編集部記事

喉頭がんの症状とは? ~声のかすれや不自然な息漏れなどに注意~

喉頭がんの症状とは? ~声のかすれや不自然な息漏れなどに注意~
北村 守正 先生

金沢医科大学 頭頸部外科学 教授

北村 守正 先生

一般社団法人 日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

目次
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喉頭(こうとう)がんとは、いわゆる“のどぼとけ”に位置する“喉頭”という器官に生じるがんのことです。喉頭は気管と咽頭(いんとう)をつなぐ管で、呼吸をする際の空気の通り道となるほか、発声の機能や飲食物が誤って気管に入るのを防ぐ役割があります。喉頭がん頭頸部(とうけいぶ)がんの一種であり、頭頸部がん全体の15%程度を占めています。

それでは、喉頭がんにはどのような症状が現れるのでしょうか。このページでは、喉頭がんの主な症状やセルフチェックの方法、医療機関を受診する目安などについてご紹介します。

喉頭がんは発生部位によって“声門がん”“声門上部がん”“声門下部がん”の3つに分けられ、それぞれに異なる症状が生じます。日本人の喉頭がんの割合は声門がんが60~65%もっとも多く、次いで声門上部がんが30~35%、声門下部がんはまれで数%といわれています。

以下では、それぞれの喉頭がんの症状についてご説明します。

声門がんは声を出す際に必要な“声帯”に生じるがんをいい、早い時期から声のかすれ(嗄声(させい))が出現します。具体的には低くガラガラした声になったり、発声時に雑音が混じったり、息が漏れるようになったりします。このように早い段階から声の異常が出現するため、比較的早期に発見されやすいがんといえます。

進行すると嗄声が悪化するほか、腫瘍(しゅよう)が大きくなることで声門が狭くなって息苦しさを感じたり、血が混じった痰(血痰)が出たりすることもあります。また、首にしこり(頸部(けいぶ)リンパ節転移)が触れるようになることもあります。

声門上部がんとは、声門よりも上の部分に生じる喉頭がんです。初期症状はあまりなく、時にのどの違和感や飲み込むときに痛みが出ることもあります。そのため、発見までに時間がかかり、進行した状態で見つかることが多いです。首にしこりができ、その原因を調べる過程で見つかることも多いです。

進行すると、徐々にのどの違和感や、飲み込んだ際の痛み、息苦しさ、血痰などを生じるようになり、がんが声帯まで広がると嗄声などの症状がみられることもあります。

声門下部がんとは、声門よりも下の気管に近い部分に生じる喉頭がんです。声門下部がんは喉頭がんの中でも初期症状が乏しいがんで、進行するまで症状が現れないことが多くあります。そのため、早期発見が困難ながんといえるでしょう。

進行すると、ほかの喉頭がんと同様に嗄声や息苦しさなどの症状がみられます。

喉頭がんでは発生部位によって、前述のようなさまざまな症状がみられます。気になる症状が2週間以上続く場合は、耳鼻咽喉科や頭頸部外科の受診を検討しましょう。

医療機関では喉頭鏡という小さな鏡を口の奥へ入れて行う“喉頭鏡検査”や、鼻から内視鏡を入れて行う“内視鏡検査”などの検査を行うことが一般的です。がんが疑われる病変があれば内視鏡検査の際に局所麻酔を行い、病変の一部を採取して顕微鏡で観察すること(生検)で確定診断に結びつけます。

喉頭がんは喫煙・飲酒習慣のある方の発症リスクが高いことが分かっており、特に喫煙習慣と飲酒習慣の両方がある方は、より発症リスクが高いと考えられています。そのため、これらの習慣がある方は意識的にセルフチェックを行い、上記症状があれば速やかに医療機関の受診を検討しましょう。

以下では、喉頭がんの症状のセルフチェック方法についてご紹介します。

  • 声にかすれや雑音の混入、息が漏れるなど、声の違和感がある(嗄声
  • 喉がイガイガする
  • 首にしこりが触れる (頸部リンパ節腫脹)

など

2022年2月現在、喉頭がんに対して指針として定められたがん検診はありません。

しかし、喉頭がんは発生部位によっては初期症状が現れやすく、早期発見できる可能性も高いといわれています。そのため、気になる症状があれば決して放置せず、速やかに医療機関の受診を検討するとよいでしょう。

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東京医科大学 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学分野主任教授

つかはら きよあき
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東京慈恵会医科大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科 講師

ながおか まさと

東京慈恵会医科大学附属病院―“根治”と”機能温存”の両立を目指し、希少がんの治療に挑む

日本の医療を支える東京慈恵会医科大学附属病院による頭頸部がんをテーマにした特集です。

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もりした ようへい

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