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ワクチンが新型コロナウイルス感染症の流行を収束させる唯一の希望の光に思えた

ワクチンが新型コロナウイルス感染症の流行を収束させる唯一の希望の光に思えた
メディカルノート編集部 [取材]

メディカルノート編集部 [取材]

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この新型コロナウイルス感染症に関する記事の最終更新は2021年03月26日です。最新の情報については、厚生労働省などのホームページをご参照ください。

アメリカ カリフォルニア州で暮らす北路和美さん。和美さんは先日、新型コロナウイルスワクチンの1回目の接種を終えたと話します。日本に先行して接種が開始されたアメリカでは、国民はワクチンについてどのような反応を示しているのでしょうか。そして、和美さんご自身は接種をするに至るまで迷いはなかったのでしょうか。接種前から接種後までの貴重な体験談やワクチンへの期待についてお聞きしました。

※本記事は2021年2月26日時点の一個人の体験談に基づく話です。

私は高校までを日本で過ごし、アメリカの大学に進みました。現在(2021年2月26日)はアメリカ カリフォルニア州で生活をしていますが、大学卒業後からずっとアメリカに住んでいるわけではなく日米を行き来していたため、アメリカ在住年数は計40年ほどになります。カリフォルニア州はアメリカの中でも新型コロナウイルス感染者の数が非常に多く、最近では少し緩和されたものの、生活における規制は日本の比ではないほど厳しいです。アメリカでは州の中でもさらにカウンティ(郡)と呼ばれる単位で地域が区切られており、現在よりも規制が厳しかった時期には自分が住んでいるカウンティから別のカウンティに行くだけで罰金を科せられるほどでした。

私自身、外食はもう1年以上していません。また、少し前までは食事のデリバリーを注文して届けてもらっても、少しの時間それを外に置いたままにしたり、スーパーで購入したものを帰宅後1つ1つ袋から取り出して、除菌剤を付けた布で拭いたりしていました。

こうした背景もあり、仕方ないことだと理解はしつつも、自粛生活に対する疲れや不満は多くの国民が抱いているのではないかと感じています。そうした中でワクチン接種が開始されるというニュースを聞いたときは非常に嬉しく感じたことを覚えています。

ワクチンが接種できるようになるというニュースに喜んだものの、すぐに接種を決断したわけではありません。初めは接種をするか否か非常に迷っており、自分自身で決断するためにもまずは情報を集めることにしたのです。

私は以前、日本からコロンビア大学病院に留学していた博士研究員の方々と交流があり、現在も連絡が取れるような仲だったため、日本各地の医療機関に勤務する医師の方々にワクチンについてどう思うか意見を聞くことができました。この点は非常に恵まれた環境だったと思います。また、WHO(世界保健機関)やCDC(アメリカ疾病対策センター)からの情報、あるいは医学論文からも積極的にワクチンに関する情報を得るようにしました。加えて、アメリカではかかりつけ医にメールなどで自由に質問をできるため、こうした方法で情報を得た方もいるのではないかと思います。

さまざまな情報を集めるなかで、ワクチンによる長期的な影響を懸念する声も目にしました。しかし、自身の年齢のことを考えると、私にとっては10数年先のことよりも、今現在の新型コロナウイルス感染症のほうが恐ろしく、リスクも高いと感じたため、結果的にワクチンを接種することに決めたのです。

ワクチンの接種をするかどうか、決めるのはあくまで各個人です。そして、新型コロナウイルスワクチンに限らず、どのようなワクチンや薬でも必ずリスクはあります。大切なことは、自身が信頼できるところから情報を集めたうえで、それを基に自分自身で判断することなのではないでしょうか。

カリフォルニア州では、ワクチン接種予約の争奪戦のような状況が続いています。カリフォルニア州の場合、医療従事者や65歳以上の方、教育・幼児ケアに関わる方などの接種がある程度優先されていますが、優先対象となっていてもまだ接種をできていないという方も多くいらっしゃるようです。一方で順調に接種が進んでいる地域もあるようで、州ごとの人口あるいは人口密度などによって違いはあるかと思います。

カリフォルニア州でワクチン接種の予約をするには2つの方法があります。1つは加入している保険会社経由の予約、そしてもう1つが住んでいるカウンティ経由の予約です。私はこのうちカウンティ経由で予約の空き状況を確認している際、たまたま空きを見つけて予約することができました。

注射そのものに対しては痛みを覚悟していたのですが、私の場合は「拍子抜けするほどあっさり済んだな」というのが正直な感想です。接種後に筋肉痛のような痛みや倦怠感、発熱などが生じることも一切ありませんでした。接種当日は眠気が強くなりましたが、ワクチンを接種するにあたってとても緊張していたので、精神的な疲れが関係しているのかもしれません。

すでに接種を終えた周囲の方数名に話を聞いてみても、発熱した方はいないようでした。しかし、接種当日は腕に筋肉痛のような痛みが出た、あるいは注射をした部位が痛んだという方もいたので、個人差は大きいのだと思います。

取材後編集部追記:取材から約1か月後の3月中旬、2回目の接種を終えたとご連絡をいただきました。

初回の接種と同様注射時の痛みもなく、その後も発熱・接種部位の痛み、倦怠感などの副反応はなかったとのことです。また、和美様がお住まいのカウンティでは16~64歳のうち持病のある方の予約も可能となったものの、現状はワクチンが足りておらず、2回目の接種の方が優先されているそうです。

1回目のワクチン接種後は、これまでのような「いつ自分が新型コロナウイルス感染症にかかってしまうのか」「かかってしまったら重症化するかもしれない」という不安が多少和らぎました。新型コロナウイルス感染症の発症(感染)に対する効果を一個人で実感することは難しいかもしれませんが、ワクチン接種による精神的な安心感こそが、明確に実感できるワクチン接種の恩恵の1つかもしれません。

しかし同時に、決してここで気を抜いてはいけないという気持ちもあります。ワクチン接種対象年齢に達していない孫をはじめ、ワクチンを接種できていない方々も多くいます。私を媒介として周囲の人たちが新型コロナウイルスに感染するということを避けるためにも、まだしばらくは感染予防を意識した生活を送る必要があるでしょう。

新型コロナウイルス感染症の流行当初、こんなにも長期化し、世界的な影響を及ぼすと考えていた方は少ないでしょう。なかなか事態収束のめどがつかず、自粛生活にも疲弊しつつあった中で日本にいる友人から外食をしたなどという話を聞くと、規制の少ない日本の状況を羨ましく思うこともありました。しかし、今はこうした我慢が事態の収束につながると信じるしかないとも思っていました。そして、その中でのワクチンの登場は、私にとっては事態を収束させる唯一の希望の光に思えました。

確かに、あまりに早いワクチンの登場や長期的な影響への不安を抱く方がいるのも仕方がないことだと思います。しかし、これまでと同じように自粛生活を続けるだけでは事態の収束は難しいでしょう。

私の場合は、10数年後よりも今のこの状況への不安の方が大きいため、接種を決めました。そして、それによって少しでもワクチンに関する知見が蓄積されることで、若い方々の役に立てればという気持ちもありました。そして何よりも、ワクチンの接種が進むことで、少しでも早く新型コロナウイルス感染症流行以前の生活に戻れることを強く願っています。

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