鼻水が出ることは、体が外敵から自分を守ろうとする正常な防御機能です。そのため多くの鼻水は治療の必要がありませんが、なかには原因を治療しなければ症状が治まらない場合もあります。かたおか小児科クリニック院長の片岡正先生にお話をうかがいます。
分泌物を流し出し、外敵を排除するのです。この外敵を排除するために分泌されるものが鼻水です。また、鼻づまりも、空気に乗ってやってくる外敵を体内に侵入させないように、鼻の粘膜が膨張するために起こります。子どもの場合、大人に比べて鼻の断面積が狭いため、少し粘膜が膨張しただけで全体がつまった状態になり、鼻づまりが起きやすいのです。鼻水や鼻づまりは非常に苦しい症状ですが、実は外敵から体を守るために、体の防御機能が働いた結果の反応であると考えられます。鼻水が出ることや鼻づまりが起こることそのものは悪いことではないのです。
<鼻の防御機能が働く原因・代表的なもの>
・ウイルス
風邪症候群、インフルエンザウイルス、アデノウイルス(プール熱の原因)、ムンプス(おたふく)、RSウイルスなど
・細菌
溶連菌(扁桃炎の原因)など
花粉、ダニ、ハウスダスト、化学物質、冷たい風など物理的な刺激
しかし、それ以上長引く鼻水の場合、何らかのウイルスや細菌感染症、アレルギー性鼻炎などのような原因が隠れていることがあります。そのため、もし鼻水や鼻づまりの症状が1週間以上続き、つらそうになって日常生活に影響が出ている場合、病院を受診するとよいかもしれません。数週間長引く場合は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)などの可能性を考えることもあります。
その異物が長い間取れずにいると、鼻腔の奥のほうに留まった異物が感染を起こします。このとき出る鼻水は、膿性でドロドロしていて臭いがあることが特徴です。もしこのような症状があった場合は、鼻の奥を覗いて確認してください。例えば鼻の奥にBB弾などが入っていて、周囲が化膿して膿が出ていることがあります。ただし、親御さんが異物を取り出すことは難しいため、すみやかに耳鼻科などの専門医を受診するようにしましょう。
「こどもの様子がおかしい」と思ったときは、日本小児科学会が運営する「こどもの救急(ONLINEQQ)」も参考にしてみてください。
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かたおか小児科クリニック 院長
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