インタビュー

水虫の検査-よく似た他疾患との鑑別が重要

水虫の検査-よく似た他疾患との鑑別が重要
佐藤 友隆 先生

帝京大学ちば総合医療センター 皮膚科 教授、慶應義塾大学 非常勤講師

佐藤 友隆 先生

白癬、いわゆる水虫は白癬菌という真菌が原因です。水虫だと思って病院を受診する患者さんのうち、実は水虫以外の病気だったという方が3割程度いるといいます。水虫の検査や診断はどのように行なわれるのでしょうか。北里大学北里研究所病院皮膚科部長の佐藤友隆先生にお話をうかがいました。

「自分は水虫かもしれない」「水虫は何科にかかればいいの?」と悩んでいる方はぜひ皮膚科専門医を受診するようにしましょう。内服薬で治すなら内科なのでは?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、内科では次にご説明する詳しい検査ができない場合があります。

 

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鱗屑(りんせつ・皮膚の表面の角質細胞が細かくはがれ落ちたもの)をピンセットで採取し、KOH(苛性カリ)という液体で溶かして顕微鏡で観察します。この検査によって白癬とカンジダ、癜風(でんぷう)の3つは明確に区別がつきます。皮膚科医であれば、この段階で治療にどの抗真菌薬を用いるかを選択します。

直接鏡検法で見た白癬菌

菌を培地(ばいち)で培養して菌を同定する検査です。水虫の原因である白癬菌の9割はこのTrichophyton rubrum(トリコフィトン・ルブルム)で、赤い色が出るのが特徴です。

シャーレで4週間培養

スライド培養したトリコフィトン・ルブルムの分生子

寒天の上で培養するスライド培養では、分生子(ぶんせいし)というものを観察し、その形からトリコフィトン・ルブルムという菌であることが同定できます。

現在は顕微鏡検査、培養に加えて遺伝子検査による確認も行なっています。特に爪白癬ではどうしても培養陽性率が低くなるため、菌種の同定が必要な時には遺伝子検査が有用です。

水虫(足白癬)と間違えやすい皮膚疾患には次のようなものがあります。

これらを正しく診断するためにも顕微鏡検査(鏡検)が重要です。また、さらに専門的な検査では、見た目には同じに見える菌でも本当に同じものなのかどうかということを遺伝子的に確認できるようになってきています。

 

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