JA岐阜厚生連 岐阜・西濃医療センター 岐北厚生病院(以下、岐北厚生病院)は、1951年に開院しました。病床数316床で一般内科と外科を中心に健診などにも力を入れ、地域医療に貢献しています。
同院の診療体制とその特徴、地域のなかでの役割などについて、病院長である益田 和明先生にお話を伺いました。
当院は1951年に開院した、JA岐阜厚生連関連病院のひとつです。二次救急医療までを担い、生命の危険があるような重症の患者さんについては、近隣の三次救急医療機関である岐阜大学医学部附属病院や岐阜県総合医療センターと連携して対応しています。
一般急性期病床のほかに地域包括ケアや緩和ケア、療養のための病床も設置しており、病気の治療だけでなく、必要に応じてその後もケアができるようになっている点も当院の特徴といえます。
地域の皆さんのための病院として、今後もほかの医療機関との連携を強めながら、予防や発見を行う健診に始まり、急性期・慢性期の治療、回復期の療養や緩和ケアまで一貫した医療サービスの提供に尽力いたします。
当院では検診に力を入れており、消化器内科で経鼻内視鏡(鼻からの胃カメラ)を備えた検診車を運用しています。口からの胃カメラと比べるとチューブが細く、挿入時の息苦しさや嘔吐感が少ないなど負担が軽減されるため、検診に臨む患者さんの心理的ハードルも下がるようです。病院内ではもちろんですが、検診車に搭載することで遠方にお住まいの患者さんにもよりよい医療を届けていければと考えています。
当院には乳腺センターが設置されています。ここでは、日本乳癌学会認定の乳腺専門医を中心に、乳がんや乳腺症などに対しチームで診療にあたっています。
乳がんの外科的治療が必要になった場合は、乳房再建についてもぜひご相談ください。当院では乳房再建の際、エキスパンダーという袋を用いて行う人工乳房再建術を導入しています。これは、切除術の際にエキスパンダーを設置し、皮膚を伸ばして乳房の形に膨らませ、その後インプラント(人工乳房)と入れ替える手法になります。背中などほかから組織を取って行った場合と異なり、術後に残るのは切除術の際にできた傷だけになりますが、自家組織ではなく人工物のため仕上がりが硬く感じられるなどの特徴があります。
乳がんの治療法は多様です。当院では一人ひとりの患者さんに対して丁寧な診察を行い、その人に合わせた適切な方法を一緒に考えながら治療を進めていきます。
当院の整形外科では変形性関節症、頚椎症性脊髄症、腰部脊柱管狭窄症などのほか、一般的な外傷による骨折、骨粗しょう症、関節リウマチなどを対象に診療します。
慢性的に痛みが続いたり、長期間の薬物治療が必要だったりとすぐに治療効果が出ない病気も多いですが、当院では患者さんに寄り添って根気よく治療を続けていくお手伝いをいたします。
当院では、院内に居宅介護支援事業所と訪問看護ステーションを設置しています。
居宅介護支援事業所では、介護保険に関する相談や申請・更新の代行など、介護に関するさまざまな相談を受け付けています。病院内の施設である点と、訪問看護が併設している点を生かし、医療支援を必要とする利用者さんや人生の最終段階におけるケアにも対応しています。ケアマネジャーやリハビリスタッフと協力することで、入院中から退院後までのことをまとめて相談できるのがメリットです。
“Sun・サン訪問看護ステーション”では、主治医との連携を密にとりながら在宅ケアを提供しています。胃ろうや人工呼吸器など医療器具の管理、リハビリテーションも行っています。当院をはじめ、近隣の医療機関との連携を行うことで総合的なケア体制を整えています。
当院では市の健康講座、消防署と協力した救命講習会などさまざまな活動に携わっています。
当院のある山県市で行われた“やまがた健康・介護フェスタ”では、経鼻内視鏡検診車の展示・見学会を行い、検診の啓発活動を行いました。ほかにも健康相談や乳がん啓発のピンクリボン運動、緩和ケアに関するDVDの上映会など各種の催しで地域の皆さんの健康に寄与しました。
当院ではベトナムからの技能実習生を受け入れています。介護技術を学んで、母国で生かしてもらうため、JA岐阜厚生連が中心となって行っている取り組みです。
当院としても外国からの実習生を受け入れることで他国への理解を深め、国際化社会への対応を進めるとともに医療による国際貢献にも努めています。
当院は2020年9月のリニューアルに向けて現病院の南側に新棟を建築中です。さらにそこから1年ほどかけて、現在の建物の耐震化や改修も行う予定です。それらに伴って病院設備が刷新され、患者さんにとっての快適さが大きく向上してくると考えています。
病気やけがでお困りの際には、新しく生まれ変わっていく当院をぜひ受診していただきたいと思います。
ひと昔前と比べると医師として学ぶべき情報量が大変増えているなかで、今の若い皆さんは非常に一生懸命に勉強していると思います。日々の診療手技に加えて覚えるべき知識が多く、とても大変だろうと推察します。
しかし、忙しい毎日のなかでも患者さん一人ひとりと触れ合うことを大切にしてほしいと思います。現代の医療では完全には治らない病気もまだ多いですが、患者さんと向き合ってそのお話をよく聞き、安心してもらいながら診察することが医師の基本だと考えます。せっかく学んだ知識が消化不良にならないように、“生の経験”を大切にしながら根気よく診療に取り組んでいってください。
JA岐阜厚生連 岐阜・西濃医療センター 岐北厚生病院 病院長兼整形外科部長
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まずはメディカルノートよりお客様にご連絡します。
現時点での診断・治療状況についてヒアリングし、ご希望の医師/病院の受診が可能かご回答いたします。