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妊婦だからこそ接種を決めた——リスクとベネフィットを天びんに

妊婦だからこそ接種を決めた——リスクとベネフィットを天びんに
メディカルノート編集部 [取材]

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この新型コロナウイルス感染症に関する記事の最終更新は2021年03月26日です。最新の情報については、厚生労働省などのホームページをご参照ください。

前ページでは、アメリカ カリフォルニア州で暮らす北路和美さんに新型コロナウイルスワクチンの接種体験談をお聞きしました。本記事では、和美さんの娘で医療従事者として働く北路ダイアナさんにもワクチン接種の体験談をお話しいただきました。ダイアナさんは現在妊娠中です。妊婦さんへのワクチンの影響などはまだ不明な点もありますが、ワクチンへの不安はなかったのでしょうか。当時の心境や、どのようにして接種を決意したのかといった経緯をまとめました。

※本記事は2021年2月26日時点の一個人の体験談に基づく話です。

私は現在(2021年2月26日)、妊娠23週目です。新型コロナウイルスワクチンの接種が開始された2020年の12月頃は、仕事が冬休み期間で外出もほとんどしていなかったことに加え、妊婦に対するワクチンの安全性がまだ十分に評価されていないということもあり、「まずは様子見を」と考えていました。

一方で、さまざまな変異型ウイルスが発見・研究され、変異型ウイルスは子どもへの感染性が強い可能性もあるという情報なども目にし、保育園に通う4歳の娘もいつ新型コロナウイルスに感染しても不思議ではなく、そこから自分自身に感染する可能性も十分にあるのだと不安も徐々に大きくなっていったのです。

1月に入ると国内外で着々と接種した方のデータが集まっており、私の周囲でも接種を済ませた方が増えていました。妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化や早産のリスクなどが上昇するという報告があります。私は以前からその点が非常に心配であったため、有害事象・副反応に関するデータやmRNAワクチンの仕組み、開発から承認までの速さの理由、接種時・接種後の体験談などを見聞きしながら、徐々に接種を検討するようになっていきました。

検討するにあたって活用したのは、WHO(世界保健機関)やCDC(アメリカ疾病対策センター)のwebサイトや医学論文、学会などが発信しているポッドキャストなどです。また、イスラエルでは接種が進んでいるためイスラエルのデータも参考にしたり、知り合いの医療従事者の意見を聞いたりしました。そのほか役立ったのはインスタグラムです。これは、同じくらいの週数で接種をした妊婦さんの情報を集めるために活用しました。

こうしてさまざまな情報を集め、最終的には接種することによる“リスク(危険性)”と“ベネフィット(利益)”を天びんにかけました。その結果、私の場合は接種するベネフィットのほうが大きいという判断に至りました。

そして、信頼できる産科医(主治医)からの後押しがあったことも大きな要因です。私の主治医だけでなく、複数いる妊娠中の知人それぞれの主治医全員が「妊娠初期ではないのなら打つべきだ」とおっしゃっていたので安心して打つことを決意できました。

私はこのようにしてワクチン接種に至りましたが、接種したくないと考える“アンチワクチン派”の方ももちろんいらっしゃいます。ただし、アンチワクチン派の方々の多くは、元々新型コロナウイルスワクチンに限らずインフルエンザなどのほかのワクチンに関しても接種したくないという考えを持っています。

しかし、今回の新型コロナウイルスワクチンに関してはむしろ、「ほかのワクチンは接種しないけれど、新型コロナウイルスワクチンだけは接種したい」という“アンチワクチン派”の方もいるほどです。これこそが、アメリカにおける新型コロナウイルス感染症による影響の大きさ・深刻さを物語っているのではないでしょうか。日本では、「ほかのワクチンは接種するけれど新型コロナウイルスワクチンは接種したくない」と考える方もいると耳にするので、この点では大きなギャップを感じました。

私は妊娠19週目のタイミングで1回目の接種を終えました。私の場合、接種時の痛みや接種当日の軽い筋肉痛のような痛みといった症状が出ました。一方、周囲に話を聞いてみると、まったく症状が出なかった方もいれば発熱や関節痛が生じたという方もいたようです。この点に関しては個人差によるところが大きく、打ってみないと分からない部分だと思います。

取材後編集部追記:2回目の接種後、ご連絡をいただきました。

2回目の接種後は、筋肉痛のような痛みが初回よりも強かったとのことですが、それも1日ほどで治まり、そのほかの副反応はみられなかったとのことです。

また、接種後にインスタグラムで妊娠およびワクチン接種の報告をしたところ「私も妊娠していて、接種するかどうか迷っている」という相談を複数受けたそうです。

これまでは妊娠中ということもあって外出は必要最低限にとどめ、非常に気を遣って生活をしてきました。美容院にも1年以上行っていません。しかし、ワクチンを接種した後は新型コロナウイルスへの感染に対する心理的な不安が軽減しました。それだけでも大きな価値があったと感じています。こうした日常生活への厳しい制限が、アメリカにおけるワクチンのニーズを高めているのではないでしょうか。

接種をしたからといって感染リスクがゼロになるわけではありませんし、すぐにこれまでの生活に戻れるわけでもありません。それでも、ワクチンの接種が進むにつれて少しずつこれまでの生活を取り戻せればいいなと思います。旅行をしたり、マスクをせずに人と会ったり、ハグをしたり、そうした世界が戻ってくる日が待ち遠しいです。

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