院長インタビュー

新たな体制で地域医療の充実を目指す南長野医療センター篠ノ井総合病院

新たな体制で地域医療の充実を目指す南長野医療センター篠ノ井総合病院
小池 健一 先生

JA長野厚生連 南長野医療センター篠ノ井総合病院 統括院長

小池 健一 先生

目次
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JA長野厚生連の病院として、地元農家の方のみならず周辺地域の住民の方々の健康維持のため、地域医療の充実に取り組んでいるJA長野厚生連 南長野医療センター篠ノ井総合病院(以下、南長野医療センター篠ノ井総合病院)は、2019年4月にその2年前から業務統合していた新町病院と経営統合し、新たな体制となりました。

経営統合の狙いや同院の診療体制の特徴などについて、統括院長の小池健一先生にお話を伺いました。

南長野医療センター篠ノ井総合病院 外観
南長野医療センター篠ノ井総合病院 外観

当院は、1967年に30床の病院として開院しました。その後、診療体制の拡充や地域との連携を強化していき、2015年6月には長野県から地域医療支援病院に指定されました。2019年現在では、かかりつけ医への支援を図り、協力しながら地域医療への貢献に取り組んでいます。

2017年4月には、同じJA長野厚生連に属する新町病院と業務統合しました。業務統合後は、電子カルテの統一、外来患者さんや入院患者さんへの診療支援といった形で、協力体制の構築を進めています。今後は、当院が高度急性期医療や急性期医療、新町病院は回復期医療や慢性期医療を中心に担うという形で役割分担をしていきたいと思っています。

内科フロア
内科フロア

近年は診療科別、臓器別に分かれた治療法が主軸となっていますが、一方で総合的な診療を求める患者さんが増えていると感じます。また、高齢の患者さんの中には複数の病気を抱える方も少なくありません。

そのため、全人的な診療を目指して総合診療科を開設しています。何科を受診したらよいか分からない方や病気を併発されている方は、総合診療科を受診していただきたいと思います。診断後、入院加療が必要な患者さんに対しては、内科全体でバックアップする態勢を取っています。

一般病室の様子

慢性呼吸不全や肺炎、気管支喘息肺がんなど、肺を中心とした呼吸器疾患に対応しています。また、同科では睡眠時無呼吸症候群の診断、治療にも力を入れています。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に無呼吸が繰り返され、日中の眠気や起床時の頭痛などを引き起こす病気です。当院では、簡易・終夜睡眠ポリグラフ検査(ポリソムノグラフィー)を導入、診断しています。検査の結果、睡眠時無呼吸症候群と診断された場合は、マスクを鼻に装着して空気を送り、気道を広げる治療を行います。

肺がん治療では、呼吸器外科と協力して気管支鏡や胸腔鏡などを使った検査を行い、手術と抗がん剤、放射線照射などを組み合わせた治療を実施しています。

開院当初から、腎臓疾患については診断から治療まで総合的な診療を行っています。

慢性腎不全の患者さんに対しては透析の導入を回避することを目標にし、導入せざるを得ない場合でも、できるだけ遅らせることを目指しています。そのために、薬物療法のほか、食事療法や栄養指導、患者さんの知識向上を目指した講演会など、患者さんへの指導を繰り返し行い、生活習慣の改善もお願いしています。

透析が必要な患者さんに対しては、症状に応じて血液透析や腹膜透析を行い、在宅での血液透析にも対応するなど、県内の透析医療を支えています。

産婦人科は、2009年8月から地域周産期母子医療センターとなり、ハイリスク妊娠や分娩、子宮外妊娠の方を受け入れています。

外来の窓口では、産科と婦人科を分けるなど患者さんのプライバシーに配慮し、安心して出産していただけるよう努めています。出産を終えられた方には、できるだけ体に優しい食事を提供しています。

また、不妊治療にも力を入れています。妊娠を望んでいる方を対象にした懇談会や看護師らによる不妊相談を行い、できるだけ多くの方々がお子さんを授かれるよう取り組んでいます。

手術室の様子
手術室の様子

当院は救急患者さんの受け入れも積極的に対応しています。2015年5月に新病棟ができ、救急室や救急専門病棟、集中治療室などを再整備、ヘリポートも設置しました。ヘリポートからは、専用エレベーターですぐに救命センターへ降りることができます。

また、救命センターのそばには3台のCTと2台のMRIがある放射線科や、中央検査室、内視鏡センターなどがあり、専用エレベーターで2階に上れば手術室に入れます(2019年12月時点)。これによって、患者さんの受け入れから検査、手術がスムーズにできるようになっています。

救命センターの隣には医師会急病センターもあります。医師会急病センターは地元医師会と協力し運営しており、救命センターと医師会急病センターで救急患者さんの症状に応じた振り分けを行い、緊急性の高い患者さんを優先的に対応しています。

病気が進行する前にできるだけ早期に発見し、治療に当たれるように検査にも力を入れています。

2019年からは、特に発見が難しいと言われている膵臓がんの早期発見に注力しています。地域の開業医とも協力して、膵臓がんが疑われる方やリスクが高いと思われる方の早期検査に取り組んでいます。現在はエコーやMRI、CTによる検査を行っていますが、今後も常に新しい研究に関心を払い、より精度の高い検査法を取り入れていきたいと思っています。

小池健一先生からのメッセージ

当院は、医師と看護師や事務職員の仲がきわめて良好です。若手医師が、周囲に気兼ねすることなく、のびのびと勉強できるはずです。そうした環境のなかで、この分野なら誰にも負けないという自分の強みを見つけて、医師として成長してほしいと思います。

住み慣れた地域で、誰もがのびのびと暮らすことができるよう、当院は地域医療に貢献していきたいと思っています。病院の基本理念である“患者本位の医療”を実現することで、患者さんに満足いただける病院を目指していますので、健康面で気になることがあれば気軽にご相談ください。

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  • JA長野厚生連 南長野医療センター篠ノ井総合病院 統括院長

    小池 健一 先生

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