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インタビュー

がん対策情報センターが担う希少がんの取り組み

がん対策情報センターが担う希少がんの取り組み
東 尚弘 先生

国立がん研究センターがん対策情報センターがん臨床情報部部長

東 尚弘 先生

希少がんとは、患者数が少なくまれながんのことをいいます。患者数が多い肺がん胃がんなどの治療に比べ、希少がんの研究・治療が遅れていることが現在指摘されています。そこで、平成27年12月に策定された「がん対策加速化プラン」のなかで、希少がんへの取り組みの強化が定められました。本記事では、国立がん研究センターのがん対策情報センターが担う希少がんへの取り組みについて、国立がん研究センター がん対策情報センター がん臨床情報部 部長 東尚弘先生にお話しいただきました。

 

平成27年12月に策定された「がん対策加速化プラン」の内容のなかに、希少がんに対する取り組みの強化が盛り込まれています。

(参考:国立研究開発法人国立がん研究センター理事長 堀田知光先生記事「がん対策加速化プランとは-短期集中的に取り組む3本の柱」

そのために具体的検討の場として「希少がん対策ワーキンググループ」の設置を行い、このグループで希少がんに対する今後の診療体制を考えます。がん対策情報センターはそのワーキンググループの事務局の役割を担います。それぞれの希少がんに携わるさまざまな施設、診療科の医師に呼びかけを行います。疾患によっては、複数の診療科が診療しているものもあるため、その疾患に関わる医師に呼びかけ、今後の診療のあり方などを話し合う場にしようと考えています。

はじめに四肢の軟部肉腫から行うことが決定しています。四肢の軟部腫瘍はその多くを整形外科が診ていますが、施設によっては形成外科・皮膚科・小児科・腫瘍内科などが診ている場合もあります。ですから、さまざまな診療科から医師に集まっていただき、話し合っていただきたいと考えています。このような話し合いの場を設けることで、現在の四肢の軟部腫瘍の診療の現状を知ることができます。そしてそこから今後の診療のあり方を検討することができるのです。

 

現在、四肢の軟部腫瘍に関してがん登録などを解析して、わかっていることは、施設の集約化がされていないということです。軟部腫瘍の患者さんを年間10例以下しか診ていない施設が約200施設存在します。集約化するメリットとしては、ひとつの施設がその疾患を多く診ることで知見(ナレッジ)が蓄積し、その疾患に関する研究・治療の進歩につながります。一方集約化することで、その施設から離れたところに住んでいる患者さんが通いづらい、各地の施設に患者さんがいなくなるため、医師の教育が行えないというデメリットもあります。ですから集約化を行うべきか否か、果たして集約化によって生存率がよくなるのかということも慎重に議論される必要があります。

少しずつではありますが、希少がんの患者さんを助けるために国立がん研究センターを窓口として、希少がんに対する取り組みの強化を行っています。四肢の軟部腫瘍からはじまり、今後徐々に他の希少がんに関しても広がっていくと考えています。

(参考:「希少がん対策ワーキンググループ 検討会」