アレルギー学会にご監修いただいております。

時に深刻な症状まで起こすことがある食物アレルギーの患者さんは、たとえ貴重な支援食でも、アレルギー原因となる食物は食べられません。しかし、周囲の方々による食物アレルギーの理解が乏しいと、心ない言葉を浴びせられることがあるので、アレルギーがあることを言い出せない患者さんやご家族もいます。行政・管理者の方々は、その様な状況にならないよう体制を整え、食物アレルギーについて周知を行うようご協力ください。配給や炊き出しの際にも、「食物アレルギー患者さんはいませんか?」「アレルギーで食べられないものを教えてください」と必ず一声お願いします。

食物アレルギーの幼い子どもは自分が食べられない食物を把握していないので、周囲やボランティアの方々が食物アレルギーを確認せずお菓子をあげないよう注意喚起しましょう。一目で食べられないものがわかるよう「食物アレルギーサインプレート」を子供につけることも有効な予防策の一つです。また、加工食品の表示で“鶏卵・乳・小麦・ピーナッツ(落花生)・ソバ・エビ・カニ”はごく少量でも必ず表示されますが、それら以外は少量だと表示されない可能性があります。患者さんや保護者からの食品表示に関する問い合わせには、正確な情報を提供できるようご協力ください。

多品目のアレルギーを持つ患者さんには、優先的に食べられるものを選ばせてください。支援物資のなかに“アレルギー対応食”や“アレルギー用ミルク”がある場合は、一般向けに配らず食物アレルギーの子ども優先で配布してください。食物アレルギーで多いのは“鶏卵・牛乳・小麦”なので、可能ならば炊き出しでそれらの食材を使用しない工夫を行えるとよいです。調理できる状況にある食物アレルギーの子どもの保護者に対しては、個別調理を認め、患者分の食材を分けてあげてください。

食物アレルギー症状の多くは、原因食物を食べてから“直後~30分以内”“にあらわれます。その症状と適切な対応は以下の通りです。

 

【軽症】…部分的なじんましん・かゆみ・弱い腹痛・吐き気・弱い咳・鼻水

【軽症への対応】…症状はすぐに改善することがほとんどですが、進行がないか経過を注意深く観察し、抗ヒスタミン薬があれば内服させてください。

 

【中等症】…全身のじんましん・強いかゆみ・明らかな腹痛・嘔吐・強い咳・元気がなくなる

【中等症への対応】…速やかに医療機関を受診できるよう手配をお願いします。

 

【重症・ショック】…全身のじんましん・強いかゆみ・強い腹痛・繰り返す嘔吐・下痢・ぜん鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)・ぐったり・意識低下・意識消失・失禁など

【重症・ショックへの対応】…大至急、医療機関を受診させてください。可能ならば救急車の手配をお願いします。患者に処方されているエピペン(一時的に症状の進行を緩和しショックを防ぐための補助治療剤)があれば速やかに注射してください。

※本記事は、日本小児アレルギー学会による『災害時のこどものアレルギー疾患対応パンフレット(pdf)』をもとにしています。

参考:ファイザー株式会社「エピペン」ウェブサイト

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