院長インタビュー

思いやりのあるやさしい誠実な医療を提供ー呉医療センター・中国がんセンター

思いやりのあるやさしい誠実な医療を提供ー呉医療センター・中国がんセンター
メディカルノート編集部  [取材]

メディカルノート編集部 [取材]院長インタビュー

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広島県呉市にある独立行政法人 国立病院機構 呉医療センター・中国がんセンター(以下、呉医療センター・中国がんセンター)は130年以上の歴史を持ち、“思いやりのある、やさしい誠実な医療を提供する”を理念に呉市の医療を支え続けています。

そんな同院の特長について、院長の繁田 正信(しげた まさのぶ)先生にお話を伺いました。

先方提供
呉医療センター・中国がんセンターご提供

当院は、1889年に呉鎮守府附属呉海軍病院として開院以来、135年以上にわたって呉市とその周辺地域の医療を支えてきました。

現在は、命に関わる重症患者への救急医療を提供する救命救急センターをはじめ、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センターなどに指定されており、全700床(2024年現在)の病床を備える広島県内で見ても大変大きな規模を誇る医療施設に成長しています。

当院には、さまざまな分野で専門性の高い医師が多く在籍しており、幅広い医療ニーズに応えられる病院であると自負しています。

当院は全国に32あるがんセンターの1つとして、地域がん診療連携拠点病院に指定されており、がん診療全般に注力しておりますが、特に大腸がんの患者さんが多く受診されています。大腸がんの治療では、早期発見・早期治療が重要となります。当院では、早期に見つかった大腸がんの場合、内視鏡治療を治療の柱としています。注力しているのが、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)という高周波電気メスで病変を取る技術です。20mmを超えるがんでもリンパ節転移がなければ、この方法でお腹を切ることなく、内視鏡でがんを取り除くことができるものです。難易度の高い技術ではありますが、当院では2009年より実施し、手術風景がテレビで紹介されたこともあります。

また、当院の消化器内科では、のどと食道の間に袋(ポケット)ができることで、飲み込みができなくなったり、吐き戻したりしてしまうZenker憩室という病気に対しても内視鏡による治療を行っています。2018年に国内では初めて導入し、2020年には先進医療*として行える施設として厚労省から本邦初の承認を受けました。今後症例数を増やし、保険適用になることを目指しています。

このように当院は常に現状の医療に慢心せず、1人でも多くの患者さんを救うためにより良い治療法を模索しています。

*Zenker憩室に対する内視鏡治療

口から内視鏡を入れ、のどと食道の間にできた袋の部分を高周波ナイフで切除します。全身麻酔で行います。詳細に関してはお問い合わせ下さい。

2023年には、手術支援ロボット“ダ・ヴィンチ”を導入し、泌尿器科を皮切りに外科、婦人科、呼吸器外科の治療に活用しています。

多くの科で腹腔鏡下手術が主流となってきておりましたが、ダ・ヴィンチを導入することで、手技が標準化されて医師の技量に左右されにくくなり、医療水準の底上げに繋がりました。

しかし、設備投資のコスト面など、新たな課題も生まれています。当院は、こうした課題を解決し、さらに多くの診療科でダ・ヴィンチを活用できるように、医療体制を最適化していく方針です。

当院は、市民の方々に向けた公開講座を積極的に開催しています。

2024年は、ダ・ヴィンチの活用や膵臓がん大腸がん、緩和ケアなどをテーマに講演会を行いました。がんを乗り換えた芸能人を招くなど、皆さんに関心を持っていただけるような講座になるような工夫をしております。

がん診療においては、検診による早期発見が何より重要です。体調が悪くならない限りなかなか病気の心配はできませんが、当院の情報発信を通じて、少しでも多くの方々に健康への関心を高めていただければ幸いです。

当院は、がんセンターとしての側面、そして救命救急センターとして急性期病院としての側面を持ち、全ての診療科がそれぞれ充実したスタッフを抱えております。言い換えれば当院は何でも揃う百貨店のような存在といえるでしょう。頭のてっぺんから足の先まで、実力を持った医師が対応しますので、安心して受診していただければと思います。

医療を取り巻く環境は目まぐるしく変化しますが、当院はこれからも幅広い医療ニーズに応え続け、呉市の方々の健康を支えられるよう全力で取り組んで参ります。

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