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胃酸が逆流する原因は? 逆流性食道炎をはじめとする酸関連疾患とは
酸関連疾患とは、胃酸分泌の過剰や、逆流によって起こる疾患全般のことを指します。最近増加している酸関連疾患としては、逆流性食道炎、鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍などが挙げられます。特に逆流性食道...
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胃酸が逆流する原因は? 逆流性食道炎をはじめとする酸関連疾患とは

公開日 2017 年 07 月 19 日 | 更新日 2018 年 09 月 20 日

胃酸が逆流する原因は? 逆流性食道炎をはじめとする酸関連疾患とは
池田 隆明 先生

横須賀市立うわまち病院 副病院長 消化器病センター長 消化器内科部長

池田 隆明 先生

酸関連疾患とは、胃酸分泌の過剰や、逆流によって起こる疾患全般のことを指します。最近増加している酸関連疾患としては、逆流性食道炎、鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍などが挙げられます。特に逆流性食道炎は一般的に命に関わる病気ではありませんが、患者さんの生活の質を下げてしまいます。

日本国内の患者数が増加傾向にある、酸関連疾患の症状や原因について、横須賀市立うわまち病院 副病院長 消化器内科部長 消化器病センター長の池田隆明先生にお話を伺いました。

逆流性食道炎をはじめとする酸関連疾患とはどのような病気?

胃酸の分泌が過剰になり、さらに逆流すると胃や食道の粘膜を荒らしてしまう

酸関連疾患とは、胃酸の過剰分泌・逆流のために生じる疾患の総称です。酸関連疾患では、食べたものを消化するために必要な胃酸が、過剰に分泌されたり、また逆流を起こすと、胃や食道の粘膜を荒らしたり、組織を障害するような働きをします。

酸関連疾患にはどのようなものがある?

最近増加している代表的な酸関連疾患には、逆流性食道炎や鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍があります。逆流性食道炎のようにはっきりとした炎症が認められなくても、胃酸の逆流によって胸やけなどの症状がある非びらん性胃食道逆流症も酸関連疾患に含まれます。

その他には以下のような疾患が挙げられます。

・胃潰瘍

・十二指腸潰瘍

・急性胃粘膜病変

・バレット食道

胸やけを起こしている人

逆流性食道炎など酸関連疾患の原因は? なぜ酸関連疾患が増え続けているのか

近年、逆流性食道炎や鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍などの酸関連疾患の患者さんは増加傾向にあります。

その背景には、生活習慣の変化や高齢化などさまざまな原因が考えられます。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)への感染が減っている

酸関連疾患の患者さんが増えていることに、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)感染者の減少が関係していると考えられています。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、幼児期までに感染すると、胃のなかに常在します。すると、高齢になるにつれて胃の粘膜が萎縮し、胃酸の分泌が抑えられます。

しかし、近年はピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染している方が減少しているといわれています。この理由は、従来、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の感染ルートは主に井戸水を介していたものの、近年は衛生環境が整い井戸水を使用しなくなったことや、親から子へ食べ物を口移しする機会がほとんどなくなったためだと考えられています。また、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)に感染すると胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんなどのリスクが高まるため、ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)を消すための除菌治療を受けられる方も多くいらっしゃいます。このことも、感染者数の減少に関連していると考えられます。

食生活の変化による影響

日本人は魚からタンパク質を摂取していましたが、近年は欧米型の食生活になり、魚よりも肉を多く食べるようになりました。肉は魚に比べると、消化に胃液を多く要するため、肉中心の食生活は胃酸の分泌が盛んな状態が続く原因となります。

また、塩分を過剰摂取していると、胃の粘膜が萎縮して胃酸の分泌が減少します。しかし、近年は日本人の塩分摂取量が減少しているため、それに伴って胃酸の分泌も増えています。

胃酸の逆流が起こりやすい要素

酸関連疾患には胃酸の分泌が増えることだけではなく、胃酸の逆流が起こる要素が大きく関わっています。たとえば以下のようなことが原因で、胃酸の逆流が起こりやすくなります。

亀背(きはい)

亀背(きはい)とは、脊椎の変形や骨の摩擦などによって背骨が曲がった状態で、主に加齢が原因で起こります。亀背によって前かがみの姿勢になり腹圧が高まることも、胃酸の逆流の原因となります。

背中が曲がっている高齢者

食道裂孔(れっこう)ヘルニア

胸部と腹部を隔てる横隔膜にある穴を食道裂孔(れっこう)といいます。

食道裂孔(れっこう)ヘルニアは、先天性または加齢によって食道裂孔(れっこう)が緩み、胃や食道の境目が脱出している状態で、胃酸が食道へと逆流しやすくなります。

食道裂孔ヘルニア イラスト

カルシウム拮抗薬の服用

高齢の方が服用していることが多いカルシウム拮抗薬は、狭心症や高血圧の治療に用いられます。

カルシウム拮抗薬の服用によって、食道の括約筋が緩むので胃酸が逆流しやすくなります。

脂肪の摂取量が多い

脂肪の摂取によって、食道下部の括約筋を緩めるコレシストキニンという物質が分泌されます。

鎮痛剤(NSAIDs)を服用する高齢者が増えたことで鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍の患者さんが増加

鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍は、鎮痛剤(NSAIDs)を服用することによって胃の粘膜を保護する物質が阻害され、さらに胃酸の分泌の増加や粘膜障害が起きるために発生します。

近年、日本では高齢化によって整形外科・循環器内科系疾患を抱えた方が増えており、痛みを抑えようと鎮痛剤(NSAIDs)や低用量アスピリンを服用している方が多くなっています。

また、血管の詰まりを防ぐために処方される低用量アスピリンにも、NSAIDsと同様に胃粘膜を荒らす作用があります。これらは、胃の粘膜保護薬と一緒に処方されることが多いのですが、胃の粘膜保護薬だけでは潰瘍の発生を防ぐことは困難です。

薬

胸やけは逆流性食道炎のサイン? 逆流性食道炎・鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍など酸関連疾患の症状

逆流性食道炎の特徴的な症状は胸やけ

逆流性食道炎では、胃酸が食道まで逆流することで胸やけが認められます。さらに胃酸が口まで逆流すると、口のなかが酸っぱく感じられる呑酸(どんさん)の症状が現れます。

その他には以下のような症状があります。

・げっぷが多くなる

・胃もたれ

・食欲不振

・喉の違和感

・咳や気管支炎

・耳の痛み

鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍は初期症状が少なく、早期診断が困難

鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍は症状が乏しいため、早期診断は困難です。

鎮痛剤(NSAIDs)を服用していることもあり、痛みなどの自覚症状を感じないまま進行してしまうケースが多く、吐血してはじめて来院される患者さんもいらっしゃいます。

潰瘍は内視鏡所見だけでは原因を特定することはできませんが、自覚症状がないまま出血性の潰瘍を発症している場合は、鎮痛剤(NSAIDs)による潰瘍の可能性が疑われます。

また、一週間くらいの服用でも潰瘍ができる患者さんもいらっしゃいますので、服用期間の長さに関わらず潰瘍発生のリスクがあることを認識する必要があります。
 

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横須賀市立うわまち病院の副病院長を務める。消化器一般を専門とし、地域の消化器疾患治療を包括的に診療する。内科・消化器領域学会の指導医認定を取得しており、若手医師の教育にも力を入れる。特に肝臓疾患の診断、治療を専門にしている。

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